住友生命の子供向け保険「わんぱっく」は価値あるものなのか?
目次
住友生命のこども向け保険「わんぱっく」
今回は、住友生命で販売している子供向け保険「わんぱっく」について解説します。
この保険は、つい最近まで頻繁にCMで見かけた「生活保険 1UP」のこども向けバージョンであり、おそらく「わんぱく」と「ワンアップ」をかけた商品名なのでしょう。
「生活保険 1UP」と「わんぱっく」の違いは、契約年齢範囲だけであり、3歳~14歳までのお子様が加入する保険が「わんぱっく」となり、15歳以降の方は「生活保険 1UP」となります。
商品の中身は同じものになっているため、「生活保険 1UP」の商品性に準じて説明していきます。
そもそも「生活保険 1UP」とは?
「生活保険 1UP」はそもそもどのような保険なのかをインターネットで調べてみると、間違った解説をしているサイトが多々見られます。
「生活保険 1UP」とは、「生活障害収入保障特約」を付加したWステージ、ライブワンまたはプライムフィットを意味しています。
つまり「生活保険 1UP」とは、悪名高い「Wステージ」「ライブワン」「プライムフィット」に特約が付いたものなのです。
そのため、「Wステージ」「ライブワン」「プライムフィット」の商品性については、この場で説明するまでもなくネット上でその評判の悪さを知ることができるので、今回は、生活障害収入保障特約についての解説に努めたいと思います。
生活障害収入保障特約について
就労不能・介護年金
以下の①~④のいずれかに該当した際に、就労不能・介護年金が支払われます。
就労不能状態:①公的年金制度の障害年金1級・2級に認定 ②所定の就労不能状態に該当
要介護状態:③公的介護保険制度の要介護2以上に認定 ④所定の要介護状態が180日以上継続
所定の回数を上限として、被保険者が生存している限り支払われます。
就労不能・介護年金が支払われると、以降の生活障害収入保障特約の保障はなくなります。
所定の就労不能状態・所定の要介護状態
所定の就労状態は、以下のような状態を定義しています。
心臓移植/人工心臓/CRTまたはCRT-D/永続的な人工透析/腎移植/永続的な人口肛門/継続入院日数180日以上の悪性新生物の治療/喉頭全摘出手術を受けた状態/両手の第一指の消失かつ両手の第2指または第3指の消失/1手の5手指の消失/10足指の消失/1下肢の足関節以上の消失
所定の要介護状態は、以下のような状態を定義しています。
歩行が全介助が必要/歩行・寝返りいずれかが全介助または一部介助に該当し、衣服の着脱・入浴・食事の摂取・排泄・清潔整容のうち、3項目以上が一部介助もしくは2項目以上が全介助または一部解除に該当し、うち1項目以上が全介助/器質性認知症に該当し、意識障害のない状態において見当識障害がある状態
就労不能・介護保障充実給付金
就労不能状態①・②・要介護状態③のいずれかの状態に該当した際には、基本年金額の20%×5回分の一時金が支払われます。
また、所定の要介護状態に該当したとき、その状態が30日継続するごとに150日目まで、1回につき基本年金額の20%の金額が5回、通算10回分を限度として支払われます。
名称の通り、就労不能状態・要介護状態に対しての保障を充実した内容となっています。
特定障害給付金
所定の精神障害状態に該当したとき、基本年金額の3年分の金額が一時金として、1回限りで、支払われます。
しかし、契約年齢(契約日における被保険者の年齢)が14歳以下の場合には特定障害給付金はありません。
つまり、「わんぱっく」にはこの保障はないことになります。
「わんぱっく」の実態
「わんぱっく」は、「生活保険 1UP」と同じ保障なので、結局のところは、「Wステージ」「ライブワン」「プライムフィット」のいずれかに加入することになります。
ポップな商品名である「わんぱっく」とは裏腹に、結局は評判の悪い「定期保険特約付終身保険」・「アカウント型保険」に加入することに他なりません。
また、そもそも子どもに「生活障害収入保障」が果たして必要なのか、甚だ疑問です。
所定の就労不能状態・要介護状態に子どもが該当するケースがあるのでしょうか?
「わんぱっく」の評価
結局は、10年・15年・20年ごとに保険料が増大していく「更新型」の仕組みを提案されることがほとんどでしょう。
「子どものために」という悪魔のささやきに、いったいどれほどの方が騙されてしまうのか、心配でなりません。
保険料だけ見れば、低年齢なだけあって、それほど保険料は高くはありません。
しかし、意味のないものに毎月毎月お金を支払い続けることほど、無駄なものはありません。
住友生命の子供向け保険「わんぱっく」は価値あるものなのか?のまとめ
住友生命のホームページを見ると、「わんぱっく」に関する説明サイトがあり、よくよく見ると「【ご契約例】ライブワン わんぱっく」とあります。
「身近なケガや病気はもちろん、長期化・重病化して日常生活が不自由になったときにも備えられる」とありますが、結局は医療保障は特約として別途加入しなければなりませんし、そもそも子どもの治療費負担はほとんどかかりません。
「保険料の一部を積立て、教育資金などにお役立ていただけます!」の言葉も、アカウントに積み立てられたお金は、結局は更新時の保険料アップ回避のための、「転換(下取り)」に使われる未来が容易に想像できます。
残念ながら、ほとんど意味のない保険であると考えます。