保険料の安さを期待してライフネット生命で契約することはデメリットでしかない

ほけんケア~ドル建て保険も理解できた!保険について本気出して勉強した主婦のブログ

子供のための貯蓄型学資保険の検討からドル建て保険の存在を知り、様々な保険を勉強してきました。複雑でわかりにくい保険に関する内容を少しでも理解しやすくなるためのブログです。

保険料の安さを期待してライフネット生命で契約することはデメリットでしかない

   

ライフネット生命のデメリット

インターネット生命保険会社として先駆者であるライフネット生命ですが、保険外交員を設けず、直販での保険販売になるため、保険料が安いというイメージがつきやすいですが、意外とそうではありません。

また、現在においては、基礎利益も赤字が続き、ネットの限界を感じたのか、KDDIや保険の窓口と業務提携を結び、本来の理念であった「非対面式」から大幅にその戦略がずれ始めているという印象を持ちます。

今回は、「保険商品」そのものについて説明し、ライフネット生命で生命保険を契約する保険料的なデメリットについて触れたいと思います。

ライフネット生命は商品性の少ない

ライフネット生命で取り扱っている保険商品は、たった5つしかありません。

  • 定期保険
  • 医療保険
  • 女性向け医療保険
  • がん保険
  • 就業不能保険

の5つになります。

それぞれ触れてみたいと思います。

定期保険:かぞくへの保険

保障額が保険期間中は一定である、いわゆる一般的な「定期保険」です。

保険期間を、10年、20年、30年のいずれかで指定する「年満了タイプ」と、65歳、80歳の年齢で指定する「歳満了タイプ」があります。

前者の「年満了タイプ」は、漢字保険会社でよく見る「更新型」となっており、更新の度に保険料がアップしていき、最長で80歳まで保険期間を延長することができます。

後者の「歳満了タイプ」は、更新がなく、指定した年齢に到達するまで保険料は変わりませんが、「年満了タイプ」と比べると保険料が高くなります。

ライフネット生命に限らず、多くのネット保険会社が「保険料の安さ」を謳っている広告は、最も保険料が安くなる「10年満了」で計算された保険料であり、本当に10年間だけの保障で良いのであれば問題はないですが、10年目以降も保険を続けるのであれば、更新する必要があり、保険料が上がっていくことになるので、安い保険料がずっと続くわけではないことにご注意ください。

定期保険の必要性

そもそも、保障額が一定である「定期保険」に加入する理由はあるのでしょうか?

一般的には、生命保険に加入する最も多い目的は、「家族の生活保障」でしょう。

その家族が必要となる生活費というのは、年齢が上がっていくにつれて減っていくものであり、保障額が一定である必要はありません。

保障額が一定である定期保険よりも、年々減っていく必要生活費に合わせて保障も減っていく「収入保障保険」の方が、はるかに保険料が安くなります。

葬式代の準備としても、保険期間が満了すれば保障はなくなるわけですので、運良く保険期間中に亡くなることができれば保険金はおりますが、保険期間満了後に亡くなった場合は「1円」も保険金はおりません。

保険料の比較

オリックス生命で取り扱っているネット専用商品「定期保険:ブリッジ」と保険料を比較してみます。

契約年齢:30歳男性 保険金額:1,000万円 保険期間:10年(更新型)/65歳 という異なる保険期間2パターンで試算してみます。

【保険期間:10年(更新型)】

・ライフネット生命:かぞくへの保険 ・・・ 1,230円/月

・オリックス生命:ブリッジ ・・・ 1,310円/月

【保険期間:65歳】

・ライフネット生命:かぞくへの保険 ・・・ 2,886円/月

・オリックス生命:ブリッジ ・・・ 2,472円/月

試算結果から

10年(更新型)であれば、ライフネット生命のほうが保険料が安くなるようですが、65歳という保険期間が長くなるほどオリックス生命のほうが安くなるようです。

そもそも、保障額が変わらない定期保険は、加入する積極的な理由が見当たらないので、どんなに安くてもどうでもいいという印象を持たざるを得ませんが、保険外交員を持たないからライフネット生命が安いとは必ずしも言えない結果になっているのではないでしょうか?

