払い済み保険と相性が良いプルデンシャル生命の販売戦略
目次
プルデンシャル生命と払い済み保険
プルデンシャル生命が主力として販売している商品(リタイアメントインカム：ドル建て特殊養老保険)と払い済み保険の関係性は、実は非常に相性がよく、高額な保険料に苦しまれている方には是非ともおすすめしたい手続きであると言えます。
生命保険の貯蓄性に欲をかいてしまい、契約当初は支払えると思って無理をして高額な保険料で契約したは良いが、その後のライフプランの変化によって、その高額な保険料が家計に悪影響を及ぼしてしまっているというケースを、腐るほど大量に見てきました。
そんなとき、普通は契約を「解約」することを頭によぎりますが、生命保険は契約して早期に解約してしまいますと、支払った保険料よりも戻ってくる解約返戻金が少ないことがほとんどであるため、大きな損失となってしまいます。
今まで支払ってきた保険料をできるだけ無駄にしたくない、と思われる方は、その契約が「払い済み保険」に切り替えることができるかどうかを確認しましょう。
高額な保険料で契約を勧めるプルデンシャル生命と払い済み保険は、実は非常に相性が良いと言えます。
払い済み保険とは？
まずは「払い済み保険」とは一体何なのか、について解説します。
そもそも、「払済保険」と書かれることもありますが、読み方は「はらいずみほけん」です。
払い済み保険とは、これから先の保険料の払込みをストップさせ、その時点における「解約返戻金」を「一時払」の保険料に充当することで、保険期間を変えずに保障額の少ない保険に変更できる手続きを意味します。
生命保険契約を「解約」してしまえば、その時点の解約返戻金が戻ってきて保障が終了となりますが、払い済み保険は、保険期間が変わらず、保障額を小さくして保障を「継続」させることができます。
一時払い型の終身保険などに加入したことがある方であれば理解しやすいかもしれませんが、最大のメリットは、これから先の保険料の支払いがなくなるだけでなく、以降、解約返戻金が増加していくという特徴があります。
つまり、保険を解約してしまえばその時点で損失が確定してしまいますが、払い済み保険に切り替えて保険自体を継続させて解約返戻金を増やしていくことで、できるだけ支払った保険料額まで増やす、または、それ以上まで増やすといったことが可能となります。
プルデンシャル生命と払い済み保険の関係性
ではなぜプルデンシャル生命と払い済み保険の相性が良いと言えるのか、それは、プルデンシャル生命の「外貨建て保険」の貯蓄性保険に偏った販売戦略にあります。
払い済み保険の手続きは、「解約返戻金」があることが前提となりますので、掛け捨て型の保険では手続きを行うことができません。
一度でもプルデンシャル生命から保険の話を聞いたことがある方ならお分かりですが、解約返戻金のある貯蓄性保険、特に、異常なほど「米国ドル建終身保険」や「米国ドル建リタイアメント・インカム」という商品を勧められます。
しかも、その保障額も異常なほどで、「貯まります」「将来全部戻ってきます」という貯蓄性ばかりを強調したトークで、例えば「独身」の方であっても「10万ドル」「20万ドル」という死亡保障を売りつける傾向にあります。
独身の方にどうして1,000万や2,000万円という「終身」死亡保障が必要なのか、という疑問はさておき、お金が増えることを好むのは人間の本能ですので、「お金が貯まるなら」という安易な理由で、現時点の経済力で保険料を支払えるかどうかという視点で考えてしまい、高額な保険料で契約してしまう傾向にあります。
解約返戻金のある保険商品
保険料の支払いで困っている方のほとんどは、異常な保障額の外貨建て保険などに加入してしまっているケースです。
ただ、これらの貯蓄性商品は解約返戻金があるため、急な資金需要がないのであれば、払い済み保険に切り替えることが好ましいと言えます。
時間はかかりますが、損を確定したくない、今まで支払ってきた保険料を無駄にしたくない、とお考えの方には、払い済み保険の手続きを検討するべきでしょう。
余談：外貨建て保険の販売戦略
ここまで来れば懸命な読者の方であればお分かりかもしれませんが、プルデンシャル生命が「高い」と言われる所以は、その大部分は保険料が割高な「米国ドル建終身保険」や「米国ドル建リタイアメント・インカム」という貯蓄性保険を、不必要で過剰な保障額で契約してしまっているケースがほとんどだからです。（通常の掛け捨て型の保険もプルデンシャル生命は他社と比べて割高ですが。）
そして、高額な保険料で契約してくれれば、その分販売側に大きな販売手数料も入ります。
そして最低でも「1年間」は無理をしてでも契約を続けれくれれば、その後は保険を解約されても、大部分の販売手数料は既に受取済みであり、解約により継続率自体は下がってしまいますが、報酬面でのダメージは最小限に抑えることができるわけです。
払い済み保険の注意点
払い済み保険に切り替えるためには、「解約返戻金」が立ち上がっていることが前提となります。
つまり、契約から2年未満の場合には、解約返戻金が立ち上がっていない、あっても極わずか、ということがほとんどなので、注意が必要です。
ここで注意すべき罠としては、「じゃあ解約返戻金が増えるまで契約を続けよう」と考えることです。
解約返戻金は、指定した保険料払込期間が満了に近づくまで、支払った保険料累計まで近づくことはありませんので、高額な保険料を何ヶ月も支払い続けてしまうほうが、逆に損であると言えます。
契約から2年未満の場合には、きっぱりと「解約」して、確定する損は「勉強代」として割り切り、適切な保障額で割安な保険料を追求されたほうが、経済的にも精神的にも、メリットが大きいでしょう。
払い済み保険と相性が良いプルデンシャル生命の販売戦略のまとめ
低金利でちっともお金が増えない日本において、プルデンシャル生命だけでなく、各保険会社の手数料稼ぎとも言える外貨建て保険の販売ラッシュが社会問題化されてきています。
お金が貯まるとはいえ、加入する金融商品は「生命保険」です。
生命保険は、万が一の経済的な問題を解決する手段でしか無く、決してお金を貯めることを前提として商品設計されているわけではありません。
もし現時点において、高額な保険料で悩まれ、解約返戻金のある貯蓄性保険にご加入されているのであれば、払い済み保険への切り替えを検討してみてはいかがでしょうか？
一部解約なども対応策としてあるので、安易にすべてを解約するという選択は一人では行わない方が賢明でしょう。