がん保険ナンバーワンを決めてみる
目次
ずばりがん保険ナンバーワン
各社様々な特徴を織り交ぜているがん保険ですが、はっきりってどの保険会社のどのがん保険が一番良いのか、保険に従事していない方であれば判断に迷うところです。
あるサイトによれば、「がん保険は診断給付金だけ付いていれば十分」とか、「がん治療は通院メインだから入院保障よりも通院保障」とか、非常に「危ない思想」を持った感想を記載しているものばかりで、非常に驚きました。
がん保険(に限らず全ての生命保険)の役割は、経済的な損失をカバーすることです。
十二分な保障が確保されている前提でこそ、保険料の比較をすることに意味があるのであり、中途半端な保障内容での保険料の安い・高いといった議論には何も意味がありません。
がん保険のナンバーワン、それはこれ1本加入しておけば、どんなことでも困らない、困り度を大きく軽減してくれる、そんな観点で各社のがん保険を分析して、ナンバーワンを決めてみたいと思います。
がん保険の種類
がん保険には、保障内容により大きく2つに分けられます。
あらかじめ給付金額が確定している「定額型」のがん保険と、自由診療を含む治療にかかった分の費用を補償してくれる「実額補償型」のがん保険です。
この2つの種類の保険の大きな違いは、後者の「実額補償型」のがん保険は、「5年」更新型となっており、5年ごとに保険料が増大していきます。
また、保険期間も最長90歳までとなっており、90歳を迎えた時点で保障は消滅します。
高齢になればなるほど保険料の上がり率がとてつもなく大きなものとなってしまい、とてもじゃないが支払い続けることが難しいほどの金額、かつ保険期間が限定的(90歳まであればよいという考えもありますが、90歳以降もがんにならないとは限らない)のため、「実額補償型」のがん保険は除外して考えます。
がん治療のそれぞれ
がん治療には、がんができた部位、進行度、医療機関の治療方針、患者の意思、など決まったものがある訳ではありません。
非常に良く聞く話なのですが、現在のがん治療の方針は「短期入院・通院治療」が主となっている、という危ない議論があります。
その話はあくまで「統計上」の話であり、必ずしも自分ががんになった場合に当てはまるという訳ではありません。
場合によっては、入院することなくそのまま放射線治療を行っていくということもあるでしょうし、入院~手術~放射線・抗がん剤治療~通院という流れになるかもしれませんし、場合によっては保険適用外の治療法を試すことになるかもしれません。
統計を鵜呑みにし過ぎた保障の組み立ては、万が一の際の「経済的な大きな損失」を被ってしまうリスクとなってしまうのです。
がん保険ナンバーワンを決めるポイント
自分がどのようながんになり、どのような治療方法を受けることになるか、実際になってみないと分かりません。
そのため、どのような状況になったとしても、汎用性のある保障内容がベストと言えると思います。
保険診療による治療だけでなく、自由診療による治療にも備えておきたいところです。
診断一時金などは保険診療・自由診療問わず、がんと診断された場合に給付されるため、非常にポイントは大きいと思います。
また、保険診療に限定する場合には「高額療養費制度」の適用を加味し、1か月あたりの治療費上限は10万円前後になることも考慮します。
ネットで評判のがん保険
ライフネット生命:ダブルエール
メットライフ生命:ガードエックス
チューリッヒ生命:終身ガン治療保険プレミアム
FWD富士生命:新がんベスト・ゴールドα
オリックス生命:ビリーブ
アクサダイレクト生命:がん終身
アフラック:生きるためのがん保険Days
以上の代表的な7種のがん保険について、保険期間・保険料払込期間をそれぞれ終身とした場合で、それぞれ見てみます。
ライフネット生命:ダブルエール
がん診断時にがん診断一時金(上皮内がんの場合50%)、入院・通院を問わず「公的医療保険制度」の対象となる三大治療(手術・放射線・抗がん剤)を受けた月ごとに給付される治療サポート給付金、がん診断から「1年」経過以降、生存さえしていれば治療中・完治問わず一時金の50%の額が毎年(計5回)給付されるがん収入サポート給付金、がん先進医療給付金などの保障内容があります。
治療に直接関係がないがん収入サポート給付金は除き、その他保障を組み入れた場合の保障内容と、保険料は以下のようになります。
ライフネット生命:ダブルエールの保険料
- がん診断一時金:100万円
- 治療サポート給付金:月10万円
- がん先進医療:通算2,000万円まで