また、保険料の安さを謳っている広告は、先にも触れましたが、最も保険料が安くなるパターンの金額を表示しているに過ぎません。

この狙いは、他の商品も「安い」というイメージを消費者に植え付けようとする狙いを感じ取れます。

医療保険:新じぶんへの保険

ライフネット生命の医療保険の特徴は、日帰り入院や5日以内の入院であっても、一律5日分の入院給付金が支給されるという特徴があります。

しかし、手術給付金については、給付金額は入院日額の「10倍」となっており、入院を伴わない外来手術は対象外になっていることが気になります。

その他の保障内容については、極々一般的なものになっています。

保険料の比較

オリックス生命の医療保険「新キュア」と保険料を比較してみます。

契約年齢:30歳男性 保険期間・保険料払込期間:終身 1入院限度日数:60日型 入院日額:5,000円 先進医療特約:付加 三大疾病入院日数無制限:付加 がん一時金特約:50万円 という条件で試算してみます。

ライフネット生命:新じぶんへの保険 ・・・ 2,629円/月

オリックス生命:新キュア ・・・ 2,312円/月

試算結果から

単純な保険料の比較では、オリックス生命の新キュアに軍配が上がりました。

保障内容については、新じぶんへの保険は、5日以内の短期入院の場合でも一律5日分、5,000円×5日で25,000円が支給される反面、手術給付金は一律5万円となっています。

しかし、新キュアは、一律5日分といった入院給付金の仕様はありませんが、手術給付金は10万円、日帰り手術でも2.5万円の支給があります。

がん一時金特約の取り扱いについても、新じぶんへの保険は、保険期間を通して最大「5回」まで支給されますが、新キュアについては、年1回を限度として回数無制限となっており、手厚くなっています。

一律5日分の入院給付金を重視するのか、手術給付金やがん一時金の保障の手厚さを重視するのか、考え方は人それぞれになりますが、総合的に見ても新キュアに優位性があると思われます。

女性向け医療保険:新じぶんへの保険レディース

新じぶんへの保険に、女性特有の疾病で入院された場合、もしくは、がんで入院された場合に、入院日額が上乗せされるという特徴がある以外、新じぶんへの保険と保障内容は同じになります。

こちらも、オリックス生命の女性向け医療保険「新キュア・レディ」と比較してみます。

契約年齢:30歳女性 保険期間・保険料払込期間:終身 女性入院給付金:日額5,000円 1入院限度日数:60日型 入院日額:5,000円 先進医療特約:付加 三大疾病入院日数無制限:付加 がん一時金特約:50万円 という条件で試算してみます。

ライフネット生命:新じぶんへの保険レディース ・・・ 2,969円/月

オリックス生命:新キュア・レディ ・・・ 2,672円/月

試算結果から

医療保険に次いで、女性向け医療保険についても、保険料は新キュア・レディのほうが安くなる結果となりました。

女性向け医療保険の分野でも、特段ライフネット生命が安いという訳ではなさそうです。

がん保険:ダブルエール

がんと診断された場合に「がん診断一時金」という形でまとまった給付金が支給され(上皮内がんの場合は50%の金額)、それ以降の保険料の払込が免除になる、いわゆる「保険料払込免除」がデフォルトで付加されているがん保険になります。

特約という形で、治療サポート給付金、がん収入サポート給付金、がん先進医療給付金(通算2,000万円まで)という3つのオプションを選ぶことができます。

治療サポート給付金は、手術・放射線治療・抗がん剤治療を受けた「月ごと」に、10万円が支給されるというもの。

がん収入サポート給付金は、がんと診断された翌年から「生存」されているとき、1年ごとに最大5回までがん診断一時金の50%の金額を受け取れます。

保険料の比較

チューリッヒ生命の終身ガン治療保険プレミアムで比較してみたいと思います。

契約年齢:30歳男性 がん診断一時金:100万円 保険料払込免除:付加 治療サポート給付金:10万円(終身ガン治療保険プレミアムでも同額が支給されるように設定) の条件で試算してみます。

ライフネット生命:ダブルエール ・・・ 2,260円/月

チューリッヒ生命:終身ガン治療保険プレミアム ・・・ 2,737円/月

試算結果から

保険料だけ見ると、ダブルエールのほうが安くなる結果になりました。

しかし保障内容をみると、ダブルエールは診断一時金は保険期間を通して「1回のみ」となっていることに対し、終身ガン治療保険プレミアムは2年に1回を限度として何度もでも支給されます。

また、終身ガン治療保険プレミアムは、入院特約や通院特約、緩和療法など豊富な特約を選ぶことができることに対し、ダブルエールにはそれらの特約はありません。

また、治療サポート給付金を得るためには、医師の診断書が必要となり、その費用も自己負担になります。

単純に保険料だけをみれば、ダブルエールのほうが安いですが、安心を得るための保障内容の選択肢は、終身ガン治療保険プレミアムのほうが豊富でしょう。

(個人的には、SBI損保の「実費補償型」のがん保険が最も良いがん保険という考えなので、どちらも加入はしません。詳細は下記をご覧下さい。)

