アフラックの医療保険でわざわざ三大疾病に特約で備えておく価値があるか?
目次
アフラックで三大疾病に備える3つの特約
アフラックの医療保険は、三大疾病に対する備えとして、「三大疾病一時金特約」をはじめ、「三大疾病保険料払込免除特約」・「三大疾病無制限型長期入院特約」の3つの特約を選択することができます。
がん・急性心筋梗塞・脳卒中のいわゆる「三大疾病」は、日本人の死亡原因の「4割」を占めるほどであり、長期の治療期間を強いられる疾病でもあります。
三大疾病に罹ると治療を中心とした生活となるため、場合によっては就業できない状態となってしまうことが多く、治療費をカバーするだけでなく、その間の生活保障としての意味合いもあります。
今回は、アフラックの医療保険に付加することができる3つの三大疾病に対する特約について解説し、その価値のほどを見極めてみたいと思います。
アフラック医療保険の特約①:三大疾病一時金特約
三大疾病に罹り、会社所定の状態に該当した際に、一時金が支払われる保障内容の特約となっています。
保険期間中は、「2年に1回」を限度として回数無制限で三大疾病に備えることができます。
会社所定の状態とは、がん(悪性新生物)の場合は、初回は、がんと診断されたとき、2回目以降は、がんと診断され入院したとき、となっています。
しかし、上皮内新生物は対象外となっています。
急性心筋梗塞・脳卒中の場合は、初回も2回目以降も、治療を目的として20日以上入院、または所定の手術を受けたときとなります。
アフラック医療保険の特約②:三大疾病保険料払込免除特約
三大疾病に罹り、会社所定の状態に該当した際に、それ以降の保険料の支払いが免除される特約です。
以降は、保険料を支払うことなく、一生涯保障を持つことができる仕組みです。
会社所定の状態は、がん(悪性新生物)の場合は、がんと診断確定されたとき、となります。(上皮内新生物は除きます。)
急性心筋梗塞・脳卒中の場合は、治療を目的として20日以上入院、または所定の手術を受けたとき、となります。
三大疾病一時金特約と同じ条件となります。
アフラック医療保険の特約③:三大疾病無制限型長期入院特約
この特約は、三大疾病により入院した際に、入院給付金支払限度日数を超えた以降も、日数無制限で入院給付金が支払われる保障となっています。
医療保険は、一般的に、入院給付金支払限度日数を「60日」か「120日」から選択しますが、その日数を超えた以降も、三大疾病による入院であれば、無制限となる仕組みです。
また、この特約は、三大疾病に限らず、三大疾病以外の疾病もしくはケガによる入院をした際にも、入院給付金支払限度日数が引き上げられる仕組みとなっており、この場合は無制限ではなく、「365日」入院給付金が支払われる仕組みとなっています。
アフラックの三大疾病の3つの特約のデメリット
アフラックの医療保険につける特約①の「三大疾病一時金特約」については、回数無制限となっていますが、「2年に1回」が限度となっています。
他社の三大疾病一時金保障に関しては、「1年に1回」を限度として回数無制限としている商品もあるため、アフラックの特約は「長い」という印象を持つためデメリットになり得ます。
また、特約②「三大疾病保険料払込免除特約」と特約③「三大疾病無制限型長期入院特約」に関しては、10年ごとの「更新型」となっています。
つまり、10年経過するたびに、保険料が上がっていくという仕組みであり、高齢期に入った際の保険料負担を考えると、大きなデメリットであると言えます。
特約③「三大疾病無制限型長期入院特約」に関しては、三大疾病以外の入院でも入院給付金限度日数が引き上げられるという、他社ではあまりない固有の仕組みでありますが、そもそも三大疾病以外で「1年間」も入院するケースは稀であり、あまり活用できる機会がないのでは、と個人的には感じます。
保険に加入する上で優先的に考えたい特約
保険に加入する上でアフラックの特約に限らず、治療費、生活費をカバーできる「三大疾病一時金特約」は、積極的に検討しておきたい保障の1つであり、その背景には、現在のがん保険の考え方として、「診断一時金」で治療費に充てるという考えがあります。
がん治療方針として、短期入院・通院治療が主流となってきており、せっかく入院保障や手術保障ががん保険に付いていても、治療方針によっては必ずしも使うことができない状況も十分あり得ます。
入院しないかもしれない、手術しないかもしれない、でもするかもしれない、こればかりはどうなるか誰にも分かりません。
そのため、「診断一時金」を確実に手にできれば、仮に入院しても、手術しても、それらの治療費に充てることができるでしょう。
がんだけでなく、急性心筋梗塞や脳卒中のような長期間にわたる治療にも、一時金の存在は大いに役に立ってくれることでしょう。
アフラックの三大疾病一時金特約は価値あるものか?