年齢・性別 | 保険料(月払) |
---|---|
30歳男性 | 2,341円 |
30歳女性 | 2,793円 |
メットライフ生命:ガードエックス
入院給付金や診断一時金など、がん保険の主契約として知られていた保障を外し、「公的医療保険制度」の対象となる三大治療(手術・放射線・抗がん剤)どれか一つを受けた段階で一時金として給付する「がん治療給付金」のみが主契約となっているがん保険であり、その他、入院給付金や通院給付金は任意で特約として選択することが出来るため、自分に必要な保障を自分で選ぶことができるという柔軟性があります。
がん診断とされる際に給付される一時金「ガン診断保障」は初回のみ、上皮内がんの場合は50%の額で2年に1回を限度として回数無制限のようです。
メットライフ生命:ガードエックスの保険料
- ガン治療給付金:100万円
- ホルモン剤治療:10万円
- ガン診断給付金:100万円
- ガン先進医療:通算2,000万円まで
年齢・性別 | 保険料(月払) |
---|---|
30歳男性 | 3,155円 |
30歳女性 | 4,160円 |
チューリッヒ生命:終身ガン治療保険プレミアム
ライフネット生命、メットライフ生命と同様に、「がん治療」に焦点をあてた保障内容となっており、主契約が、「公的医療保険制度」の対象となる放射線治療、抗がん剤治療、ホルモン剤治療を受けた「月ごと」に、給付金が出る仕組みとなっており、回数無制限となっています。
その他、入院や通院、先進医療、診断一時金などを、任意で特約付加することができるタイプで、メットライフ生命のガードエックスに似たような仕組みとなっています。
チューリッヒ生命:終身ガン治療保険プレミアムの保険料
- 放射線治療給付金・抗がん剤・ホルモン剤治療給付金:月額20万円
- ガン診断特約:100万円
- ガン先進医療保障:通算2,000万円まで
年齢・性別 | 保険料(月払) |
---|---|
30歳男性 | 3,277円 |
30歳女性 | 3,139円 |
FWD富士生命:新がんベスト・ゴールドα
主契約が「悪性新生物診断給付金」のみというシンプルさから人気が高い商品であり、「公的医療保険制度」の対象となる抗がん剤治療・放射線治療を受けた月ごとに給付されるがん治療給付金特約や、がん手術特約、女性がんに焦点を当てた女性がんケア特約などを、任意で付加することができます。
悪性新生物診断給付金は2年に1回を限度として回数無制限ですが、上皮内がんに対しての備えはないため、上皮内新生物診断給付金特約という形で別途付加する必要があり、その際の給付金額も主契約の50%の額になります。
FWD富士生命:新がんベスト・ゴールドαの保険料
- 悪性新生物診断給付金:100万円
- 上皮内新生物診断給付金特約:50万円
- がん治療給付金特約:月20万円
- がん先進医療:通算2,000万円まで
年齢・性別 | 保険料(月払) |
---|---|
30歳男性 | 3,784円 |
30歳女性 | 3,848円 |
オリックス生命:ビリーブ
昔ながらの、万能型のがん保険です。
診断、入院、手術、通院、とそれぞれに保障があり、がん治療のための入院するだけで、2年に1回を限度として回数無制限で給付されるがん治療給付金の存在も大きいがん保険です。
オリックス生命:ビリーブの保険料
- がん初回診断一時金:100万円(上皮内がんも同額)
- がん治療給付金:50万円
- がん入院給付金:日額10,000円
- がん手術給付金:20万円
- がん退院一時金:10万円
- がん通院給付金:日額10,000円
- がん先進医療保障:通算2,000万円まで
年齢・性別 | 保険料(月払) |
---|---|
30歳男性 | 2,990円 |
30歳女性 | 2,640円 |
アクサダイレクト生命:がん終身
非常に安い保険料となっているがん保険であり、主契約はがん入院給付金とがん診断給付金、診断給付金は上皮内がんも同額保障となっていますが、保険期間を通じて1回のみとなっています。
特約では、がん治療のための抗がん剤治療を受けた月ごとに給付される抗がん剤治療特約があり、対象となっている抗がん剤は、公的医療保険制度によるもの(実査には日本標準商品分類8742腫瘍用薬に分類)で10年ごとの更新となり、その他手術、先進医療、退院後の療養などをカバーすることが出来ます。しかし、がん診断による保険料払込免除特約はありません。
アクサダイレクト生命:がん終身の保険料
- 入院給付金:日額10,000円
- がん診断給付金:100万円
