プルデンシャル生命の年金保険はジブラルタ生命の年金保険

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子供のための貯蓄型学資保険の検討からドル建て保険の存在を知り、様々な保険を勉強してきました。複雑でわかりにくい保険に関する内容を少しでも理解しやすくなるためのブログです。

プルデンシャル生命の年金保険はジブラルタ生命の年金保険

   

プルデンシャル生命の年金保険はジブラルタ生命の商品

プルデンシャル生命自体では、年金保険を取り扱っていません。

プルデンシャル生命と同じ米国プルデンシャル・ファイナンシャルグループの傘下にあるジブラルタ生命が取り扱っている年金保険を、プルデンシャル生命が募集代理店という形で販売しています。

ですので、プルデンシャル生命のライフプランナーから年金保険を提案され加入したとしても、その引き受けはグループ会社のジブラルタ生命が行い、保険契約はジブラルタ生命を結ぶことになります。

実質的にはジブラルタ生命の商品ではありますが、プルデンシャル生命から提案される可能性を鑑みて、プルデンシャル生命の年金保険という形で説明していきたいと思います。

そもそもジブラルタ生命とは?

2000年に経営破綻した「協栄生命」を米国プルデンシャルが買収し、その事業を継承したため、協栄生命における保険契約はそのまま社名を変更した「ジブラルタ生命」に移管されました。

その顧客層は、協栄生命の顧客基盤であった公立学校の教職員が半数近く占め、自衛官や商店主などの契約者が多いのが特徴となっています。

プルデンシャル生命の事業モデル「ライフプランナーモデル」を導入し、ライフプラン・コンサルタントと呼ばれる営業員が販売募集を行っています。

営業の質という観点でプルデンシャル生命と比較すると、劣っていることは否めませんが、プルデンシャル生命で取り扱っている保険商品も同様に取り扱ったりしており、とても似通った会社です。

プルデンシャル生命で取り扱っている年金保険とは?

通過指定型個人年金保険(米国ドル建、ユーロ建、豪ドル建、円建)という名称の年金保険を取り扱っています。

商品性を簡潔に言ってしまうと、月払いといった支払い方法ではなく、まとまったお金を一時払いという形で支払い、そのお金を、米国ドル建、ユーロ建、豪ドル建、円建と4つの通貨から契約者が自由に選択し、増やすことを目的とした商品です。

加入時に据置期間を設定し、期間が到達した段階で、年金や一括で受け取ることができます。

詳細について詳しく見てみます。

プルデンシャル生命の年金保険の特徴

通貨選択型

一時払いでまとまった保険料を積み立て、契約時にどの通貨で運用したいのを契約が選択します。

それぞれ、米国ドル、ユーロ、豪ドル、円と4種類の通貨を選択し、自由に組み合わせることも可能です。

しかし、現在は、ユーロと円は取扱停止中となっているため、「米国ドル」か「豪ドル」の2つの通貨より選ぶことになります。

例えば500万円という金額を一時払いで運用したい場合、300万円を米国ドル建てに、200万円を豪ドル建てに、といった形で組み合わすことができます。

据置期間

積立金を何年間据え置くか、いわゆる「満期」を決めます。

通貨ごとに選択できる期間が決まっています。

米国ドル・・・5年、6年、7年、10年

豪ドル・・・2年、3年、5年、6年、7年、10年

通貨と同様に、据置期間の組み合わせも自由にできます。

米国ドルは10年、豪ドルは5年、といった形です。

一時金もしくは年金受け取り

据置期間が満了すれば、運用成績に応じて増減した解約返戻金を受け取ることになります。

その受取方法は、一括、もしくは4つの年金受取方法を選ぶことができます。

確定年金

5年・10年・15年・20年・25年・30年・35年・40年の中から受取期間を選び、年金受取中に被保険者が亡くなってしまっても、残存期間分を一時金もしくは継続して年金、どちらかで受け取ることができます。

保証期間付終身年金

5年・10年・15年・20年の中から保証期間を選び、保証期間中であれば被保険者が死亡しても残存部分を一時金もしくは年金として受け取ることができ、保証期間が過ぎた以降は、被保険者が生きている限りずっと支給され続けます。

保証金額付終身年金

被保険者が生存している限り、毎年、同額の年金を一生涯に渡って受け取ることができます。既に受け取っている年金の総額が、年金の原資となっている積立金額を超えない限りは、被保険者が死亡しても支給されます。

保証期間付夫婦連生終身年金

5年・10年・15年・20年の中から保証期間を選び、被保険者もしくは被保険者の配偶者どちらかが生きている限り、年金が一生涯に渡って支給され続けます。

年金開始日の繰り延べや据置期間の再設定

1年を限度として年金開始日を繰り延べることができます。

年金開始日から1年以内の日にちを自由に選ぶことができ、据置期間中は、会社所定の利率で運用されます。

据置期間についても、被保険者の年齢が90歳を超えない範囲で、据置期間の再設定を何度でも行うことができます。

外貨建てであれば、2年・3年・5年・6年・7年・10年の中から選べます。

プルデンシャル生命の年金保険の通貨ごとの積立利率

積立利率は月に2回設定され、契約日の積立利率が以降、保険期間満了まで「変わることなく」ずっと保証されます。

2017年7月6日現在の据置期間ごとの積立利率は、以下のとおりです。

[米国ドル]

5年=0.66% 6年=0.78% 7年=0.89% 10年=1.25%

[豪ドル]

