ソニー生命の終身がん保険がオススメできない理由
目次
ソニー生命の終身がん保険
変額保険や学資保険の商品性で評判があるソニー生命ですが、がん保険に関しては正直「いまいち」な内容となっています。
それは、あくまで「相対的」な評価であり、終身がん保険単体で見たら、それなりの給付金額が支給されます。
しかし、他社商品との「比較」が当然になっている現在保険業界の状況を鑑みると、その魅力に欠けると言わざるを得ません。
終身がん保険の商品性について、簡単な説明させていただいた上で、他社商品との比較から見てみたいと思います。
ソニー生命の終身がん保険をオススメできない理由
誤解のないように最初に触れておきますが、ソニー生命の終身がん保険という商品単体を見たときに、極々一般的な保障内容であり、特段困ることはないと思われます。
それでもオススメできない理由と吟じるのは、「他社商品」と比べて劣っているという理由からです。
他社商品では、より保険料が安く、より保障内容が手厚いものが存在するため、ソニー生命の終身がん保険に加入するのは「もったいない」という観点からになります。
ソニー生命の終身がん保険の商品性
ソニー生命の終身がん保険の特徴は、以下の7つの給付金から構成されています。
- がん入院給付金 ・・・ 入院給付金日額 × 入院日数
- がん手術給付金 ・・・ 入院給付金日額 × 手術の種類に応じた給付倍率(10倍 or 20倍 or 40倍)
- 退院後療養給付金 ・・・ 入院給付金日額 × 30
- がん診断給付金 ・・・ 入院給付金日額 × 100 (保険期間を通して「1回」のみ)
- がん死亡保険金 ・・・ 入院給付金日額 × 100
- (がん以外)死亡給付金 ・・・ 入院給付金日額 × 10
がん診断給付金については、入院給付金日額の「100倍」もしくは「0倍」を選ぶことができ、「0倍」つまり「なし」を選ぶとその分保険料が安くなります。
また、低解約返戻金特則の付加を選択でき、付加した場合は「保険料払込期間中の解約返戻金をなくす」ことで保険料が割安になるという仕組みを取ることができます。(保険料払込期間が終身払いの場合は、解約返戻金はないことになります。)
付加できる特約
ソニー生命の終身がん保険に付加できる特約は以下の通りです。
特定疾病診断給付金特約
三大疾病(上皮内がん含む悪性新生物・急性心筋梗塞・脳卒中)で所定の状態になった際に、給付金支給(主契約のがん診断給付金100倍を選択している場合は付加できず)
抗がん剤治療特約
所定の抗がん剤治療を受けた場合に、その日が属する月ごとに給付金が支給
先進医療特約
先進医療技術料通算1,000万円
保険料払込免除特約
(上皮内がんを除く)がん・急性心筋梗塞・脳卒中による所定の状態、所定の身体障害状態、所定の介護状態、の場合にそれ以降の保険料の支払いが免除
ソニー生命の終身がん保険の具体的な保障内容
入院給付金日額を「10,000円」、がん診断給付金を「100倍」とすると、以下のような保障内容となります。
入院給付金日額:10,000円 がん診断給付金:100倍 | |
---|---|
がん入院給付金 | 10,000円 × 入院日数 |
がん手術給付金 | 10万円 or 20万円 or 40万円 |
退院後療養給付金 | 30万円 |
がん診断給付金 | 100万円(1度のみ) |
がん死亡保険金 | 100万円 |
(がん以外)死亡給付金 | 10万円 |
ソニー生命の終身がん保険の保険料の比較
試算条件は、契約年齢:35歳男性 入院給付金日額:10,000円 がん診断給付金:100倍 保険料払込期間:60歳 とします。
低解約返戻金特則なし:月々9,580円
低解約返戻金特則あり:月々6,880円
低解約返戻金特則なしの場合、解約返戻金が発生しますが、60歳時点での解約返戻金額は2,187,070円であり、その返戻率は76.09%になります。
低解約返戻金特則ありの場合は、保険料払込期間終了後の解約返戻金額は一律「10万円」になるようです。
保険料と保障内容の比較
業界でも手厚い保障内容で評判の、オリックス生命のがん保険「believe(ビリーブ)」と保険料と保障内容を比較してみます。
ソニー生命の終身がん保険は、保険料が割安になる「低解約返戻金特則付加」とします。
オリックス生命のビリーブは、通院特約やがん先進医療特約(上限2,000万円まで)を付加することも可能ですが、付加しない条件にします。
ソニー生命 | オリックス生命 | |
---|---|---|
6,880円 | 月保険料 | 4,470円 |
10,000円 | 入院給付金日額 | 10,000円 |
10万円、20万円、40万円 | 手術給付金 | 20万円 |
100万円 | がん診断給付金(1回のみ) | 100万円 |
なし | がん治療給付金(2年1回、無制限) | 50万円 |
30万円 | がん退院 | 10万円 |
100万円 | がん死亡保険金 | なし |
10万円 | (がん以外)死亡保険金 | なし |
10万円(60歳以降) | 解約返戻金 | なし |
試算結果から:保険料の高さと保障の必要性について問う
月々の保険料の差は「2,410円」となり、60歳までの払い込みで、トータルの差は約72万円になります。
がん保険にそもそも「死亡保険金」は必要なのかと考えてみると、一般的にがん保険は「治療目的」であり、死亡保障としては別で加入しているケースがほとんどなので、不要と考えます。
解約返戻金についても、たった10万円のために、トータルで70万円以上も余計に支払うことを考えると、また、その10万円のためにがん保険を「解約」しなければいけないことを考えると、こちらについても不要と感じます。
オリックス生命のがん保険に関しては、がん入院を開始した際に支給される「がん治療給付金」の存在が大きく、保険料とのバランスを考えると、非常に魅力的な商品性であると言えます。
ソニー生命の終身がん保険がオススメできない理由のまとめ
ソニー生命の終身がん保険についての保障内容と保険料について見てみましたが、オススメできない理由はあくまで「相対評価」に基づくものであり、商品単体として「悪い」商品ではありません。
終身がん保険に加入していれば、それなりの給付金が支給されるので、経済的な損失をうまくカバーできることは事実です。
あくまで他社商品と比較したときに、保険料と保障内容のバランスがより優れている他社商品が存在している事実をご紹介したことで、満足がいく、納得がいく、がん保険選びの参考になればと思います。