医療保険で年払いをお勧めしない理由!解約しても返金されるが…

ほけんケア~ドル建て保険も理解できた!保険について本気出して勉強した主婦のブログ

子供のための貯蓄型学資保険の検討からドル建て保険の存在を知り、様々な保険を勉強してきました。複雑でわかりにくい保険に関する内容を少しでも理解しやすくなるためのブログです。

医療保険で年払いをお勧めしない理由!解約しても返金されるが…

   

医療保険は月払い?年払い?

平成22年4月に「保険法」という新たな法律が施行され、死亡保険や医療保険の「半年払い・年払い」についての取り扱いが大きく変わりました。

詳しくは後述しますが、契約者が保険料支払方法を柔軟に選択することができるようになったと言えますが、半年払いや年払いといった保険料の支払方法は、生命保険、特に医療保険の存在価値を考えると「ズレている」と個人的には思っています。

医療保険を契約する場合に、年払いといった支払方法をなぜお勧めしないのか、個人的な見解を述べさせていただきたいと思います。

死亡保険や医療保険の「半年払い」「年払い」の取り扱いについて

従来までは、半年払いや年払いで保険料を前払いしている分について、解約などで保険契約が消滅したときには、「未経過分」の保険料は返還されない扱いになっていました。

平成22年4月の「保険法」の施行により、半年払いや年払いで支払った保険料に関して、解約や保険料払込免除の要件に該当して保険料の支払いをする必要がなくなった場合、未経過の月数に対応する保険料相当額が返還されるようになりました。

しかし、この保険料の支払い方法は生命保険の存在価値を考えると積極的に年払いなどはおすすめしたいとは感じません。

生命保険の存在価値とは?

死亡保険、医療保険など「生命保険」という仕組みが現在に至るまで廃れもせず現存し続けている背景を考えてみますと、「相互扶助」という助け合いの精神が、うまく国民文化に合致していることが考えられます。

たった一人では、大きな経済的な損失を補うにはその手段に限度がありますが、契約者全体という大数の塊である「群」という視点で考えれば、一個人では到底カバーしきれない「万が一の経済的な損失」を、郡に所属している者たちで助け合えるという仕組みは、現代に残る優れた発明の一つであるとも言えるでしょう。

一個人に「数千万円」という経済的な損失が生じてしまったとしても、大数が毎月「わずかな掛け金」を出し合って万が一に備えていることで、助け合える、これが生命保険の存在価値と言えるでしょう。

「少ない支出で最大の保障」

これが、生命保険の基本原則だと考えることができます。

医療保険を年払いで加入すること

生命保険の基本原則「少ない支出で最大の保障」を前提として考えますと、1年分の保険料一気に支払ってしまう契約手法は、原則から外れてしまっていると言えます。

貯蓄性のある終身保険などで、解約返戻率を1%でも上げたい、と「貯蓄性」を生命保険に求めている方であれば、年払いでの申し込みは、そのパフォーマンスを向上させる効果があります。

一般的に、どの保険会社でも「年払い」による保険料の割引率は「年2%」程度ありますので、貯蓄性保険商品には大きなメリットをもたらすと言えます。

しかし、掛け捨て型が基本である医療保険の分野においては、月々の保険料も割安に収まることが多く、仮に月3,000円の保険料で医療保険に加入し、年払いで1年分支払ったとしても、割引率2%の効果は、月々にしてたった「60円程度」安くなるだけです。(そのために途中でわざわざ医療保険を年払いに変更することの是非はこの記事を読んでからご判断いただけると幸いです。)

月々たった60円程度の割引のために、1年分の保険料を支払ってしまうことは、仮にその金額を支払わなかった場合に他に使うことができた買い物をあきらめること、つまり「機会損失」になってしまうことになり、医療保険をはじめ生命保険を年払いする最大のデメリットになるでしょう。

保険法の施行後の年払いでの支払い

しかし、医療保険などは月々の保険料負担もそれほど大きくはないので、1年分の保険料をいつまとめて支払ったとしても、預貯金などの資産に対した影響がない、という方もいらっしゃると思います。

保険法の施行により、仮に年払いで1年分の保険料を前払いしたとしても、保険料をこれから支払う必要がない条件(保険契約そのものの途中解約や特定疾病保険料払込免除)に該当すれば、引き落とし日が過ぎていても前払いした保険料のうち「未経過分」が戻ってきます。(返金されます。)

年払いを選択したことによる、年数百円の割引であったとしても、「できるだけ無駄な支出は増やさない」というお考えの方にとっては、年払いという支払方法は適していると思われます。

心理的な側面から

一般的に、住宅や自動車を購入しようとする際に、「ローン」を組まれることがほとんどですが、一括で支払えるだけの蓄えが仮にあったとしても、果たして「ローン」を選択されるでしょうか?

おそらくは、一括で支払ってもほとんど資産に影響がないほどの富裕層の方であれば、一括で支払われるかもしれませんが、一般的な方であれば「ローン」を選択されると思います。

これを心理的な側面から見てみると、人間は「まとまった大きな支出をできるだけ避ける」傾向にあるからと言われています。

大きな支出をしてしまった後に、万が一また大きな支出を伴うことがあるかもしれない、という不安的な心理感情が芽生えてしまうことが多く、目先の支出額をできるだけ抑えたい、という心理的な考えた働くようです。

医療保険で年払いをお勧めしない理由のまとめ

そもそも保険という仕組みは、腐るほどお金を持っている富裕層には無縁のものであり、むしろ、中流階級~貧困階級の人々こそに必要な制度であると言えます。

そういった層に該当する方だからこそ、まとまった支出をできるだけ抑えたい、と思うのではないでしょうか?

保険の基本原則「最低限の支出で最大の保障」を満たすうえでは、保険会社に支払う保険料は、できるだけ少ないに越したことはありません。

こうした背景から、掛け捨て型の医療保険を検討している方には、なるべく「支出を抑える」支払方法をお勧めしたいと考える所以です。

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