ソニー生命の変額保険のファンドの特徴と分散投資
目次
ソニー生命の変額保険のファンドとは?
ソニー生命には、変額保険・変額個人年金保険の2つのカテゴリー計4種類の商品があります。
本来、生命保険は、契約者が支払う保険料を保険会社の責任の下で運用し、支払い条件に該当した際にお金がおりる仕組みであり、その運用が上手くいっても、いかなくても、保険会社が保証してくれます。
変額保険は、契約者が支払う保険料を契約者の責任の下で運用し、保険金額・解約返戻金額を運用により増やすことを目的とした商品です。ですので、運用が上手くいって金額が増えることもあれば、運用が上手くいかずに減ってしまうリスクを契約者が背負うことになります。
今回は、ソニー生命で選択することができる8つの投資対象であるファンドについて、その特徴を見てみます。
ソニー生命の変額保険のファンドの種類
①株式型
主な投資対象:日本株式 ベンチマーク:日経平均株価
日経平均連動型の日経225型ETFを主体に投資、個別の国内株式にも投資
②日本成長株式型
主な投資対象:日本株式 ベンチマーク:TOPIX(配当金込)
追加型株式投資信託「フィデリティ・日本成長株・ファンドVA3(適格機関投資家専用)」に投資
③世界コア株式型
主な投資対象:外国株式、日本株式 ベンチマーク:MSCIワールド・インデックス(配当込、円ベース)
追加型株式投資信託「ワールドエクイティ・ファンドVL(適格機関投資家限定)」に投資
70%はベンチマークに連動するパッシブファンドへ、30%は世界先進国の株式を対象とするアクティブファンドへ
④世界株式型
主な投資対象:外国株式、日本株式 ベンチマーク:MSCIワールド・インデックス(配当込、円ベース)
有力な無形資産(ブランド)を有する企業に注目し、世界各国の株式に分散投資
⑤債券型
主な投資対象:日本債券 ベンチマーク:なし
円貨建債券を中心としたポートフォリオで、主に日本国債への投資
⑥世界債券型
主な投資対象:外国債券、日本債券 ベンチマーク:シティ世界国債インデックス(ヘッジなし、円コース)
日本を含む先進国の国債への投資
⑦総合型
主な投資対象:日本株式、日本債券 ベンチマーク:なし
円建債券と株式にバランスよく投資
ミドルリスク・ミドルリターン
⑧短期金融市場型
主な投資対象:短期債券(国内) ベンチマーク:短期金利(無担保コール翌日物など)
短期債券および短期金融商品を中心に投資
最もローリスク・ローリターン商品
ソニー生命の変額保険でどのファンドに選択したらよいか
計8つのファンドについて簡単な特徴を見てみました。では、払い込む保険料をどのような割合で投入したらよいのでしょう。
実は、答えはありません。
価値観は人それぞれなので、その人が許容できるリスクの度合いに応じて選択するしかないのです。
参考までに、一般論として、リスクを低減する手段の説明をします。
ファンドのリターンではなくリスクを考慮した分散投資
リスクとは、危ないイメージを含む言葉ですが、投資の世界で使われるリスクという言葉は、「ブレ、変動の幅」を意味し、そのブレが大きいほど、リターンはプラスにもマイナスにも大きくなります。
ですので、ギャンブルのような投機筋を除いて、一般的な人間が取る合理的な行動とは、そのリスクをいかに小さくするか、ということになります。
そのリスクをできるだけ小さく抑える方法が、いわゆる「分散投資」なのです。「リターンをいかに最大にするか」という観点ではなく、「リスクをいかに抑えるか」という観点が合理的な行動という訳です。
3つの分散投資について確認します。
投資対象の分散
投資には、株式投資もあれば、債券投資もあります。
株式と債券は一般的に異なる値動きをするので、株式と債券の両方に分散して投資をすることでお互いのマイナスをカバーし合うことができます。
国内外への地域分散
投資対象は国内だけではなく、世界に広がっています。
国内の景気が悪いときでも、世界には景気の良い国もあります。為替相場の動きもさまざまで、相場動向により、収益にプラスに働いたり、マイナスに働いたりします。
さまざまな国や地域の株式、債券、通貨への分散投資によってリスクを低く抑えることができます。
時間の分散
投資するタイミング(時間)を分散することで、高値で投資するリスクを低減する方法です。
投資では、安値で買って高値で売れば収益を上げることができます。ただし、株式や為替相場などの動きは読めませんので、高値で買ってしまう場合もあります。
一度にまとめて投資をして高値で買ってしまっては、収益を上げることが難しくなりますので、時間をあけて数回に分けて投資を行うことで、高値で買ってしまうリスクを低減することができます。
ソニー生命の変額保険のファンドを分散投資する?
