オリックス生命の養老保険はおすすめできない理由と養老保険の意義について
目次
オリックス生命の養老保険
オリックス生命の養老保険は、他社保険会社で取り扱っている養老保険とその基本的な仕組みは一緒です。
1本の保険で、万が一の保障を確保し、老後資金の準備も行えるという特徴があります。
定期保険と同様に、保険期間を定めて加入し、保険期間中に万が一のことがあれば死亡保険金がおり、何事もなく保険期間が満了すれば、死亡保険金額と同額の満期保険金がおり、そこで保険は終了となります。
個人的にオリックス生命の養老保険はメリットは少し、デメリットの方が多いという感想を持っています。
今回はオリックス生命の養老保険に着目し、メリット・デメリット、また現代の養老保険に関してのお話をしたいと思います。
オリックス生命の養老保険のメリット
どの会社の養老保険についても同じですが、養老保険の唯一のメリットは、「死亡保障と貯蓄を1本の保険でできる」ことになります。
満期期間が満了すれば、あらかじめ定めた金額が戻ってくるので、老後生活のための準備金として活用できます。
しかし個人的には、養老保険には加入する積極的理由はないと思っています。
それは、養老保険のデメリットが大きすぎるからです。
オリックス生命の養老保険のデメリット
保険料
オリックス生命の養老保険の保険料は、他の商品と比べると高いです。
それは、「貯蓄」の要素が強い商品だからです。
30年間で1,000万円を貯めるのに毎月いくらずつ積み立てればいいかを考えると分かるのですが、毎月27,777円ずつ30年間積み立てれば約1,000万円貯まります。
ですので、1,000万円の保障のために毎月27,777円支払うと考えると、割高感が否めません。
保険期間
オリックス生命の養老保険は、必ず「満期」が訪れます。
つまり、保険期間を定める必要があるのですが、保険期間が満了してしまったら、それ以降の保障がなくなってしまうことになります。
「期間限定の保障期間で構わない」という方であれば問題はないのでしょうが、老齢になり、保障が全くなくなってしまうというのはいささか不安感が残ります。
返戻率
オリックス生命の養老保険の返戻率は、極めて悪いです。
日銀によるマイナス金利の影響もさらにその率を悪化させてしまいました。
2017年6月現在においては、支払った保険料総額よりも、満期時に戻ってくる金額は少ない金額になってしまっています。(100%を割ります。)
貯蓄の為にするべきなのに、減ってしまうという状況です。
減ってしまう貯金を誰が好んでするのでしょうか?
オリックス生命の養老保険を実際に試算してみる
以下の条件で試算を行い、毎月の保険料とその返戻率を見てみます。
被保険者:35歳男性 死亡保険金額:1,000万円 保険期間:65歳 支払い方法:月払い
保険料:28,630円/月 総保険料額:10,306,800円 満期保険金:1,000万円
返戻率は、1,000万円÷10,306,800円で、約97.03%となります。
保険料がかなり高いですし、返戻率も悪いですね。
オリックス生命の養老保険は仕組みが中途半端な商品
養老保険は、定期保険と終身保険の中間に位置する商品と言われています。
定期保険は、保険期間が定められ満期があるという点で養老保険と同じですが、掛け捨てでありお金は貯まらない反面、保険料がとても安く、保険金額もかなり大きな金額を確保できるという特徴があります。
終身保険は、保険料が積み立てられていくという点で養老保険と同じですが、保障は一生涯で、保険料は養老保険より安いです。
より安い保険料を求めるのであれば、保険料は掛け捨てになるがより大きな金額を家族に残せる定期保険に加入すればいいですし、「一生涯の保障が欲しい」「返戻率は高いほうがいい」という方であれば、終身保険に入るべきでしょう。
存在が中途半端であり、この金利水準が低い時代には、あまり積極的に加入したいと思える商品ではありません。
オリックス生命の養老保険をうまく活用するには
その存在意義を問い正したい養老保険ですが、「満期が来て保障はなくなってもいい」「保険料は高くてもあらかじめ決められた金額が返ってくるならばいい」という限定スポット的な方であれば、もちろん加入意義はあります。
その際には、少しでも返戻率を上げるために、可能であれば年払いでの支払いをおすすめします。
月払い時の満期返戻率は、約97.03%でしたが、年払いでお支払いすると保険料が若干割引されます。
年払い時の満期返戻率は、約98.85%まで上げることができるみたいです。
オリックス生命の養老保険はおすすめできない理由のまとめ
そもそもの話になりますが、この時代、どの会社の養老保険もオリックス生命の養老保険と同じような状況になっています。
保険料を見ても、定期保険・終身保険に比べると割高すぎますし、満期が訪れたら保障はそれ以降なくなります。
満期が来て保障がなくなっても構わないという方であれば、なおさらもっと安い保険料で加入できる定期保険に入ったほうが財布にも優しいですし、お金が戻ってくる仕組みが良いという方であれば、一生涯の保障期間がある終身保険に加入したほうがその返戻率はもっと高いです。
20~30年前のような金利水準がとても高かった時代であれば、まだ加入すべき理由がありましたが、この時代においてはどうやら選択肢の一つとしては見なされない保険なのかなと思いました。
もしも親御さんが加入していた養老保険を引き継いだ方など、養老保険に加入中の方は、一度、希望の保障などを踏まえた上で保険代理店などで保険診断や保険の見直しを受けてみるといいかもしれません。