高評価「新キュア・レディ」の牙城を崩す対抗馬とは?
目次
新キュア・レディの評価
医療保険の分野においては、オリックス生命の医療保険「新キュア」が業界では高い評価を得ていますが、女性向け医療保険「新キュア・レディ」も新キュアに負けじと、手頃な保険料と手厚い保障内容で評判が良いです。
そもそも、女性向けの医療保険が必要なのかどうかという議論もありますが、男性には分からない女性特有の疾病に罹って苦しむのは女性本人ですし、いざ女性特有の疾病に罹ってしまった場合には、入っておいて良かったときっと思えるでしょう。
医療保険という第三分野においては、オリックス生命の独走とも言える時代が続いてきましたが、女性向け医療保険に関しては、保険料と保障内容において、新キュア・レディを超える商品性とも言える商品が誕生しました。
それは、東京海上日動あんしん生命の「メディカルkit NEO」という医療保険になります。
新キュア・レディの商品性について再確認してみた後に、「メディカルkit NEO」について詳しく見てみたいと思います。
新キュア・レディの商品性
基本的な商品性は、医療保険「新キュア」に「女性入院特約」が付加されたものが「新キュア・レディ」と呼ばれます。
この女性入院特約は、帝王切開をはじめ、乳がんや子宮筋腫など、女性特有の疾病で「入院」されたときに、入院給付金が「上乗せ」される特約になります。
誤解されがちなのが、手術給付金の金額が増額されるのではなく、あくまで入院日額の上乗せになり、通院保障はありません。
また、女性特有の疾病による入院の他、それ以外のすべての「がん入院」も対象となります。
つまり新キュア・レディは、女性疾病だけではなく、一般的な「がん保険」としての側面を持っていますが、あくまで保障対象は「入院日額の上乗せ」にという商品性になります。
メディカルkit NEOの商品性
メディカルkit NEOには、新キュア/新キュア・レディにない特徴を持っている部分がいくつかあります。
「特定疾病保険料払込免除」と「女性疾病保障」の適用範囲が広くなっている点、主契約自体の保険料が安くなっている点、が挙げられます。
それぞれ解説していきます。
特定疾病保険料払込免除
会社所定の特定疾病状態に該当した場合に、それ以降の保険料が免除されるものですが、新キュア・レディの適用条件は意外に厳しいものになっています。
その条件は、「上皮内新生物を除くがんと診断されたとき」の他、急性心筋梗塞・脳卒中と「診断されたら」ではなく、罹患後60日以上の労働制限や障害などの後遺症が残った場合になり、急性心筋梗塞は「狭心症」、脳卒中では「くも膜下出血・脳内出血・脳梗塞」以外の脳血管疾患は含まれません。
メディカルkit NEOの場合は、「上皮内新生物を除くがんと診断されたとき」は同じですが、急性心筋梗塞・脳卒中と病名を特定せず、「心疾患」「脳血管疾患」を発病したと診断され、所定の手術または、継続「20日以上」の入院治療を受けたとき、と適用範囲が広く、とても緩い条件となっています。
女性疾病保障
新キュア・レディの場合、女性特有の疾病による入院の他、「すべてのがん入院」も対象となっていましたが、メディカルkit NEOの場合、すべてのがん治療の他、心疾患(高血圧性心疾患は除く)と脳血管疾患も含めた三大疾病時の入院で、給付金額が上乗せされます。
また、乳がんにより乳房切除し、乳房再建手術を受けられた場合において、給付金が支給される内容となっています。
新キュア・レディでは手術給付金が増えることありませんし、くも膜下出血などは、男性よりも女性の方がかかる可能性が高い統計が出ていますので、ここまで保障範囲が広いと安心できるでしょう。
主契約の保険料
契約年齢:30歳女性 保険期間/保険料払込期間:終身 入院日額:5,000円 女性入院給付金:5,000円 というシンプルな条件で保険料をそれぞれ比較してみました。
新キュア・レディ:1,855円/月
メディカルkit NEO:1,805円/月
単純な主契約だけで保険料を比較すると、メディカルkit NEOのほうが安く、女性疾病保障の分、保障内容もメディカルkit NEOのほうが手厚くなっています。
手術給付金については、新キュア・レディは、入院10万円/外来2.5万円に対し、メディカルkit NEOは、入院時5万円/外来2.5万円と、多くもらえるのは新キュア・レディになります。
オーソドックスな保障内容での保険料の比較
主契約のみでの保険料の試算では、メディカルkit NEOのほうが割安という結果になりましたが、現実的に加入するであろう保障内容を設定した条件で試算を行ってみます。
契約年齢:30歳女性 保険期間/保険料払込期間:終身 入院日額:5,000円 女性入院給付金:5,000円 三大疾病入院無制限:付加 特定疾病保険料免除:付加 先進医療特約:付加
新キュア・レディ:2,355円/月
メディカルkit NEO:2,667円/月
三大疾病と特定疾病の適用範囲が広い分、メディカルkit NEOの方が保険料は高めになりました。
単純に保険料で比較できるか?
