結婚を考えている相手に年金未納がある際に考慮すべきこと
結婚相手が年金未納の際の不安を解消
前向きに結婚を考えている相手に年金の未納期間があった場合、将来不安を感じ、本当に結婚すべきか迷ってしまうことがあると思います。
勿論、それを上回るだけの収入があれば別ですが、年金を未納にしてきた方のほとんどは、経済的問題によるところが大きいでしょう。
このような悩みは、非正規雇用者が増加している昨今、珍しいものではありません。
そこで今回は、結婚を考えている相手が年金未納状態の時に考慮すべきことを、手順を追って説明していきたいと思います。
年金と結婚の義務関係について
国民年金法88条では、「配偶者の一方は、被保険者たる他方の保険料を連帯して納付する義務を負う」、と定められています。
したがって、相手に年金保険料を支払う気がなく無視を続けた場合、配偶者であるあなたにその責任が移行する可能性があります
そのため、年金未納状態がある相手方に、まずはきちんと手続きを行う意思があるかどうかを確認するとよいでしょう。
もし、あなたの忠告さえ聞き届けてくれないならば、赤信号と言えます。
結婚相手の年金未納状態を確認する
年金の未納状態の種類は、①手続きをせずに未納状態の場合、②手続きをして猶予状態の場合、③手続きをして免除状態の場合、の三つ存在します。
手続きをせずに未納状態の場合、将来の年金受給額が減少するだけでなく、遺族年金や障害年金を受給資格さえ満たしておらず、危険な状態です。
手続きをして猶予状態の場合、遺族年金や障害年金の受給資格を満たしていることがありますが、受給額は減額されたままになります。
手続きをして免除状態の場合は、将来の年金受給額について、1/2以上はもらえる可能性があります。
また、猶予状態や免除状態の場合は、追納制度を利用することによって満額に近づける可能性があるので、経済的な余裕があれば活用すると良いでしょう。
結婚相手の働き方と年金の関係
年金の未納状態が存在してしまうケースは、学生、失業、個人事業主、フリーター等の期間中に起きやすくなっています。
なぜなら、一般的な正社員制度を活用している場合は、第2被保険者と呼ばれ、給料から源泉徴収で年金保険料を支払うことになるからです。
言い換えれば、今相手方が正社員として働いていたとしても、上記の期間がある場合は「隠れ未納」がある可能性があります。
将来的なことを言うと、相手方が正社員の場合、配偶者は年金保険料を免除される第3号被保険者になるため、経済的に安定することになります。
年金の未納状態と差し押さえの関係
年金の未納状態があるからといって、直ちに差し抑えの危険性はありません。
というのも、年金の支払い義務は2年で時効になるため、その期間を過ぎれば差し押さえの根拠がなくなるからです。
逆から言えば、2年以内に収めることが出来なった未納分は、今後補填することが出来なくなります。
未納期間を追納できるかどうかは、先に挙げた猶予申請や免除申請の手続きを、しっかり行ってきたかどうかが重要になります。
結婚相手が年金未納状態の時に考えること
最後に、以上のポイントをまとめしょう。
①年金の納付義務は、配偶者にも連帯責任が存在します。
②未納状態といっても、どのような手続きをしてきたかで、受けられる制度資格の幅が異なります。
③たとえ相手が今正社員だとしても、学生、失業、個人事業主の期間がある場合、「隠れ未納」が存在するケースがあります。
年金未納状態は、あるべき資産がないことには変わりがありませんが、結婚相手がどのような手続きをしてきたか、どのような働き方をしていくのかが、将来設計のポイントになると考えられます。