東京海上日動あんしん生命の学資保険の返戻率は悪化を辿る一方

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子供のための貯蓄型学資保険の検討からドル建て保険の存在を知り、様々な保険を勉強してきました。複雑でわかりにくい保険に関する内容を少しでも理解しやすくなるためのブログです。

東京海上日動あんしん生命の学資保険の返戻率は悪化を辿る一方

   

東京海上日動あんしん生命の学資保険の返戻率

お子様が生まれると自然と将来の学費の不安が頭をよぎり、多くの方が「学資保険」への加入を頭に浮かべるのではないかと思います。

専門家に聞いたり、雑誌、インターネット、口コミなどで情報を集め、会社の垣根を越えて、1%でも高い貯蓄率の商品を追い求めるでしょう。

今回は、東京海上日動あんしん生命で取り扱っている学資保険「5年ごと利差配当付こども保険」を取り上げます。

結論から言うと、現在のマイナス金利の影響をもろに受けているのか、返戻率はとんでもなく「悪い」商品になってしまっています。

今回は東京海上日動あんしん生命の学資保険の返戻率を実施の契約例をもとに割り出し、返戻率が悪い理由や保障型学資保険の是非についてお話したいと思います。

「5年ごと利差配当付こども保険」の特徴

こども祝い金

お子様が一定の年齢に到達するたびに支給される「祝い金」があるタイプの商品であり、基準祝金額を決めて加入することになります。

支給年齢と支給金額は以下のようになります。

・6歳(小学校入学) → 基準祝金額の20%

・12歳(中学校入学) → 基準祝金額の30%

・15歳(高校入学) → 基準祝金額の50%

・18歳(大学・短大・専門学校入学) → 基準祝金額の100%

養育年金

契約者である「親」が死亡・高度障害状態時には、養育年金が毎年支給されます。

支給金額は、基準祝金額の50%の値になり、保険期間満了まで毎年支給されることになります。

また、契約者死亡・高度障害状態時には、それ以降の保険料が免除され、以降は保険料を支払うことなく、養育年金を受け取り続けることができます。

こどもの保障

「5年ごと利差配当付こども保険」には、契約者である親の保障のほか、被保険者である「子供」にも死亡保障がついています。

子供が死んで保険金をもらうことの是非についてはさておき、死亡保障があります。

・不慮の事故や所定の感染症で死亡した場合 → 基準祝金額の200%

・上記以外の原因で死亡した場合 → 所定の金額

その他の特徴

子供が生まれる前からでも保険に加入できることができ、その条件は、出生予定日が140日以内となっています。

また、契約者配当金が5年ごとに支給されますが、今後必ず支給される保証はなく、運用実績次第では支給されないこともあるので注意が必要です。

基準祝金額は50万円~500万円までで10万円単位で決めることができます。

保険期間はお子様が22歳まで、保険料支払期間はお子様が18歳までと指定されており、加入できるお子様の年齢は0歳~9歳までとなっています。

シミュレーション

「5年ごと利差配当付こども保険」を、契約者:30歳男性 被保険者:0歳男性 基準祝金額200万円 保険期間:22歳(被保険者年齢 保険料支払期間:18歳(被保険者年齢)の条件で、シミュレーションしてみます。

結果は以下の通りです。

月々保険料:22,134円

小学校入学時中学校入学時高校入学時大学入学時子供が不慮の事故
もしくは所定の感染症で死亡されたとき
上記以外の原因で死亡されたとき契約者死亡時
40万円
60万円
100万円
200万円
400万円
所定の金額
(計算方法が複雑なので割愛)
養育年金100万円(被保険者年齢22歳まで)

シミュレーション結果から見る返戻率

お子様が生存し続けた場合の返戻率を見てみます。

月々の保険料は22,134円ですので、18年間支払った場合のトータルの保険料は、22,134円 × 12ヶ月 × 18年 = 4,780,944円となります。

祝い金として受け取る金額の合計は、40万円 + 60万円 + 100万円 + 200万円 = 400万円となるので、返戻率は、400万円 ÷ 4,780,944円 × 100 = 83.66%となります。

478万円支払って受け取る金額が400万円、かなり「損」が大きい結果になりました。

返戻率が悪い原因

他の保険会社で取り扱っている学資保険、例えばソニー生命や明治安田生命の学資保険は、返戻率が100%を超えるものもあります。

なぜ、東京海上日動あんしん生命の学資保険は、返戻率が100%を割り込み、80%台ととても悪い率になっているのでしょうか?

それは、契約者の保障「養育年金」の存在にあります。

ソニー生命や明治安田生命など、返戻率が高いと言われる学資保険には、契約者が死亡した際の「養育年金」はなく、契約者死亡の場合は「それ以降の保険料が免除される」という部分しかありません。

これらはいわゆる、貯蓄型学資保険といわれるものですが、多くの保険商品がマイナス金利の影響からか相次いで契約を停止することを決定しているようです。

東京海上日動あんしん生命と同様に、養育年金が支給されるタイプの保障型学資保険は、同様な悪い返戻率となっているでしょう。

養育年金(育成年金)があったほうが良いのか悪いのか?

単純に「貯蓄」という観点からみると、養育年金がないほうが返戻率が上がるので、良さそうに思えますが、「保障」という観点から見たらいかがでしょうか?

契約者が死亡した場合、学資保険単体で見れば、それ以降の保険料を支払うことが免除されますので、以降の子供の学資資金の心配はなくなるので安心できます。

しかし、収入が途切れてしまう上に、生活は引き続きしていかなくてはいけないことを考えると、子供の学資資金が確保できたからと言って、果たして安心して生活していけるでしょうか?

学資保険を検討する際に忘れがちなのが、現在、親として加入している生命保険がしっかりと考えて十分な保障内容になっているかどうか、をあらためて確認することが必要です。

遺族の以降の生活費がしっかりと準備できているのであれば、「養育年金」は不要かと思われますが、もしあまり考えずに加入してしまっていたとしたら、毎年支給される養育年金は、生活費の助けになるでしょう。

東京海上日動あんしん生命の学資保険の返戻率は悪化を辿る一方のまとめ

単純に、支払った金額と受け取る金額から計算する返戻率だけを見たら、東京海上日動あんしん生命の学資保険は「悪い」と結論せざるを得ません。

しかし、学資保険は「保険」と名の付く商品です。

万が一の「保障」を考えたとき、単純に返戻率の良し悪しだけでは、安易に「悪い」商品と結論付けるのは尚早なのかもしれません。

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