プルデンシャル生命の介護一時金保険は魅力薄い商品性
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プルデンシャル生命の介護一時金保険
ライフプランナーによる営業手腕が特徴的なプルデンシャル生命でも「介護一時金保険」を検討する方もいるかもしれませんね。
ただプルデンシャル生命の介護一時金保険は個人的には魅力が薄いと言わざるを得ません。
民間保険会社でも介護保険の充実が訪れていますが、「介護一時金保険」を検討する方には知っておいていただきたい他の手段や介護保険の受け取り方なども存在します。
今回は、プルデンシャル生命で取り扱っている「介護一時金保険」を取り上げ、その商品性の是非や、介護問題として適しているか否かについて考えてみたいと思います。
そもそも介護保険とは
健康保険と同様、40歳以上の国民全員が加入を義務付けられている介護保険制度ですが、これは、民間の保険のような給付金が支給される保険ではなく、要介護認定を受けた利用者が「1割または2割」の利用料を支払うことで、「現物給付」による介護サービスを受けることができる保険です。
民間企業による配食サービス、家事支援、外出支援、家族の帰省交通費などは、介護保険が適用となりません。
介護サービスだけを利用しようとしても自己負担する金額が発生しますし、介護サービス以外のサービスを利用しようとする場合は、その費用は全額負担しなくてはいけないので、介護にかかるお金は大きなものになってしまいます。
これらの費用負担を軽減するため、各保険会社は「介護保険」という商品を取り扱い、介護が必要と見なされる「要支援・要介護認定」を受けた場合、もしくは、「会社所定の要介護状態」とみなすことができる場合に、給付金を支給する内容になっています。
民間保険会社の介護保険の種類
民間保険会社で取り扱っている介護保険は、給付金の支給方法によって大きく2つに分けることができます。
1つ目は、介護年金という形で毎年給付金が支給されるタイプ、2つ目は、介護一時金としてまとまったお金が1度のみ支給されるタイプになります。
年金型と一時金型、どちらが良い悪いということではなく、介護のどのような点に対して備えておきたいのかといった目的に合わせて加入する必要があります。
毎日の介護費用は、生きている限り永遠に支払う必要がありますので、要介護者が生存している限り毎年支給され続ける年金型は、介護サービスの自己負担額の備えとして適します。
一時金型は、要介護者のために、家をバリアフリーなどに改装しなくてはいけなかったり、高額な有料老人ホームへの入居費用など、一度の大きな費用がかかることへの備えになります。
介護一時金保険の特徴
プルデンシャル生命で取り扱っている介護保険は、年金支給型と一時金型どちらもありますが、給付金の支給条件はどちらも、公的介護保険制度において「要介護2以上」と認定されば場合となっています。
保険期間は一生涯となっており、何歳であっても支給要件に該当すれば、給付金が支給されます。
「要介護2以上」の認定で介護一時金が支給され、保険が終わるという、非常にシンプルなものになっています。
死亡保障は、責任準備金額となるので、契約して間もない段階での死亡保険金は、ほとんどないものだと思って良いでしょう。
解約返戻金は、支払った保険料額に対して50~70%程度になるようです。
介護一時金保険の保険料
プルデンシャル生命の資料をもとに、保険料を見てみます。
契約者:男性 介護一時金額:300万円 保険期間:終身 保険料払込期間:終身 の条件で試算してみます。
40歳・・・6,336円/月
50歳・・・8,136円/月
60歳・・・11,169円/月
プルデンシャル生命の介護一時金保険の評価
責任準備金相当額の死亡保障、ならびに、解約返戻金がある商品になるので、保険料は高めという印象を持ちます。
介護保障は、年齢が上がれば上がるほどその必要性が高まってくるので、介護のための備えとして加入した介護保険は、なかなか解約しようということにはならないのではないでしょうか?