- 抗がん剤治療給付金:月10万円
- 手術給付金:10万円
- がん先進医療保障:通算500万円まで
- 退院後療養給付金:10万円
年齢・性別 | 保険料(月払) |
---|---|
30歳男性 | 2,360円 |
30歳女性 | 2,160円 |
アフラック:生きるためのがん保険Days
オリックス生命のビリーブのように、診断、入院、手術、通院と手広く保障を確保することができるがん保険となっています。
診断給付金は100万円ですが、上皮内がん場合は10万円と10分の1となってしまい、それぞれ保険期間を通して1回のみの保障、「公的医療保険制度」の対象となる放射線治療・抗がん剤治療を受けた月ごとに給付される治療給付金の特約などもあります。 (治療給付金は10年更新となります。)
アフラック:生きるためのがん保険Daysの保険料
- 診断給付金:100万円
- 入院給付金:日額10,000円
- 通院給付金:日額10,000円
- 手術治療給付金:20万円
- 放射線治療給付金:月20万円
- 抗がん剤治療給付金:10万円(乳がん・前立腺がんのホルモン療法は月5万円)
- がん先進医療保障:通算2,000万円
年齢・性別 | 保険料(月払) |
---|---|
30歳男性 | 2,949円 |
30歳女性 | 3,199円 |
ポイント
自分がどのようながんに罹患し、どのような治療方法を受けるのか分からない以上、汎用性が高いがん保険がより安心できるできるため、その意味では、がん診断給付金を大前提とし、そのうえで「保険診療」にも「自由診療」にも「先進医療」にも柔軟に対応できるがん保険がよりベターな商品と言えます。
つまり、オリックス生命以外の保険会社の保障にある「放射線治療・抗がん剤治療」がどのような位置づけになるのかを考えます。
各社共通しているのが「公的医療保険制度」に該当した治療に限定しているのは、汎用性という面では劣ってしまっています。
一方オリックス生命のビリーブに関しては、放射線治療は手術給付金の対象となり、公的医療保険制度に該当しないものでも給付の対象となる上、通院給付金(日額10,000円)の条件でも、放射線治療のための通院は自由診療扱いの放射線も適用、抗がん剤治療に関しては、自由診療扱いの通院治療も60日まであれば給付の対象となります。
例えば抗がん剤治療を1クール4週間の治療を5クール実施するのであれば、計20回通院を行うことになり、自由診療扱いだったとしても通院給付金がしっかりと給付されることになります。
がん保険ナンバーワンを決めてみるのまとめ
汎用性という面では、オリックス生命のビリーブが最も優れていると感じます。
保険診療を前提とするのであれば、高額療養費制度の存在もあるため、治療費は1か月あたり10万円前後に納まります。
問題は、保険が適用とならない、治療費が高額になる自由診療に対して、いかにして備えておくことがポイントだと思います。
オリックス生命のビリーブは、一般的な保険診療によるがん治療も十分な給付金が出るほか、自由診療にも強いがん保険、保険料水準も割安な水準として、私的ナンバーワンとして考えたいと思います。
自分にとってナンバーワンの保険選びをするために
様々な保険の中でも、ビリーヴが最も優れているという話をしました。ですが、例えばビリーヴに加入しているからと言って100%安心できるというわけではありません。自分にとってナンバーワンの保険選びをするための第一歩として、「保険偏差値」で保険の買い方を採点してみると良いでしょう。
世の中には様々な医療保険・がん保険が発売されており、その中から、自分に最も合ったものを選ぶことは決して簡単なことではありません。世間一般的に「良い」とされている保険でも、その人のニーズやライフスタイルにとって最適かどうかは別問題なのです。
例えば貯蓄額が多く、万が一の時にも貯めたお金から治療費を問題なく支払えるという方は、最低限の保障内容でも問題ないでしょう。逆にいざという時治療費に回せるお金がそこまで多くないという方にとっては、万が一の時資金不足になる可能性を見越して、保障は手厚くしておいた方が良いということになります。
「保険偏差値」では、あなたの現在の加入内容が、意向通りに加入できているかどうかをチェックすることができるため、自分にとって最適な保険選びをする上で欠かせない要素の一つである「今、何が足りないのか」を知ることができます。
今加入している保険が自分にとって最適なものかどうかを見極めるために、まずは「保険偏差値」で、あなたの保険の買い方の立ち位置を明確にしておくと良いでしょう。