コストパフォーマンスに優れていると評判のソニー損保のがん保険
目次
ソニー損保のがん保険の評判
医療保険の分野においては、オリックス生命の医療保険「新キュア」という、保険料と保障内容のバランスが非常に取れた優良保険が存在していますが、ソニー損保で取り扱いしている医療保険「シュア」の評判を最近とても良く耳にします。
ソニー損保は、いわゆるネット保険会社に分類され、担当者を介さずに契約者がすべて加入から保険金請求手続きを行う必要があり、ネット保険会社で保険に加入してしまうと、いざ保険を活用する際に多大な煩雑さを契約者に強いるものであると思っていましたので、取扱商品についてあまり興味を示して来ませんでした。
しかし、ソニー損保で取り扱っている医療保険「シュア」は、がん保険としても活用することができる保障内容となっており、その評判も悪くないものが最近聞こえてきますので、どのような商品性なのかと解説してみたいと思います。
一言で商品性を言うのであれば、医療保険とがん保険が「セット」になった商品性として覚えておくと良いと思います。
ソニー損保で取り扱っているがん保険
ソニー損保では、がん治療に特化した、いわゆる「がん保険」は存在しておらず、医療保険「シュア」という名称で、がん治療を重点的に保障した医療保険を取り扱っています。
その中身を見てみると、他社商品と比較しても、保険料と保障内容のバランスが非常に取れている商品性となっています。
具体的な商品性について解説していきます。
加入できるプラン
医療保険「シュア」に加入する際には、3つのタイプから保障内容を選択することができます。
パッケージプランとして、「シュアベーシック」と「シュアワイド」、そして自由に保障内容・特約内容を決めることができる「自由設計プラン」になります。
基本的な保障内容
一般的な医療保険と同様に、入院日額の金額を決めることになり、日額5,000円もしくは日額10,000円が選択でき、がん入院に関しては日額金額が「2倍」となります。
1入院あたりの支払限度日数は、60日型もしくは120日型どちらかを選択でき、がん入院に関しては限度日数は「無制限」となります。
手術給付金に関しては、がん以外の疾病の手術の場合「5万円」、がん治療手術の場合は「20万円」となっており、がん放射線として1回の施術につき20万円(60日間に1回を限度)が支給されます。
付加できる特約
がん診断保険金保障特約
2年に1回を限度として、医師により悪性新生物と「診断」を受けた場合に、「100万円」ががん診断保険金として支給されます。
上皮内がんの場合には、20万円となります。
がん通院保険金保障特約
退院後の通院治療に関して、1日につき「10,000円」の保険金が支給されます。
退院後365日以内の通院60日分が限度となります。
先進医療費保障特約
保険期間を通じて通算2,000万円まで、先進医療技術料が保障されます。
がん治療に関する先進医療だけではなく、がん以外の疾病に対する先進医療も保障されます。
骨髄幹細胞採取手術保障特約
保険始期日からその日を含めて1年経過以降に骨髄提供のための骨髄幹細胞採取手術を受けた場合に、手術保険金「10万円」が支給されます。
手術を行う目的として入院をした場合にも、入院保険金が支給されます。
保険期間を通じて1回のみのとなります。
自由診療保険メディコムとのセット販売
ソニー損保の医療保険シュアは、保険診療範囲外の治療費も補償してくれる、セコム損保の新ガン治療費用保険「自由診療保険メディコム」とのセット加入をすることが可能です。
治療費が高額になってしまう保険診療外治療を、費用の心配なく、その全額を保障してくれるがん保険ですが、個人的には同種タイプのがん保険として、SBI損保のがん保険をおすすめしています。
それは、セコム損保が対応可能な医療機関を限定していることに対し、SBI損保はどの医療機関でも治療可能となっているからです。
ご興味が有りましたらお調べ下さい。
ソニー損保の医療保険「シュア」のシミュレーション
ソニー損保の医療保険「シュア」を実際に試算し、とオリックス生命の医療保険「新キュア」を比較してみます。
