ソニー生命の米ドル建特殊養老保険は払済保険に切り替え前提で加入するべし

ほけんケア~ドル建て保険も理解できた!保険について本気出して勉強した主婦のブログ

子供のための貯蓄型学資保険の検討からドル建て保険の存在を知り、様々な保険を勉強してきました。複雑でわかりにくい保険に関する内容を少しでも理解しやすくなるためのブログです。

ソニー生命の米ドル建特殊養老保険は払済保険に切り替え前提で加入するべし

   

ソニー生命の米ドル建特殊養老保険

ソニー生命では3種類の米ドル建の保険を取り扱っていますが、今回はそのうちの1つ「米ドル建特殊養老保険」について説明してきたいと思います。

名前に「特殊」とある通り、ちょっと変わった仕組みになっています。

どんな商品なのか見てみましょう。

ソニー生命の米ドル建特殊養老保険の内容

保険の基本の形は「養老保険」ですので、満期があり貯蓄を目的とした商品になっており、保険料の払い込みが終了すれば満期保険金としてお金が戻ってくる仕組みです。

では何が「特殊」なのかと言いますと、保険加入後10年目前後あたりから、保険金額が徐々に増えていき、最終的に保険金額が満期時に2倍になるという仕組みになります。

一般的な生命保険であれば、加入時に約束した保険金額は変わることはありませんが、この保険は最初に約束した保険金額が最終的に2倍まで増えるという違いがあります。

その上、ドル建てですので、保険料や保険金額は為替レートによって増えたり減ったりしますので、ややこしい仕組みになっています。

今回は、増えていく保険金額でもなく、変動する支払う保険料でもなく、純粋に「貯蓄」手段として適しているのかどうか、という観点から説明してきます。

ソニー生命の米ドル建特殊養老保険のシミュレーション

実際にソニー生命の資料を元に見てみます。

被保険者:35歳男性 基本保険金額:50,000米ドル 保険期間:60歳満期 保険料払込期間:60歳まで 月払保険料:278.95米ドル

60歳までで保険料を82,185米ドル支払い、満期保険金を一括で100,000米ドルを米ドルのまま、もしくは日本円で受け取るか、年金という形(年金支払特約必須)で日本円で受け取るかを選ぶことができます。

単純に米ドルベースの話ですが、82,185米ドル支払って100,000米ドル受け取るのであれば、その返戻率は100,000米ドル÷82,185米ドルで約121%に及びます。

また、満期保険金を一括ではなく、年金受け取りで分割して受け取ることを選択すると、その率は121%より10~30%近く上乗せされます。

ソニー生命の米ドル建特殊養老保険と払済保険

払済保険とは?

払済保険(払い済み保険)という仕組みをご存知でしょうか?保険料を「払い終わる」という意味で使う方も多いですが、厳密に言うと異なります。

払済保険とは、「保険料の支払いが困難なため、保険料払込を中止し、その時点での解約返戻金を一時払保険料に充当して、保険期間を変えずに保険金額の小さい保険に変更して保障を続ける方法」を意味します。

例えば、保険金額が1,000万円の終身保険に加入していたとして、10年目くらいに保険料の支払いをストップし、その時点での解約返戻金分の金額で終身保険を新たに買い付けて、保障を続けることができるのです。

仮に、10年目の解約返戻金額が約300万円であれば、払済保険切り替え以降、死亡保険金額約400万円の終身保険を、この先保険料を払わずして持つことができることになります。

払済保険のメリットとデメリット

払済保険に切り替えると「解約返戻金が加入当初と同じ予定利率で運用され続け」増えていくって信じられますか?

しかもその率は、本来の保険料を支払い切った場合と比べて、「払済保険に切り替えたほうが高くなる」というパラドックスを抱えているんです。

本来の保険を続けるよりも返戻率がおよそ10~30%も高くなってしまうのです。

しかし、払済保険のデメリットとして「死亡保険金額が大幅に減ってしまう」という点と「満期保険金額は小さくなる」という点があります。

あくまで本来の目的は「保険料の支払いが困難」になったときの救済策としての払済保険ですが、こんな使い方もできます。

ソニー生命の米ドル建特殊養老保険を払済保険に切り替えると?

保険加入から5~10年後に払済保険に切り替えるのがベストと言われています。

上記で説明したとおり、解約返戻率は約121%ほどでしたので、仮に払済保険に切り替えたとすると、60歳満期時点でおよそ130~150%ほどになるのではと予想します。

その上、一括で満期保険金を受け取るのではなく、年金受け取りを選択したら、さらに10~30%の上乗せも考えられます。

厳密に試算したわけではありませんので、しっかりと担当者から説明・試算を受けてくださいね。

ソニー生命の米ドル建特殊養老保険を払済保険に切り替える仕組みを販売員は教えてくれない?

実は、プルデンシャル生命という会社にも、似たような商品「米ドル建リタイアメント・インカム」があり、この払済保険を前提とした販売手法が問題になりました。

会社の立場になって考えてみると分かりますが、本来の保険を続けずに払済保険に切り替えられると、支払われた保険料に対して余分なお金を契約者に返金しなくてはいけませんよね?

実は、この払済保険という仕組みは、会社にとってはとてもダメージを受ける仕組みなんです。

この払済保険を前提としてバンバン販売していたかなりの人数の外務員が、懲戒処分を受けたという話を聞きました。

この販売スキームは今では禁止されてしまい、販売員からはおそらくこの話はされないので、自身で切り出して聞いてみなければ詳細を試算してくれないでしょう。

もしソニー生命の米ドル建特殊養老保険に入るなら?

5年から10年間に渡って保険料を払い込むため、預けおきたい資産を5年分割から10年分割して払い込むイメージになります。

ベストなのは保険料が割引され、返戻率を上げることができる年払い、順に半年払い、月払いという支払い方法になります。

また、払済保険に切り替える手続きは契約者からの申し出によってなされるので、しっかりと手続きすることを忘れないようにしましょう。

払済保険は満期が来るまではそのお金は戻ってきません。

あくまで、「余剰資金で、かつ長く寝かすことができるお金」で入ることが大前提になります。

 

ソニー生命の米ドル建特殊養老保険についてのまとめ

払済保険という観点で見てみましたが、貯蓄という点から見ると個人的には「有り」な商品だと思っています。

為替リスクの影響を受け取るとは言え、死亡保障を持ちつつ、返戻率を150%近くまで上げることができるのは、貯蓄手段としては魅力に映ります。

興味があるならば、しっかりと試算してもらった上で考えてみてください。

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