2年=0.36% 3年=0.60% 5年=0.83% 6年=0.92% 7年=0.99% 10年=1.27%

据置期間を再設定する場合は、その時点での積立利率が適用になることになるのでご注意ください。

プルデンシャル生命の年金保険の死亡保障

据置期間中に被保険者が亡くなった場合は、死亡日における積立金相当額または解約返戻金額のいずれか大きい金額が死亡保険金として支給されます。

積み立てた金額にちょっと毛が生えた程度の金額になります。

年金開始日以降に亡くなった場合は、上で説明した4つの年金受取時の内容を参考にしてください。

プルデンシャル生命の年金保険の為替リスク

解約返戻金を一時金もしくは年金で受け取るとき、死亡保険金を受け取るとき、それぞれ外貨か円、どちらかを選択できます。

外貨建であればその金額は変わることはありませんが、外貨を円に替えるときにその時点での為替レートが適用となります。

よって、受け取る金額が為替レートによって増減するというリスクが生じます。

保険料の支払いは一括になるので為替レートの影響を受けませんが、解約返戻金・年金・死亡保険金を受け取るときは、円高=少なく/円安=多くなります。

為替リスクを回避できる特約がいくつかあります。

死亡時円建支払額最低保証特約

死亡保険金について、一括で支払った保険料分の相当額を最低保証してくれる特約になるので、為替レートがどんな値でも、死亡保険金に関しては「損」をしない仕組みになっています。

注意点としては、保証してくれる分積立利率が下がってしまいます。

2017年7月6日時点において、米ドル(据置期間は10年のみしか選択できません)は1.08%、豪ドルは、2年=0.01%、3年=0.25%、5年=0.48%、6年=0.57%、7年=0.64%、10年=0.92%となります。

また、契約時のみしか付加するかどうかを決めることはできず、途中でこの特約を解約することはできませんし、据置期間の再設定を行う際に、通貨の指定を変更することができなくなります。

しかし、この特約が付加されていても、必ずしも円で受け取らなければいけないということではなく、指定した通貨も選択できるので、その時点での為替レート次第で、特約を行使するかどうかを決める権利がこちら側にあります。

円支払特約

据置期間終了後に年金受取がスタートしますが、この特約は、年金開始日における会社所定の為替レートで、積立金額をすべて円に換算してしまう特約です。

その時点で積立金額が円で確定してしまうので、以降、年金が支給されるたびにその時点での為替レートで増減することがなくなるので、為替リスクを回避できるようになります。

しかし、積立金を円に換算する際にはそのときの為替レートが適用となるので、レート次第では、加入時に払い込んだ一括の保険料額を下回ってしまうリスクは出てきてしまうので、ご注意ください。

プルデンシャル生命の年金保険の為替手数料

保険料の支払い時と、解約返戻金・死亡保険金・年金を受け取るときには、外貨を円に替える際の為替手数料がかかります。

この商品については、ジブラルタ生命が取り扱っていますので、調べてみました。

円 → 米ドル or 豪ドル = 0.5円

米ドル → 円 = 0.01円

豪ドル → 円 = 0.03円

となっています。

円をドルに替える際の手数料は0.5円と高めですが、ドルを円に替える際は0.01円となっていますので、こちらは業界でも特に安い部類に入るでしょう。

プルデンシャル生命の年金保険はオススメなのか?

為替手数料の観点から、円を米ドルまたは豪ドルに替える際に0.5円かかるので、運用段階からマイナス0.5%からスタートすることになり、初年度に1%の運用ができても実質的には0.5%しか運用できていないことになります。

月払いや年払いといった支払い方法ではなく、まとまった大きな金額が加入時に必要となり、しかも据置期間も10年にしないと利率は上がらない、裏を返すと、一度加入してしまうと10年間手をつけることができないというのは、流動性の観点からも長すぎという印象です。

米ドルであれば10年据置で積立利率は1.25%ですので、為替リスクを考えなければ、米ドルベースで1年の利回りは約1.32%となります

為替レートが13%円高、1ドル=110円の為替が1ドル=95.7円まで円高にならなければ、理論上は利益になります。

米ドルベースで年利回り約1.32%という数字を高いと見るか低いと見るか、また損益分岐となる円高への上昇率13%という数字をありえそうと見るか、見ないか、各個人の考え方・価値観によっては加入してもいいかもしれません。

プルデンシャル生命の年金保険を検討するなら他社も比較

プルデンシャル生命の年金保険のように、ふたを開けたら実は他の保険会社が引受元になっているケースが多く存在します。

特に注意しなければならないのが、引受保険会社と募集代理店が違う場合、保障内容や保険料に差があることです。

アフラックのがん保険を郵便局で加入する時など顕著で通す保険会社が異なればプランも変わり、保障の差もさることながら、保険料の差は30年間支払い続けた場合50万円以上にもなります。

細かい保障内容を把握して保険を契約していない場合はそれだけ損をすることもあり得るため、心配な方は現在加入中の保険証券を元にご自身が加入している保障内容をチェックすることをお勧めします。

プルデンシャル生命の年金保険はジブラルタ生命の年金保険のまとめ

ジブラルタ生命で取り扱っている通貨選択型個人年金保険の中身を見てみました。

個人的には、利回りはそんなに高くない点、加入時にまとまった金額が必要な点、長く据え置かないと利率が対して上がらない点、そして据置期間が長いと感じる点、などから検討することはない商品だと思っています。

しかし、積立利率が契約時点から満期まで変わらず保証されていることは魅力の一つとして言えます。

為替リスクをどこまで許容できるか、積立利率の数字を高いと思えるかどうか、によっては検討されてみてもよいのではないでしょうか?

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