ソニー生命の変額個人年金の評判はなぜ挙がらない?

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ソニー生命の変額個人年金の評判はなぜ挙がらない?

   

ソニー生命の変額個人年金の評判

ソニー生命の変額個人年金は、実はあまり評判に挙がっていません。

といいますのも、ソニー生命といえば「変額保険(バリアブルライフ)」の評判のほうが広く知られており、あえて「変額個人年金」に加入するメリットがあまりないからだと思われます。

また、特に年配の方であれば、かつて自殺者をも出した変額個人年金にまつわるトラブルも記憶に新しく、あまり良い印象を持っていないでしょう。

個人的にもあまりメリットを感じないソニー生命の変額個人年金ですが、簡単に解説してみたいと思います。

ソニー生命の変額個人年金の仕組み

個人年金と名の付くものですから、一般的には、老後生活における年金を手厚くするための目的の商品です。

保険会社が将来の年金額を保証してくれる一般的な個人年金とは異なり、ソニー生命の変額保険は、支払う保険料を「自己の責任の下」で「運用」を行っていくことになります。

運用先としては、ソニー生命が用意している「特別勘定」と呼ばれる8つの商品があり、自由に投下割合を決めて運用を行っていきます。

保険料に関しては、一括で保険料を支払う一時払いのほか、月払いとして毎月積み立てていくことも選択することができます。

運用であるため、運用結果に関してはソニー生命は責任を負わないため、運用がうまくいけばそれだけ増えていきますし、うまくいかなければその分損失を被ることになります。

8つの特別勘定

 株式型日経平均株価上場投資信託(日経225型ETF)を主体に投資、株式市場との連動性を確保し、中長期的にベンチマークを上回る運用成果の獲得を目指す。
日本成長株式型TOPIX(配当金込)「フィデリティ・日本成長株・ファンドVA3(適格機関投資家専用)」に投資し、投資信託財産の長期的な成長を図ることを目的に積極的な運用を行う。
世界コア株式型MSCIワールド・インデックス(配当込・円ベース)「ワールドエクイティ・ファンドVL(適格機関投資家専用)」に投資し、ベンチマークを上回る投資成果の獲得を目指して運用を行う。
世界株式型MSCIワールド・インデックス(配当込・円ベース)有力な無形資産を保有する企業に注目し、ファンダメンタルズ分析を行うことにより世界各国の株式に分散投資を行い、中長期的にベンチマークを上回る運用成果の獲得を目指す。
債券型中長期的に安定した運用利回りを確保することを目標に、円建債券を中心としたポートフォリオを構築、債券ポートフォリオからの利息収入と売買益で、安定した運用成果の獲得を目指す。
世界債券型FTSE世界国債インデックス(ヘッジなし・円ベース)金利分析で、実質金利が高く、長短金利差が大きく、かつ経済環境が良好と判断される国に投資を行い、中長期的にベンチマークを上回る運用成果の獲得を目指す。
総合型円建債券ポートフォリオから安定した利息収入を確保し、経済・金利情勢を分析し、中長期的に投資リスクに比べて期待収益率が高いと判断される資産に積極的に資産配分を行う。
短期金融市場型短期金利(無担保コール翌日物など)短期債券および短期金融商品を中心に投資を行い、短期金利程度の運用利回りの確保目標として運用を行う。

変額個人年金の高コストな仕組み

上記の8つの特別勘定で運用を行っていくことになりますが、特別勘定とは言いつつもそのほとんどは「投資信託」となっています。

老後資金の形成という簡単において投資信託を活用する上で、どれだけコストを抑えながらパフォーマンスを最大化するのかが重要です。

しかし、ソニー生命の変額個人年金には、一般的な投資信託で運用を行っていくことに比べて、様々な余計なコストが発生します。

特別勘定運営費用

毎年、積立金から特別勘定ごとに以下の割合が費用として控除されてしまいます。

 株式型0.0397%
日本成長株式型0.0246%
世界コア株式型0.0246%
世界株式型0.5659%
債券型0.0246%
世界債券型0.0271%
総合型0.0297%
短期金融市場型0.0246%

そのうえ、投資信託の「信託報酬」も「0.17%~0.95%」の割合で控除されます。

1,000万円の積立金があったと仮定すると、約1%である「10万円」が運用成果にかかわらず強制的に盗られていることになるため、ぼったくりと言ってもよいでしょう。

純粋な投資信託であれば、例えば楽天生命の「世界経済インデックスファンド」であれば、信託報酬を含むファンドの管理費用は0.54%で済みます。

保険関係費用

保険契約の締結・維持および保障に必要な費用などが保険料や積立金から控除されます。

月払・半年払・年払の場合は毎回の保険料から一定額が控除、一時払の場合は、年金支払開始日において年金支払期間にわたり基本年金額を支払うと仮定した額に必要な金額に1.7%を乗じた額が控除されます。

また、保険契約の維持・死亡保障に要する費用に積立金から毎月1日に控除されます。

また、年金支払がスタートした以降も、年金の支払いに要する費用として「支払年金額に1%を乗じた額」が毎年積立金から控除されます。

つまり、保険という機能を有しているため、本来の純粋な運用に「必要な費用」が無駄に盗られていることになります。

年金支払開始日時点での運用成績

運用は未来のことですから、増えてることもあれば減る可能性もあります。

ソニー生命の変額個人年金は、年金支払開始日を「どのような運用成績」であっても迎えてしまった場合、その時点から年金の支払いがスタートします。

それが「大きな損失」であったとしてもです。

証券会社の特定口座での投資信託であれば、仮に損失が生じた場合でも、損益通算や損失の繰越などもできますが、変額個人根金であればそれすらできません。

ソニー生命の変額個人年金が評判にならない理由は生命保険料控除にも

個人年金とはいいつつも、ソニー生命の変額個人年金は「個人年金保険料控除」ではなく「一般生命保険料控除」に該当します。

多くの方が加入している死亡保障の生命保険は、そのほとんどが「一般生命保険料控除」に該当するため、年間保険料80,000円の上限に達していなければ、その差額分控除することができますが、上限に達してしまっている場合は、変額個人保険の保険料はこ控除できません。

この点から、確定拠出年金イデコや積立NISAのような、控除の面でも非課税の面でも優秀な金融商品や制度があるため、あえて変額個人年金を選択する合理的な理由は見当たりません。

ソニー生命の変額個人年金の評判についてのまとめ

ソニー生命に限った話ではなく、そもそも各保険会社で取り扱っている変額個人年金は、無駄なコストを支払ったうえでの運用となるため、非常に非効率的な運用手段であると言えます。

支払った金額の何倍もの死亡保険金が支払われる保障内容ならまだしも、支払ってきた保険料相当額に毛がはえた程度の保障しかついておらず、そのために無駄なコストを支払っていくことに疑問を感じます。

保障はしっかりと別で確保したうえで、純粋な運用手段である金融商品を選んだほうが、効率的であると言えるでしょう。

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