そう言った意味では、解約返戻金の存在は、正直不要なのではと思ってしまいます。
「要介護2以上」という条件も、一見、軽度な支給要件になっているように思えますが、業界の傾向から見るといたって「普通」であり、特段、プルデンシャル生命の介護一時金保険が優れている訳ではありません。
介護一時金保険を検討するのであれば、他社の保険、例えば、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命の「介護一時金特約」をおすすめします。
ひまわり生命の「介護一時金特約」
ひまわり生命の「介護一時金特約」は、死亡保障と解約返戻金をなくし、その分割安な保険料水準を実現し、かつ、一時金支給要件が「要介護1以上」ととても緩い条件になっています。
唯一のデメリットとしては、「特約」という形でしか加入することができず、低解約返戻金型終身保険「一生のお守り」か医療保険「新・健康のお守り」でのセットが必要です。
仮に、医療保険「新・健康のお守り」に特約という形で介護一時金特約を付けたら、その特約保険料はどの程度になるか試算してみました。
保険商品:新・健康のお守り 契約者:男性 介護一時金額:300万円 保険期間:終身 保険料払込期間:終身 保険料払込免除特約:付加の条件で以下のとおりです。
40歳・・・3,540円/月
50歳・・・5,280円/月
60歳・・・8,700円/月
プルデンシャル生命の介護一時金保険の保険料と比べると、およそ5割から8割ほど安い保険料となっています。
プルデンシャル生命の介護保険から他社を比べることですぐに安くできることも
プルデンシャル生命の介護保険は40歳から30年間(70歳なるまで)契約を続けたとしたら、2,280,960円、同条件のひまわり生命の特約の場合は1,274,400円と実に30年間で100万円以上、2倍以上の保険料をプルデンシャル生命に支払うことになりますよね。
仮に70歳以降もこの保険を続けていくならば、その差額はどんどん広がりますがもしも要介護2以上にならなければ50%~70%程度の解約返戻金しかありません。
その間の保障と割り切ればいいですが、一時金300万円に対して30年間で約228万円(内、解約返戻金または死亡保障が約50%~くらいの約114万円~)ですので、正直、その分、ドル建て保険などで運用や貯蓄をした方が効率がいいと思いますね。
プルデンシャル生命以外の保険商品を知るにはどうすれば?
また中には介護保障付きのドル建て保険などが存在しますが、これらはすべて保険会社が異なる商品での話で、他社のお得な保険商品をわざわざ、プルデンシャル生命の営業員から聞くことなんてできません。
実際に加入中の介護保障が最もベストである保険であるか、または数十社もある生命保険会社から自分のライフスタイルに最も合致した商品を見付けるのは今まで以上に保険に対して調べて勉強しなければなりませんが、介護状態になるのは明日なのか、いつなのか、だれにも分かりませんよね。
そこで保険商品に関する情報収集はご自身の保障がきちんと適切なものなのかのチェックを含めて、保険の専門家に相談されることをオススメします。
総論
死亡保障を全く準備していなくて、介護保障と死亡保障を兼ねた1本の保険に加入したいという方であれば、プルデンシャル生命の介護一時金保険は選択肢の1つにはなると思います。
しかし、すでに死亡保障があるのであれば、保障内容を重複してまで加入すべき保険かと言うと、それほど魅力を感じません。
そもそも、個人的には介護保障は、「一時金」タイプよりも「年金」タイプのほうが、介護者が生存している限り永遠に支給され続けるので、毎月の介護サポートに最も適していると考えるからです。
そんな中で、あえて「一時金」タイプを選ぶのであれば、特約という形になりますが、ひまわり生命の医療保険とのセット加入の方が、医療保障と介護保障をダブルで持つことができるので、保険料負担も安く済ますことができる意味で、より良い商品なのかなと思います。
プルデンシャル生命の介護一時金保険は魅力薄い商品性のまとめ
プルデンシャル生命の介護一時金保険は、いたって普通すぎる商品性であり、かつ、保険料も高いという印象を持ちます。
介護保障は、年齢が上がれば上がるほどその必要性が高まってくるので、解約返戻金についても特段考える必要性は低いと思います。
であれば、やはり安い保険料で大きな保障を持つことができる商品性の、「介護一時金特約」としてひまわり生命を検討すべきだと考えます。