SBI損保のがん保険は最高のがん保険!格安の保険料と実費を補償

就業不能保険:働く人への保険2

病気やケガで働くことができなくなった場合に、毎月給付金が支給される、収入保障保険のような仕組みの商品です。

死亡保障がない代わりに(高度障害時には就業不能給付金額の10倍の金額を1回のみ支給)、就業不能に特化しており、安定した勤労所得のある方、主婦・主夫のみしか加入できず、年収制限も100万円以上という条件があります。

就業不能状態になればすぐに給付金が支給されるのではなく、支払対象外期間が定められており、公的保障である傷病手当金などの保障がない自営業者の方であればより早く支給される「60日」、傷病手当金があるサラリーマンの方などは「180日」を選ぶのがおすすめのようです。

また、就業不能給付金も、1年6ヶ月(540日)の期間は支給金額を半減させるプランもあり、これは公的保障の傷病手当金を支給することを前提として、保険料を安く抑えることができる仕組みになっています。

商品性について

死亡保障がない、就業不能のみにターゲットを絞ったこの保険ですが、気になる点を挙げてみます。

気になる点1:就業不能状態の適用範囲

うつ病を含む精神疾患が対象外となっていることが気になります。チューリッヒ生命の就業不能保険は、精神疾患も支給条件としているのですが、ライフネット生命のこの就業不能保険は、適用範囲が狭い印象を持ちます。また、パソコン操作といった事務作業ができる程度の症状も、支給対象外と見なされるようです。

気になる点2:支給対象期間外の存在

60日や180日間は支給が対象外となってしまうのですが、2ヶ月と6ヶ月です。長すぎませんか?病気による就業不能状態は、6ヶ月もあれば完治してしまうのではと思ってしまいます。公的保障の傷病手当金があるとは言え、働くことができない状態の期間に、給付金が支給されないのは、保険に入っている意味があるのかと思わず思ってしまうようです。

気になる点3:毎月診断書が必要

毎月病院に診断書を書いてもらう必要があります。その費用も自己負担です。東京海上日動あんしん生命の就業不能保障保険「家計保障保険」などは、最初のみ医師の診断書が必要で、あとは指定した期間、給付金が支給され続けるといった特徴のある商品もあります。

保険料の比較

チューリッヒ生命の就業不能保険「くらすプラス」で試算してみます。

契約年齢:30歳男性 保険期間・保険料払込期間:65歳 給付金額:月額10万円 支払対象外期間:60日 満額タイプ

ライフネット生命:働く人への保険2 ・・・ 2,686円/月

チューリッヒ生命:くらすプラス ・・・ 2,200円/月

試算結果から

「働く人への保険2」は、就業不能状態が続く限り何年でも給付金が支給される一方、「くらすプラス」は3年・5年・10年から選ぶことになり、支給事由にいったん該当すれば、選んだ期間中は給付金が医師の診断書不要で支給され続けます。(試算は3年を指定)

「働く人への保険2」は、支払対象外期間がありますが、「くらすプラス」にはありませんし、その上、「くらすプラス」には入院日額保障も付いています。(入院60日間は支給されず、61日目から日額5,000円が支給)

「くらすプラス」の就業不能給付金の支給事由に、うつ病などの精神疾患も対象としていることは、かなり広いを保障してくれている商品と思われます。

医師の診断書不要で、給付金が決まった期間支給され続け、保障範囲がかなり広い「くらすプラス」に、軍配が上がるのではないでしょうか?

保険料の安さを期待してライフネット生命で契約することはデメリットでしかない、のまとめ

「ネット生保の先駆者」「保険外交員を介さない分の人件費が安く保険料も安い」といった、なんとなく保険料が安いといったイメージのあるライフネット生命でしたが、実際にシミュレーションしてみることで、保険料のメリットをあまり感じることができない結果になりました。

なんとなく保険料が安いというイメージ戦略は、多くのテレビCMや雑誌広告などの頻度を見ればうまくいったのかもしれません。

しかし、その広告費用にいったいいくらの費用が使われたのだろうと想像すると、その分十分に保険料にも転嫁できたのではと思ってしまいます。

その広告費用に使われたお金は、そもそも既にライフネット生命にご契約されていらっしゃるご契約者様たちの保険料なのであり、その広告は既ご契約者様たちにとっては何も意味をなさないものなのですから。

 - ライフネット生命 , , , , , , ,