オーソドックスな保障内容での保険料の差は、月額にして312円になります。10年で37,440円、30年で112,320円となります。
保障範囲の違いを、月額約300円の価値がないと思うのであれば、単純に新キュア・レディのほうが負担も安く済みますし、向いているのではないかと思います。
言い方を変えるのであれば、たった月300円で、より広い保障範囲が手に入ります。
より手厚い保障を「300円も高い」と見なすのか、「たった300円で」と捉えるのか、それは各々の価値観に委ねるべきでしょう。
新キュア・レディは悪い商品なのか?
誤解のないように触れておきますが、新キュア・レディは、女性向け医療保険の中では、割安な保険料で、かつ、保障範囲も特段狭すぎるということではありません。
毎月の負担は安いに越したことはありませんし、女性疾病の他、がん入院もダブルで保障してくれますので、むしろ良い商品の1つだと考えています。
しかし、医療保険のような第三分野においては、各保険会社が競って商品開発を行っているので、今のスタンダードが未来も続くわけではありません。
ただ、評価というものは相対的なものですので、数年前の評価と現段階の評価を比べるのであれば、メディカルkit NEOという商品が誕生している現段階においては、その相対的価値は下がってきていることは否めないでしょう。
その医療保険が悪い商品かどうか、客観的な水準で確かめる方法
新キュアレディとメディカルkit NEOは2つとも医療保険ですが、僅かに違いがあります。単純に分解すると、「保険料が比較的安い方」と「保障が比較的薄い方」ということになりますが、結局どちらが自分に向いているのかなかなかわからないもの。そんな方には、どちらの保険が自分に向いているのか、保険偏差値でチェックすることをおすすめしています。
「保険偏差値」では、100パターン以上の保障内容のデータから算出した偏差値を基準として、自分の保険の買い方が平均的な水準と比較してどのくらいの立ち位置にいるのかを知ることができます。
「保険料は極力安い方が良いけど、実際は平均より高い」「先進医療の治療費が高くなるのが気になっているけど、特約の付いていない保険に加入している」等、保障内容に対する意向と実態のズレを指摘してくれる機能も備わっているため、その保険が本当に自分に合った保険なのかどうかを「見える化」することができます。
私もこの「保険偏差値」は試してみたのですが、スマホを片手に保険証券を見ながら簡単な質問に答えるだけで、3分もかからずに偏差値が算出されました。普段から忙しく、保険の検討をする時間がないという方でも、これなら手軽に取り組めそうですね。
新キュアレディとメディカルkit NEOは僅かに保障内容が異なっており、その違いがどの程度自分の意向を満たしているのか、と言った部分は保険の素人にとってはなかなかわかりづらい部分でもあります。
このような手軽なツールを使って、2つの保険がどのくらい自分の意向を満たしているのか、チェックしてみてはいかがでしょうか?
高評価「新キュア・レディ」の牙城を崩す対抗馬のまとめ
医療保険の分野においては、年々新しい商品が誕生し、今後もますます目が離せない状況になって来ています。
少なくとも現段階においては、女性向け医療保険に関しては、新キュア・レディ1択という状況ではなくなってきています。
やはり、医療保険に限らず、生命保険においても、他社の様々な商品をしっかりと見比べた上で、一番「納得」して「満足」できる商品に加入したいものです。