オリックス生命のファインセーブは評判は良いが、加入する理由が見当たらない件
目次
オリックス生命のファインセーブの評判
オリックス生命で販売している定期保険、FineSave[ファインセーブ]は、割安な保険料として、webや雑誌でも高い評判を得ている商品です。
保険期間を加入時に定めて、その期間が満了を迎えると「満期」となり、保障が終了する仕組みになっています。
今回は、保険料水準という観点からではなく、どんなときに定期保険であるファインセーブに加入する必要があるのかを考察してみたいと思います。
オリックス生命のファインセーブの特徴
保険加入時に保険期間を決め、その保険期間が到達すると保険が終了する「期間限定」の保険です。
保障額は、契約後も一定であり、保険期間中に保険金支払い条件に該当し場合には、加入時に決めた保険金額がおりることになります。
保険料については、同社の通販専用のブリッジと比べると若干割高ですが、それでも業界では安い水準となっています。
割安な保険料を実現するために、解約返戻金はいっさいなし、掛け捨て型の保険になります。
不慮の事故等で重い障害状態を負ってしまった場合には、以降の保険料が免除になる仕組みになっています。
オリックス生命のファインセーブに付加できる特則
がん、急性心筋梗塞、脳卒中の特定疾病に罹患してしまった場合には、以降の保険料が免除になる「特定疾病保険料払込免除特則」を付加できます。
これは、契約の途中で付加することはできず、加入時にオプションとして付加するか付加しないかを選択することになります。
付加した場合には、その分保険料が割り増しになります。(3割から5割ほど保険料が上がります。)
オリックス生命のファインセーブで選べる保険期間
自動更新のある「年満了」か、指定した年齢で保険が終了する「歳満了」から選ぶことができます。
「年満了」については、最短で10年から5年刻みで、35年まで選ぶことができます。
「歳満了」については、60歳から5年刻みで、90歳まで選ぶことができます。
オリックス生命のファインセーブをどんな目的で加入するか?
定期保険は、あらかじめ保険期間を定める必要があり、その期間が到達すると保険が終わる「期間限定」の保険です。
期間限定で保障が必要な目的とは、何があるでしょうか?
考えらえるケースをいくつか挙げてみます。
遺族の生活費
残された家族が生活していくのに困らないように準備しておきたいといった思いは、保険に加入する最も一般的な目的であり、保険期間は、退職年齢や年金支給が始まる、60~65歳に定めて準備されるケースが多いです。
しかし、契約時点から保険期間終了までに必要な生活費は、毎年一定ではなく、年を重ねるにつれて減っていきます。(30~60歳までの必要生活費と、40~60歳までの必要生活費は、10年少ない分40~60歳までの生活費のほうが少なくて済みます。)
そのため、保障額が常に一定である定期保険は、必要額が減っていく生活費の備えとしては、非合理的なのです。
近年では、必要額が減っていく生活費と同様に、保障額も年々減っていく特徴を持ち、万が一のときには生活費のように毎月給付金がでる「収入保障保険」といった商品が誕生し、非合理的な定期保険と比べると、保険料もかなり安くなってるので、保険料負担を下げることができるようになっています。
そのため、遺族の生活費という目的では、定期保険は保険料負担も大きく、合理的ではありません。
単純に家族にお金を残したい
ファインセーブは、最長で90歳まで保険期間を定めることができます。
保障が一生涯の終身保険とは異なり、保険期間は90歳までとなるので、この年齢をどう捉えるかが重要になります。
90歳までにお亡くなりになれば家族に保険金を残せますが、万が一90歳を超えて生きてしまうと、保障がゼロになり、今までの保険料が全部無駄になることになります。
万が一のために保険に加入するのに、また新たな「万が一」を抱えてしまうことは、本来安心を求めて加入する保険としてはどうでしょうか?
どうしても確実に家族にお金を残したいのであれば、90歳まで生きるか死ぬかで余計な不安を抱える前に、シンプルに最初から保障が一生涯の「終身保険」に加入されるべきでしょう。
先が長くないから今のうちに保険に入っておきたい
この考え方は論外です。
そのような健康状態では、もはやどの保険会社も審査でアウトになる可能性大です。
保険の加入資格は「健康」が大前提です。
変換権(コンバージョン)行使前提で加入
オリックス生命のファインセーブは、変換権(コンバージョン)を使うことができ、「変換権」とは、保険期間の満了時や保険期間の途中で、医師の審査や告知をせずに新たな保険契約に切り替えることができる制度です。
定期保険に加入していたが、一生涯の終身保険に入りなおしたい、けれども健康状態に不安がある、といった方に「変換権(コンバージョン)を使えば、健康状態を気にすることなく、保険に入りなおすことができますよ」といった定番のトークがあります。
しかし、変換後の新しい保険契約の保険料は、変換時の年齢で再計算され、しかも終身保険は定期保険よりも保険料が高めになっているので、かなりの保険料負担が生じてしまいます。
「保険料が高くなってしまいましたが、一生涯の保障を持ててよかったですね」とでも言うつもりでしょうか?
ならば、最初から終身保険に加入していれば、保険料負担も抑えることができるでしょう。
オリックス生命のファインセーブは評判は良いが、加入する理由が見当たらない件のまとめ
保険料が安いことは、加入する側からしたらとても良いことですが、わざわざファインセーブに加入する積極的な理由が私には思い当たりません。
保険とは、残された家族をお金持ちにする手段ではなく、残された家族が「困ることのないように」準備するものです。
オリックス生命は、ファインセーブ以外にも別の定期保険を扱っています。
それらの定期保険は、保険期間をごく数年で設定できたり、100歳近くまで設定できるものもあれば、資産形成目的でお金を貯めながら保障を持つことができるものもあります。
他に汎用性が高い定期保険が存在している以上、ただ保険料が安いだけのファインセーブは、私の目には魅力に映りませんでした。