実は、1つのファンドに投資すること自体にリスク分散の効果があります。
例えば、①の株式型ファンドは、日経平均株価に連動するように、既に国内株式が複数銘柄組み込まれています。このファンドに投資することは、組み込まれている様々な株式銘柄に投資することになるので、それ自体が投資対象の分散になっているのです。
また、保険料の支払い自体も、毎月、半年ごと、年にと、決まった金額を拠出して対象に投資することになるので、時間の分散の効果があります。時間分散のリスク低減効果度合いとしては、月払い>半年払い>年払いの順になることはお分かりでしょう。
ソニー生命の変額保険のファンドで地域分散
1つのファンド自体に、銘柄分散と時間分散の効果があることは分かりましたので、あとは、国内外への地域分散を考えればリスク低減効果はもっと増します。
基本としては、国内株式、国内債券、海外株式、海外債券の割合を等しく25%ずつ割り振り、あとは個人が持つ考え・価値観に合わせて、その割り合いを変えていくとよいのではないでしょうか?
個人的には、リターン重視で海外株式へ100%割り振るというのは、リスク低減という観点からおすすめはしません。
投資の基本は、「いかにリスクを低減させるか」というのが本質だからです。
ソニー生命のファンドでできること、できないこと
株式型ファンドへの割合制限
ソニー生命の変額保険は、株式型ファンド(①株式型②日本成長株式型③世界コア株式型④世界株式型の計4つ)の配分に制限が設けられています。
組み入れ比率の割合は、4つの合計で50%までとなっています。
これを超えてしまう組み合わせはできないので、ご注意ください。
組み入れ比率の変更
払い込む保険料のうち、いつでも、既に選択しているファンドへの割り振りの配分を1%単位で変更できます。
いつでも好きなタイミングで、その割合を変えることができるので、状況に応じて変える必要もあるでしょう。
株式型ファンドへの割合は50%までという制限を受けますのでご注意ください。
ソニー生命には、契約者が利用できる「お客様WEBサービス」というサービスがあります。
組み入れ比率を変えたいときは、この「お客様WEBサービス」でネット上で変更できますし、担当者やカスタマーセンターに連絡すれば変えることもできます。
積立金の移転
いままで積み立ててきた資金については、年12回までという制限付きで、いつでも別のファンドに移し替えることが可能です。
こちらも、株式型ファンドへの割合は50%までという制限がかかります。
手続きについても、組み入れ比率の変更と同様に、「お客様WEBサービス」でご自身で変えるか、担当者・カスタマーセンターに連絡することで移行できます。
ソニー生命で投資信託を販売?
実は、ソニー生命では、投資信託を販売してた時期があります。
通常、証券会社や銀行での購入する商品ですが、2005年8月まで投資信託を取り扱っていたようです。
現在この投資信託の販売は、系列会社であるソニー銀行に集約されたみたいです。
もし現在も保有されている方は、カスタマーセンターに問い合わせすれば問題ないようです。
ソニー生命の変額保険のファンドの特徴と分散投資のまとめ
今回は、各ファンドの過去の運用実績については何も触れませんでした。それは、過去の実績は、未来の結果を何も保証するものではないからです。
あくまで、投資の原則は「リスクをいかに低減できるか」に尽きます。リターンばかりに意識が向き、リスクをないがしろにしてしまう行為は「投資」ではなく、「投機、ギャンブル」です。
リスクがある商品だからこそ、そのリスクに目を向け、各自の考え方・価値観に合った選択をしていただければと思います。