オリックス生命の新キュアの試算は、入院日額とがん通院日額をそれぞれ5,000円、がん診断一時金を50万円で行ってみます。
① | ソニー損保「シュア」 | オリックス生命「新キュア」 |
---|---|---|
保険料 | 3,297円 | 2,517円 |
入院日額 | 5,000円(がん入院は10,000円) | 5,000円 |
手術給付金 | 5万円(がん手術は20万円)、日帰り手術は保障なし | 10万円、日帰り手術2.5万円 |
入院限度日数 | 60日、がん入院は日数無制限 | 60日、七大生活習慣病のうち、がん・心疾患・脳血管疾患は日数無制限、残りは120日 |
がん診断一時金 | 100万円(2年に1回を限度)、上皮内がんは20万円 | 50万円(1年に1回を限度)、上皮内がんも50万円 |
がん通院日額 | 10,000円 | 5,000円 |
先進医療保障 | 通算2,000万円まで | 通算2,000万円まで |
次に、オリックス生命の新キュアの試算を、シュアの保障内容により近づけるべく、入院日額とがん通院日額をそれぞれ10,000円、がん診断一時金を100万円で行います。
② | ソニー損保「シュア」 | オリックス生命「新キュア」 |
---|---|---|
保険料 | 3,297円 | 4,922円 |
入院日額 | 5,000円(がん入院は10,000円) | 10,000円 |
手術給付金 | 5万円(がん手術は20万円)、日帰り手術は保障なし | 20万円、日帰り手術5万円 |
入院限度日数 | 60日、がん入院は日数無制限 | 60日、七大生活習慣病のうち、がん・心疾患・脳血管疾患は日数無制限、残りは120日 |
がん診断一時金 | 100万円(2年に1回を限度)、上皮内がんは20万円 | 100万円(1年に1回を限度)、上皮内がんも100万円 |
がん通院日額 | 10,000円 | 10,000円 |
先進医療保障 | 通算2,000万円まで | 通算2,000万円まで |
シミュレーション結果から
がん治療に特化しない一般的な医療保険の保障として見比べてみると(①のグラフ)、手術給付金額や、がん以外の三大疾病や七大生活習慣病の入院日数の拡大の点、そして何より保険料が割安になっていることが分かります。
しかし、がん治療保障に目を向けてみると(②のグラフ)、オリックス生命の新キュアを、ソニー損保のシュアと同額の保障内容にしようとすると、保険料がかなり大きくなってしまうことになります。
この結果から、医療保障を持ちつつもできるだけ保険料を抑えつつがん保障も持ちたい、といったニーズには、ソニー損保のシュアが非常に適していると言えるでしょう。
ソニー損保の医療保険シュアのデメリット
保障内容に柔軟性がないことが挙げられます。
入院日額は5,000円もしくは10,000円しか選択できないことに加え、がん診断一時金額は「100万円」、がん通院日額は「10,000円」しか選べません。
必要保障額は人それぞれになるため、例えば、入院日額は6,000円にしたい、がん診断一時金額は50万円で十分、がん通院日額は5,000円で構わない、といった保障の組み方ができません。
①の試算グラフでは、オリックス生命のがん診断一時金は50万円で試算しましたが、極端な話「10万円」を選択できますし、「100万円」以上も選ぶことができます。
また、特定疾病に罹患した際の保険料免除の特約・特則がないことも、柔軟性を欠いていると言えるでしょう。
コストパフォーマンスに優れていると評判のソニー損保のがん保険のまとめ
ソニー損保の医療保険シュアは、デメリットはあるとはいえ、がん疾病に特化して考えるのであれば、非常に手頃な保険料で手厚い保障を持つことができる印象を持ちました。
個人的には、費用の心配なくがん治療に備えておきたいのであれば、オリックス生命のがん保険「ビリーブ」やSBI損保のがん保険を、別途加入しておきたいところですが、この医療保険シュア1本でも、そこそこ手厚い保障を確保できそうだと感じます。
保障内容の設計に柔軟性はありませんが、加入するにあたって検討に値する商品だと思います。