がん保険=外資系保険会社というイメージの背景

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がん保険=外資系保険会社というイメージの背景

   

がん保険なら外資系?

「がん保険」と聞いて真っ先に頭に浮かべるのは、テレビCMでよく見る「アヒル」の情景ではないでしょうか?

最近では著名人も多く出演しているアメリカンファミリー生命保険、通称「アフラック」のテレビCMですが、よくよく考えてみると、がん保険と聞くと、アフラックが思い浮かぶのは私だけでしょうか?

それほどアフラックのイメージ戦略は成功を収めており、がん保険=アフラックという方程式をうまく市場に浸透させたと思います。

今でこそ、外資系・国内問わず、保険会社であればがん保険を取り扱っていますが、なぜ外資系保険会社であるアフラックが、これほどがん保険というイメージ戦略に成功したのか、がん保険が誕生した歴史を紐解きながら、説明してみたいと思います。

がん保険の誕生

「がん」という疾病のみを対象として保障を行うがん保険ですが、そもそも日本は国民皆保険として、公的医療保険が疾病治療の前提となっています。

一方、アメリカでは国民皆保険という制度がないため、各自が民間保険会社と個別に保険契約を結び、膨大な治療費への保障として準備している文化があります。

日本においてのがん保険の立ち位置としては、公的医療保険をあくまで「補完」することを目的としたものとして、差額ベッド代、通院交通費代、休職中の収入損失の補填、疾病に対する見舞金、といった給付が趣旨となっています。

その起源としては、1974年にアメリカンファミリー生命保険会社、アフラックが初めて日本においてがん保険を発売しました。

日本におけるがん保険

元々がん保険などの第三分野と呼ばれる保険は、日米の合意に基づき、国内の生保会社が取り扱うことを禁止していました。

外資系生命保険会社であるアフラックが当時の大蔵大臣や大蔵省、厚生省と折衝を重ねた結果により、第三分野の保険販売の権利を独占することに成功しました。

国内保険会社ががん保険という商品性を国内に販売することが実質的に禁じられていたため、その間に「がん保険なら外資系」もとい「がん保険=アフラック」というイメージ戦略を、テレビCMの乱発により成功したという背景があります。

結果、1999年までにがん保険における販売シェアは、アフラックが85%以上にもなりました。

第三分野の自由化

外資系保険会社による第三分野の独占販売権利は、2000年末まで続くことになります。

そして翌年2001年1月、大手生命保険会社ならびに損害保険会社の子会社生保に第三分野商品の販売が解禁され、半年後に大手損保会社にも販売が許されることになりました。

現在のところ、国内系・外資系保険会社問わず、多様ながん保険が販売されていますが、1974年から2000年まで外資系保険会社ががん保険を独占販売してきたことになります。

これが、「がん保険=外資系保険会社」というイメージを多くの方が持っている背景と言えます。

がん保険の商品性の変遷

1974年にアフラックから販売されたがん保険は、悪性新生物(上皮内がんを除く)のみを対象として、入院給付金とがん死亡保険金を保障するという内容でした。

その後1999年、診断給付金と日数無制限の入院給付金をベースとしたがん保険が発売され、現在のがん保険のベースとなっています。

国内大手損保会社も本格的に第三分野商品に参入が認められて以降、上皮内がんも通常のがんと同等に保障する商品が誕生し、その後は診断給付金を手厚くしたタイプも生まれ、各保険会社がこぞって保障内容・保険料を競い合う時代に突入しました。

現在は、入院給付金・診断給付金・手術給付金・通院給付金などを保障してくれるセット型タイプのがん保険と、診断給付金に特化したり、治療そのものに特化した、シンプル型のがん保険に二分されてきています。

国内系・外資系保険会社の差

現在のところは、国内系・外資系という枠組みに大した差はなく、各社バランスが良い保障内容、一部分に特化した保障内容など、バラエティに富んだがん保険が存在しています。

自身の意向に合ったものを選ぶことができるようになってきているため、各社のがん保険を比較する重要性がますます高まってきていると言えます。

しかし、保障内容には大きな差はありませんが、国内系の保険会社、特に日本生命、第一生命、明治安田生命、住友生命など、いわゆる「漢字生保」で保険に加入する上で、注意しなければならない点があります。

それは、これら保険会社で販売している商品は、死亡保障、疾病保障、がん保障、介護保障、三大疾病保障など、保障が「セット販売」されていることに加え、10年ごと・15年ごとのように、一定期間ごとに保障が終わり、そして再度同じ期間ごとに保障を延長する「更新型」の仕組みを取っているものが非常に多いです。

つまり、更新を迎えるたびに「保険料が上がる」ということに加え、最大で「80歳まで」しか延長できない仕組みになっていることが多いので、現在これら保険会社で保険に加入している方は注意が必要です。

がん保険=外資系保険会社というイメージの背景のまとめ

がん保険には外資系保険会社が強いというイメージは、1974年から2000年にかけて、テレビでアフラックのCMを非常に良く見ていたからなのかもしれません。

しかし、潜在意識には「外資系保険会社=がん保険」と刷り込まれているので、アフラックの戦略としては大成功だったのかもしれません。

現在においては、国内系・外資系という区分で保険を判断してしまうことは非常にリスキーな発想です。

各社非常に個性のあるがん保険を販売しているので、自分の意向にあったものは何か、ぜひ「比較」をして決めることをオススメします。

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