医療保険「新キュア」の保険料を他社商品と比べて分かるバランスの良さ
目次
新キュアの割安な保険料の評判
「医療保険ならオリックス生命の新キュア」と言われるほど、雑誌でもネットでも高い評判を得ているこの商品ですが、割安な保険料とバランスが良い保障内容がその背景となっています。
今回は、雑誌やネットで評判の高い各社の医療保険を、できるだけ同じ条件で保険料の比較ができるように、似たような保障内容で組み合わせて見てみたいと思います。
比較する各社の医療保険は次のとおりです。
- オリックス生命・・・新キュア
- メットライフ生命・・・フレキシィS
- 損保ジャパン日本興亜ひまわり生命・・・新・健康のお守り
- 三井住友海上あいおい生命・・・アンドライフ 新医療保険エースプラス
- 東京海上日動あんしん生命・・・メディカルkit NEO
試算条件
契約年齢 | 保険期間 | 保険料払込期間 | 入院日額 | 1入院限度 | 先進医療特約 | 三大疾病入院無制限 |
---|---|---|---|---|---|---|
30歳男性 | 終身 | 終身 | 5,000円 | 60日型 | 付加 | 付加 |
三大疾病入院無制限については、メットライフ生命のフレキシィSは、三大疾病のみを対象とした特約はなく、七疾病(がん、心疾患、脳血管疾患、糖尿病、高血圧性疾患、肝疾患、腎疾患)を対象とした特約しかありません。
この条件で試算を行います。
試算①:新キュアの保険料
月払い保険料:1,582円
三大疾病による入院日数は無制限となり、七大生活習慣病(がん、心疾患、脳血管疾患、糖尿病、高血圧性疾患、肝硬変、慢性腎不全)による入院は、1入院60日制限が120日間に延長されます。
手術給付金は、入院中による場合10万円、日帰り入院時は2.5万円の給付となり、先進医療は通算2,000万円まで保障されます。
その他、上皮内新生物を含むがんと診断された場合、もしくは、急性心筋梗塞・脳卒中で入院された時に給付金が出る「重度三疾病一時金特約」、がん治療を手厚くする「がん一時金特約」「がん通院特約」、女性疾病による入院費の保障を手厚くする「女性疾病特約」、約款所定の事由に該当すればそれ以降の保険料の支払いが免除される「特定疾病保険料免除特則」を付加することができます。
この保険料と保障内容が基準となります。
試算②:フレキシィSの保険料
月払い保険料:1,817円
三大疾病のみを対象とした入院日数延長の特約はなく、上記で説明したとおり、七疾病を対象として入院無制限となっています。仮に、七疾病入院延長をしない場合の保険料は1,577円となりますが、同条件での新キュアの保険料は1,442円となり、軍配は新キュアに上がります。
手術給付金は、新キュアと同様に、入院時10万円/日帰りで2.5万円となり、先進医療費は通算2,000万円までの保障に加えて、一時金として5万円の支給があるようです。
1日以上の入院で10日分のまとまった給付金が出る「短期入院定額払特則」、会社所定の期間中に医療保険の請求がない場合に祝い金が支給される「健康祝金特則」などの特徴的なオプションがあります。
試算③:新・健康のお守りの保険料
月払い保険料:1,742円
新キュアと同様に、三大疾病時の入院日数は無制限となり、七大生活習慣病(がん、心疾患、脳血管疾患、糖尿病、高血圧性疾患、肝疾患、腎疾患)による入院は、120日間に延長されます。
手術給付金については、術式よって金額が異なり、軽度な手術から順に、2.5万円、5万円、10万円と異なり、重大手術の場合は入院日額の40倍の20万円が支給されます。
その他、がんなどの三大疾一時金特約や退院給付金が受け取れる特約、女性特約、特定疾病保険料免除特約、要介護1に認定された時に支給される介護一時金特約などがあります。
試算④:アンドライフ 新医療保険エースプラスの保険料
月払い保険料:1,858円
三大疾病時の入院日数無制限になる仕組みはありますが、七大生活習慣病を対象とした保障オプションはありません。
1日入院(日帰り入院含む)から5日分のまとまった給付金が受け取れる短期間の入院保障があり、特定疾病保険料免除特約の適用になる範囲が広く、他社が「がん・急性心筋梗塞・脳梗塞」と病名を特定しているのに対し、「がん・心疾患・脳血管疾患」と対象を広めにしていることが特徴的です。
先進医療特約に関して、その技術料だけでなく、交通費・宿泊費(上限1万円)も保障する内容となっています。
その他、特約については、一般的な「女性疾病特約」「がん診断」「がん通院」などがあります。
試算⑤:メディカルkit NEOの保険料
月払い保険料:1,589円
三大疾病時の入院日数無制限になる仕組みはありますが、新キュアのように七大生活習慣病時の入院日数を延長する仕組みはありません。
手術給付金は、入院中によるもので10万円、日帰り手術で2.5万円となり、先進医療は他医療保険と同様に上限2,000万円までとなっています。
メディカルkit NEOは、豊富な特約が特徴的であり、1日からの入院で10日分の給付金が支給される「初期入院保障特則」をはじめ、「通院特約」「がん診断・通院特約」「女性疾病特約」などがあり、七大生活習慣病に対して入院日数を延長する形ではなく、一時金という形で治療を支援する「特定治療支援特約」や、5疾病を自由として働くことができなくなった際に一時金が支給される「5疾病就業不能特約」は他社ではあまりみない特約となっています。
特定疾病保険料免除についても、がん・心疾患・脳血管疾患と適用範囲が広くなっていることも挙げておきます。
新キュアの保障内容を基準にした試算結果から
単純な保険料だけの比較になると、新キュアの保険料の安さが際立ちますが、メディカルkit NEOの保険料と大した差がない状況のようです。
今回の試算条件のような基本的な保障内容をベースとして、各自の価値観・考え方に合わせて特約を付加することで、手厚い保障を持つことができますが、当然ですが、あれもこれもと付け加えてしまうと、保険料が跳ね上がってしまいます。
安さ重視でいくのであれば、新キュアは選択肢から外すことは考えられませんが、保障の自由度という観点から見ると、メディカルkit NEOも見劣りしないでしょう。
医療保険「新キュア」の保険料を他社商品と比べて分かるバランスの良さのまとめ
新キュアが良いと言われてはいますが、どの程度良いのか、その単純な保険料の比較をしている媒体があまりないので、イメージが先行しがちでしたが、実際に保険料の比較をしてみたことで、その優位性が見えたのではと思います。
他社は、新キュアという医療保険を意識し、商品開発を行っているそうです。
より手厚い保障を医療保険に求めるのであれば、新キュアのみで検討するのではなく、他社商品としっかりと比較して、無駄のない保険料と納得のいく保障内容を決めることが必要だと思います。