マニュライフ生命とその他外資系保険会社を比較してみて
目次
マニュライフ生命を比較
外資系生命保険会社と聞いて、真っ先にマニュライフ生命の社名が頭に浮かぶ人はおそらく少ないと思います。
知名度という点では、他の外資系保険会社に大きく劣っており、どんな保険会社なのか非常に分かりづらいことも事実でしょう。
今回は、具体的な商品紹介ではなく、他の外資系保険会社と比較してみて、どのような保険会社なのかを述べてみたいと思います。
非常に辛辣な意見になっている部分もありますが、ご了承ください。
マニュライフ生命の特徴
マニュライフ生命は、カナダ系金融機関「マニュライフ・フィナンシャル社」のグループ企業です。
日本での保険事業の歴史は意外に古く、1901年に日本での生命保険事業の免許を取得して営業していましたが、第二次世界大戦の勃発により事業が中断、以降1999年に改めて設立、2000年に経営破綻した第百生命の既存契約と経営権をマニュライフに譲渡し、マニュライフ生命とが誕生しました。
外資系保険会社の特徴である、外貨建ての商品や変額保険のほか、一般的な終身保険や定期保険、医療保険などを取り扱っています。
マニュライフ生命の評判
あくまでネット情報ではありますが、可もなく不可もなく、もしくはあまり芳しくないものが多いです。
営業員の質が「高い」といった評判はあまりなく、特段優れた商品の評判もあまり見かけません。
会社としては資本もしっかりしていますし、これといって特に問題がある保険会社ではないのですが、いかんせん知名度の低さが際立ちすぎており、ぱっとしない会社となってしまっています。
「こだわり外貨終身」という、米ドル建終身保険の仕組みが良いという評判を見かけたので、その仕組みを調べてみましたが、正直何が良いの分かりませんでした。
こだわり外貨終身で評判の仕組み
終身保険に「特定疾病保険料払込免除特約」を付加することにより、保険料払込期間中に特定疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)で会社所定の状態に該当すると、それ以降の保険料の払い込みが免除になるだけでなく、将来支払うべき保険料総額に相当する金額分、一気に解約返戻金に上乗せされ、解約返戻金が立ち上がります。
その時点で保険を解約すれば、上乗せされた分の解約返戻金を受け取ることができるため、疾病に対する治療費や療養資金に充てることができる、というのがメリットのようです。
しかし、当然保険を解約すれば保障はなくなりますので、では何のために死亡保障である「終身保険」に加入していたのかが分からなくなってしまいます。
それならば、最初からがん保険や特定疾病保障保険に加入し、終身保険はそのままにしておけば、万が一の疾病に対する備えを持ちながら、一生涯の死亡保障を持つことができるため、こちらのほうが万が一に柔軟に対応できるのではないか、と感じました。
マニュライフ生命のイメージ
生命保険の世帯加入率が90%を超える、保険大好き国家「日本」においては、何かあったときのための生命保険を、いわゆる「外資系」の保険会社にゆだねても大丈夫なのだろうか、という心理がファーストインプレッションで働くことが多いです。
そのため、外資系保険会社は、各社の経営方針を確立し、各社ブランド戦略を推し進めています。
例えば、アフラックやメットライフ生命、アクサ生命といった外資系保険会社は、知名度向上のために積極的にテレビCMといったメディア戦略を展開しています。
プルデンシャル生命は、広告戦略を一切取らない代わりに、自社の営業員のコンサルティングスキルを徹底的に磨き上げ、営業員の質で勝負、提案内容から一つ一つの振る舞いに至るまで、「質」にこだわり、他社との差別化を図っています。
では、マニュライフ生命の戦略はどのような方針になっているのでしょうか。
マニュライフ生命に出会うきっかけ
知名度がないマニュライフ生命の商品に加入するにいたる経緯としては、どのようなチャネルが予想できるでしょうか。
「知人・友人がマニュライフ生命に勤めていたから」という方が非常に多いと思われるほか、街角保険ショップで初めてその社名を聞き、商品を提案されたという方も多いでしょう。
マニュライフ生命は、自社販売員によるダイレクトセールスのほか、街角保険ショップや銀行などの金融機関といった、保険代理店に販売委託をしている比重が非常に大きいと思われます。
街角保険ショップや金融機関で生命保険に加入するリスク
残念ながら、マニュライフ生命で取り扱っている保険商品で、これといって際立った商品性のあるものはありません。
にもかかわらず、街角保険ショップや金融機関といった保険代理店でマニュライフ生命の保険商品を提案される、これが何を意味するか分かるでしょうか。
「保険代理店側の都合で商品提案されてしまっている」(代理店の営業マンが良いと信じている商品でもあなたにとって最良のものとは限らない)恐れがあります。
保険代理店への販売委託
保険会社が代理店委託をする取り決めの中には、一定期間に一定以上の自社の商品を販売することにより、代理店ランクを上げることができ、結果、代理店側に入ってくる手数料収入が増えていきます。
また、一定期間のうちに自社の保険商品を販売しなければ、委託契約自体が終わってしまうことにもなります。
街角保険ショップや金融機関は、多いところで10社~20社の保険会社の商品を取り扱っています。
<!--少数だとは思いますが、代理店の都合で、そしてそれを悟られないように、保険商品の提案をしている代理店も一定数あるでしょう。 少し前に、「20社前後の保険会社の中から、お客様に合った商品を提案します」と言いながら、手数料収入を第一とした保険提案が行われていた代理店の悪行が記憶に新しいです。--!>
その中で、最もあなたにマッチした保険というものを提案するといいながらも、実際には代理店の営業員の方の好みなどによって提案が変わることはよくあることだと思います。
マニュライフ生命とその他外資系保険会社を比較してみて、のまとめ
厳しめな視点でマニュライフ生命について言及しましたが、マニュライフ生命の評判を落とそうだとか、恨みがあるとか、そういった類の感情で記した訳ではありません。
あくまで現段階における「印象」を元に言及したに過ぎず、これから、より良い保険商品や、セールスの質の向上、会社ブランドの確立、といった改善が行われていくのであれば、是非とも紹介したいと思っています。
しかし、他社外資系保険会社の特色が際立っている現状においては、マニュライフ生命の現状は非常に中途半端と言わざるを得ないのも確かです。
これから、びっくりするような会社の変貌を遂げることを期待します。