がん保険の分野でJA共済に加入するのは得策とは言えない

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がん保険の分野でJA共済に加入するのは得策とは言えない

   

JA共済のがん保険

JA共済では、生命共済や医療共済のほか、民間保険会社でいうがん保険「がん共済」も取り扱っています。

今や国民病の一つとまでなっているがんという疾病は、死亡率の高さ故、それ単体での保障が求められる時代となりました。

職業柄、JAとの関係が深い方にとっては、どうしてもJA共済に加入しなければならないという事情もある方もいらっしゃるかもしれませんが、治療費が高額になりやすい「がん」という疾病に対して保障を持つのであれば、その商品性についてしっかりと事前理解しておく必要があるでしょう。

しかし、JA共済のがん共済の評価は、保障内容と保険料のバランスが悪く、あまりおすすめできないというのが正直なところです。

今回はJA共済のがん保険の商品性について解説していきたいと思います。

がん共済の保障内容

がん共済は、診断時・入院時・手術時になどにそれぞれ給付金が支払われる「総合保障タイプ」の内容となっています。

JA共済のがん共済の共済期間と保険料払込期間、保障額について

共済期間は、「80歳」までか「終身」どちらかとなり、「60歳」「65歳」「70歳」「75歳」「80歳」までの保険料払込期間を選択できることに加え、「終身保障」のみ「99歳払い」を選択することができます。(終身払いはありません。)

加入時に「基本型」もしくは「充実型」どちらかを選択でき、「充実型」は先進医療保障以外の保障が「基本型」の「2倍」となっています。

またJA共済がん共済には解約返戻金が設定されておらず、加入して受け取れるお金としては、契約3年後から割戻金が存在するようです。(ただし割戻金はあるときとないときがあります。)

JA共済のがん共済のメリット

主だった特徴(メリットといえる点)としては、以下の3つがあります。

  • 悪性良性問わず「脳腫瘍」も保障されるという点
  • 診断共済金に関して、上皮内新生物も悪性新生物と同額保障という点
  • がんの再発や長期治療に備えることができる「がん治療共済金」を「1年に1回を限度として無制限」となっている点

際立った固有の保障内容というわけではなく、非常にオーソドックスながん保障となっています。

給付金額

給付金額は、入院共済金日額に対して「基本型」「充実型」それぞれの倍率を乗じて計算されます。

充実型保障内容基本型
100倍
がん診断共済金
200倍
20倍(入院時)・5倍(入院時以外)
がん手術共済金
40倍(入院時)・10倍(入院時以外)
10倍
がん放射線治療共済金
20倍
50倍
がん治療共済金
100倍
通算1,000万円まで
がん先進医療共済金額の10%(上限30万円)
がん先進医療共済金
がん先進医療一時金
通算1,000万円まで
がん先進医療共済金額の10%(上限30万円)

解説

がん共済は、上皮内新生物を含む悪性新生物と脳腫瘍どちらも保障対象となっています。

がん診断共済金は「初回」のみとなっていますので、再発や治療器治療に対しては「がん治療共済金」でカバーしていくことになります。

しかし、がん治療共済金の支払事由については、がん入院共済金・がん手術共済金・がん放射線治療共済金いずれかが支払われることが条件となります。

入院・手術・放射線いずれも受けずに、例えば「通院による抗がん剤治療のみ」といった治療方針の場合は、がん治療共済金を受け取ることができないので注意が必要です。

がん共済の保険料

結論から言うと、JA共済のがん共済の保険料は「充実型」は言うまでもなく、保険料が安い「基本型」も、他社のがん保険と比べて割高感があります。

比較対象として、同タイプのがん保障であるオリックス生命のがん保険「ビリーブ」と保険料を比べてみます。

オリックス生命のビリーブは、「がん初回診断一時金」「がん治療給付金」「がん入院給付金」「がん手術給付金」「がん退院一時金」「がん通院一時金」「がん先進医療給付金」と手厚い保障内容となっている「総合保障タイプ」です。

被保険者は「30歳男性」と仮定します。

がん共済(基本型)保障内容ビリーブ
99歳
保険料払込期間
終身
100万円
がん診断
100万円
日額10,000円
がん入院
日額10,000円
20万円・5万円
がん手術
20万円
がん退院
10万円
がん通院
日額10,000円
50万円
がん治療
50万円
通算1,000万円まで
がん先進医療共済金額の10%
がん先進医療共済金
がん先進医療一時金
通算2,000万円まで
3,657円
月払保険料
2,990円

JA共済のがん共済とオリックス生命のビリーブの比較考察

がんの再発や長期治療に備えることができる「がん治療給付金」は、がん共済・ビリーブともに保障されていますが、がん共済が「1年に1回を限度として無制限」となっていることに対し、ビリーブは「2年に1回を限度として無制限」となっている点で、期間面ではがん共済に軍配が上がります。

また、その支払条件に関しても、ビリーブは「がんの治療のための入院」を行うことが条件であり、がん共済にある「手術・放射線治療」は対象となっていません。

一方、ビリーブには、がん共済にはない「がん退院一時金」や「がん通院給付金」といった保障があり、治療面における経済的な負担は大きく軽減されそうです。

保険料払込期間の違い「99歳払い」と「終身払い」という点から、短い期間のほうが保険料が高くなってしまう仕組みでしょうがない部分もありますが、保障面と保険料のバランスを考えると、オリックス生命のビリーブのほうがコストパフォーマンスに優れているのではないでしょうか。

1年に1回と短めの期間で保障してくれるがん共済の「がん治療共済金」は、ビリーブの「がん通院保障」や「退院一時金」で代替できると感じるからです。

がん保険の分野でJA共済に加入するのは得策とは言えないのまとめ

がん共済は、「基本型」での試算を行いましたが、「充実型」を選択すると約2倍程度保険料が上がることになります。

同程度の保障内容であれば、やはり保険料の大小といった比較が重要になってきます。

がん共済でも困ることはないでしょうが、他により良い商品がある以上、積極的にはおすすめできないというのが結論です。

ただ付き合いからJA共済のがん共済に加入しなければならないという方は、告知書の内容などを考えて交際費として割り切るのも致し方ないことでしょう。

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