【フリーター必見!】国民年金の保険料免除・納付猶予制度を理解しておこう
目次
フリーターには厳しい国民年金の納付の免除・猶予
フリーターの方のように収入にばらつきがある場合など、国民年の納付の免除や猶予を検討された方が良い場合もあります。
定職に就けず、時給○○円のアルバイトで生計を立てているフリーターにとって、月15,000円~16,000円の国民年金保険料は非常に厳しい出費となりますね。
そうは言っても国民年金保険料の納付は国民の義務、払わなくてはいけないことは分かっていても、支払ってしまったら現実的に生活できないといった方も多いでしょう。
しかし保険料を支払えず滞納を続けていると、携帯電話に知らないフリーダイヤルから電話がかかってきて、不審と思い出ないで後でインターネットで電話番号を検索すると、年金機構から業務委託を受けた民間事業者の電話番号だったというケースや、年金事務所からの催告状の封筒が定期的に送られてきて、どうしたら良いのか、と悩んでいらっしゃるのではないでしょうか。
そんなときは、胸を張って、役所へ相談へ行きましょう。
国民年金保険料の免除や猶予を受けることができるので、辛い催告や大量の郵便物から開放されますよ。
制度の詳細と手続き
国民年金の被保険者は毎月の保険料を納める必要がありますが、所得が少ないといった理由で保険料を納めることが難しい場合、「国民年金保険料免除・納付猶予制度」の手続きを行うことができます。
しかし、保険料免除や納付猶予になった期間は、年金の受給資格期間には算入されますが、年金額の計算には考慮されないため、その分将来の老齢年金額が少なくなってしまいます。
それでも、全額支払わなくてはならないという恐怖心から開放される上、10年以内であれば、免除・猶予になった分を追納できるので、今後もし余裕ができたら支払うことで、年金額を戻すことも可能です。
手続自体は、お住まいの市区役所・町村役場の国民年金担当窓口で行うことができるほか、郵送でも可能です。
年金事務所では相談することができますが、手続きは市区役所・町村役場となりますのでご注意ください。
種類と審査方法
保険料免除について
保険料免除には、保険料の①全額免除、②4分の3免除、③半額免除、④4分の1免除、の4つに分類され、本人・配偶者・世帯主の前年度所得によって決まります。
免除ですので、保険料の支払いが一生行う必要がないものでありますが、支払っていないにもかかわらず一定額支払ったものと見なされて、老齢年金を受け取ることができます。
仮に全保険期間を通して、①・②・③・④だった場合の、将来貰えることができる老齢年金額は以下のとおりです。
①全額免除の場合・・・全期間しっかり保険料を納めた場合の「半分」 ②4分の3免除の場合・・・全期間しっかり保険料を納めた場合の「8分の5」
③半額免除の場合・・・全期間しっかり保険料を納めた場合の「8分の6」 ④4分の1免除の場合・・・全期間しっかり保険料を納めた場合の「8分の7」
平成30年度における40年間しっかりと保険料を納めた場合の老齢基礎年金額は「779,300円」ですので、全期間を通して①~④だった場合の老齢基礎年金額は、それぞれ①「389,650円」、②「487,062円」、③「584,475円」、④「681,887円」となります。
保険料免除の審査について
本人・配偶者・世帯主の前年度所得(1月~12月まで)が調査対象となり、それぞれの免除分類は以下の所得計算によって算出されます。
免除分類 | 所得計算 |
---|---|
全額免除 | 前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること (扶養親族等の数+1)×35万円+22万円 |
4分の3免除 | 前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること 78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 |
半額免除 | 前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること 118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 |
4分の1免除 | 前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること 158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 |
保険料納付猶予について
保険料納付猶予は、免除と違って「支払いの先延ばし」となります。
そのため、仮に猶予が認められても、猶予期間が終わった段階で猶予期間分の保険料を支払わなくてはいけません。
当然、猶予期間中の保険料は、将来の年金額計算には含まれませんのでご注意ください。
保険料納付猶予の審査について
保険料納付猶予は、20歳以上50歳未満の方が対象となっており、保険料免除とは異なり「世帯主」の所得が考慮されず、本人と配偶者の所得のみが審査対象となります。
所得計算は、「(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円」の計算式で求められるので、仮に独身の方であれば「57万円」、配偶者のみがいらっしゃる場合は「87万円」となります。
独身の方の「57万円」という所得ラインは、年収ベースで122万円未満であれば大丈夫です。
この金額はあくまで収入から費用を差し引いた「所得」となりますのでご注意ください。
【参考】給与所得控除の算出
フリーターの方であれば、給与収入の方が多いと思われるので、「所得」を計算する上で必要な「給与所得控除」の算出表をご紹介しておきます。
以下の計算式から給与所得控除額を算出し、給与収入から差し引いたものが「所得」となります。
給与等の収入金額 | 給与所得控除額の計算式 |
---|---|
180万円以下 | 収入金額×40% 65万円に満たない場合は65万円 |
180万円超~360万円以下 | 収入金額×30%+18万円 |
360万円超~660万円以下 | 収入金額×20%+54万円 |
660万円超~1000万円以下 | 収入金額×10%+120万円 |
1000万円超~1500万円以下 | 収入金額×5%+170万円 |
1500万円 | 245万円 |
【フリーター必見!】国民年金の保険料免除・納付猶予制度を理解しておこう、のまとめ
経済的に厳しいフリーターの方にとっては、これらの保険料免除・納付猶予制度は非常にありがたい制度に映ると思います。
手続きの面倒さから未納なままにしておくことは、度重なる催告行為に悩まされたり、差し押さえをされたり、何よりも、万が一のときの「障害年金」や「遺族年金」といった国の保障すら受けることができなくなってしまいます。
免除にせよ、猶予にせよ、現在の「支払わなければならない」といった恐怖から開放されることが、この先に安心して生活を送っていくための第一歩となるでしょう。