「ドル建て一時払い終身保険」を豪ドルにするメリットと米ドルとの違いは何か?
豪ドル建て一時払い終身保険について
最近では外貨建一時払終身保険ランキングなどで豪ドル建て一時払い終身保険は利率が高く非常に注目が集まっております。
退職金の運用商品として人気があり、銀行などでよく売れていた円建ての一時払い終身保険は、マイナス金利の影響を受け近年多くの保険会社で販売縮小や販売停止が相次いでいます。
円建てに代わる運用商品として、高い利率の外貨建ての商品は評判も高く注目を集めていますが、外貨建てといっても米ドルや豪ドルなど複数の通貨が存在し、それぞれ利率や通貨の特徴があります。
利率の高さは魅力ですが、運用性が高いがゆえの注意点もありますので、それぞれの特徴を理解し押さえていきたいと思います。
外貨建て一時払い終身保険の特徴
一時払いの終身保険は、一括で預かった保険料を保険会社が運用するのですが、90%以上は国債で運用していますので、外貨の一時払い終身保険の場合は、外貨の国債での運用ということなります。
また、保険料を一括で支払うことにより、平準払いよりも高い利率となっています。
契約時から、死亡保険金は外貨ベースで元本保証されます。
ドルの為替リスクと為替手数料
豪ドルはもともと高金利の通貨として人気があったため、「外貨建て保険ならば米ドルよりも豪ドルがいいい」という認識をお持ちの方も多いと思います。
オーストラリアは金、石炭、鉄鉱石など天然資源が豊富な資源国なので、輸出や天然資源の採掘量等に為替が左右されやすい特徴がある為、主要先進国通貨の中では一番為替変動リスクが大きいと言われています。
また、ドル建て終身保険の保険料を払い込む時には為替手数料(円をドルに換える手数料)がかかり、保険会社から支払われる保険金や解約返戻金にも為替手数料(ドルを円に換える手数料)が必要です。
為替手数料は、取り扱う保険会社や期間によって金額が変わってきますが、一般的には米ドルよりも豪ドルの為替手数料の方が高いようです。
外貨建て一時払い終身保険の予定利率
よく売れている一時払い終身保険商品の、現在の米ドルと豪ドルの予定利率を比較してみます。
住友生命保険「ふるはーとJロードグローバル」 米ドル(3.85%)、豪ドル(3.00%)
日本生命保険「ロングドリームゴールド」 米ドル(3.52%、2.96%※年齢別)豪ドル(3.08%、2.72%※年齢別)
メットライフ生命保険「ビーウィズユープラス」 米ドル(4.60%※最低保証2.00%)、豪ドル(3.08%※最低保証2.25%)
一年ほど前までは、豪ドルのほうが金利が高かったのですが、現在では米ドルよりも金利が下がってしまいました。(特にメットライフ生命の利率変動型一時払終身保険(豪ドル建)は利率が1%以上も違いますね。)
一時払い終身保険を豪ドルで行うメリット
米ドルより金利は下がりましたが、豪ドルの為替リスクが大きいことから、為替差益が多く得られる可能性がある為「運用面」においては、米ドルよりも豪ドルのほうがパフォーマンスが優れているということになります。
また、一時払い終身保険の場合一括で保険料を支払うので、為替レートの動きを見ながら支払いのタイミングや解約のタイミングを見極めることも可能です。
※ただし、早期の解約は解約控除や市場価格調整により損をするリスクがあるのでその点は注意しましょう。
豪ドル一時払い終身保険のまとめ
一時払い終身保険はある程度まとまった金額を預けることになる為、余裕のある資金で加入することが多い保険です。
特に外貨建ては、利率が高く保険料も安いのでリスク分散の為の資産運用として優れていますし、その中でも豪ドルは高いパフォーマンスが期待できると思います。
商品の特性やリスクを理解して、余裕のある資金で将来の円安にそなえるための分散投資をしたい人、外貨資産を蓄えたい人にとっては有効な商品の一つではないでしょうか。
ただし、メリットである反面、為替差益はどちらに動くかは、誰にも確約ができませんのでデメリットにもなり得るですが、どの通貨でも言えることなので、リスク分散という目的で金額を決めて加入する分には問題ないと思います。