それでは実際に、アフラックの医療保険に付加することができる「三大疾病一時金特約」は、加入に値するものであるのか、検証してみたいと思います。
評判の高いオリックス生命の医療保険「新キュア」が比較対象としては良いでしょう。
オリックス生命の新キュアに付加できる、三大疾病時に一時金が支払われる「重度三疾病一時金特約」とアフラックの医療保険「ちゃんと応える医療保険EVER」の「三大疾病一時金特約」について、「保障面」・「保険料面」で比較してみたいと思います。
アフラックとオリックス生命の比較1:保障面について
オリックス生命の「重度三疾病一時金特約」は、アフラックの「三大疾病一時金特約」とは異なり、「1年に1回」を限度として無制限となっています。
一時金が支払われる条件は、がん(悪性新生物)に関しては、初回は、がんと診断されたとき、2回目以降は、がんと診断され入院したとき、とアフラックの「三大疾病一時金特約」と同じです。
しかし決定的に違うのが、オリックス生命の「重度三疾病一時金特約」は、上皮内新生物も同額対象としており、大きな違いでしょう。
一方、急性心筋梗塞と脳卒中に関しては、治療を目的として入院を開始したときとなっており、アフラックの「三大疾病一時金特約」のような「手術の有無」を対象とはしていません。
ただ、実際の急性心筋梗塞や脳卒中の治療に関しては、多くのケースで入院~手術という治療が行われることを考えると、「手術の有無」はそれほど大きなデメリットであるようには思えません。
アフラックとオリックス生命の比較2:保険料面について
アフラックの「三大疾病一時金特約」とオリックス生命の「重度三疾病一時金特約」の特約保険料(月払い)について、どちらも「三大疾病保険料払込免除特約(特則)」を付けた場合で、男女別・年齢別に試算を行ってみます。
年齢 | 男性 | 女性 | ||
三大疾病一時金特約 | 重度三疾病一時金特約 | 三大疾病一時金特約 | 重度三疾病一時金特約 | |
25歳 | 1,970円 | 1,630円 | 1,790円 | 1,520円 |
30歳 | 2,470円 | 2,060円 | 2,190円 | 1,860円 |
35歳 | 3,110円 | 2,640円 | 2,630円 | 2,290円 |
40歳 | 3,930円 | 3,450円 | 3,090円 | 2,780円 |
どの年代も、男女どちらでも、アフラックの「三大疾病一時金特約」のほうが割高という結果になりました。
最大でも月500円近い保険料の差がありますので、何十年という保険期間では数十万円もの保険料の差になります。
アフラックの三大疾病一時金特約の評価
保障内容も、保険料も、アフラックの三大疾病一時金特約はオリックス生命の重度三疾病一時金特約には及ばない結果となっています。
つまり、積極的にはアフラックを検討する価値は、あまりないという結論付けとなります。
そもそも、アフラックの医療保険「ちゃんと応じる医療保険EVER」は、保険料水準も割高な部類に入る医療保険ですので、特約に関して、保障内容も保険料も他社に軍配が上がる以上、医療保険そのものもあまり価値のある商品とは思えません。
アフラックの商品を吟味している過程で、オリックス生命のすさまじさを実感いたしました。
アフラックの医療保険でわざわざ三大疾病に特約で備えておく価値があるか?のまとめ
医療保険と言えども、しっかりと他社で商品比較をせずに加入してしまうことは、上記のようなより良い商品性と出会う機会を失ってしまうことになります。
保険に加入する以上は、より安い保険料で、より手厚い保障内容が良いと思うことは、人間である以上当然です。
アフラックの三大疾病に対する特約保障は、残念ながら魅力に欠けるものです。