明治安田生命で取り扱っているドル建て保険について解説
目次
明治安田生命のドル建て保険の種類
明治安田生命では現在、外貨建ての保険をいくつか販売しており、商品ごとに特徴などが異なります。
具体的には、「米ドル建一時払い特別養老保険」「豪ドル建一時払い特別養老保険」「指定通貨建利率変動型一時払い特別終身保険:エブリバディプラス」の3種類。
これまで、米ドルや豪ドルなどの外貨で運用をする外貨建て保険は、外資系保険会社で主に取り扱ってきましたが、最近では国内生保でも取り扱いを開始するようになってきました。
そして外貨建て保険は、円建ての保険と比べて利率が高い反面、注意すべき点も存在しますので、しっかり確認して加入する必要があります。
今回は明治安田生命で取り扱いしているドル建て保険を紹介し、簡単にその内容について解説しておりますので、最後までご覧ください。
明治安田生命のドル建て保険の違い
明治安田生命で販売されている外貨建て保険は、養老保険と終身保険、米ドル建てと豪ドル建てに分けられます。
また、どの保険も「一時払い」となっており、まとまった金額の保険料を支払う必要があります。
それぞれの違いについて以下の章で解説していきますね。
ドル建一時払い特別養老保険
この保険は「養老保険」と名が付くこともあり、「満期」が存在します。
満期は「10年」のみとなっており、満期が到来した時点で「満期保険金」が給付されます。
一時払いとなりますので、支払い時に会社所定の為替レートで「円を米ドルもしくは豪ドルに換算」して保険料を支払います。
以降は、ドル建てで運用され、ドル建ての満期保険金を受け取りますが、保険期間中に死亡時にはドル建ての死亡保険金がおります。
満期保険金・死亡保険金は、ドルのまま受け取りを選択するか、円支払特約を付加することで、その時点での為替レートで完全して円で受け取ることができます。
エブリバディプラス
この保険は「終身保険」となりますので、一時払いで保険料を支払うことで、一生涯の保障が確保されます。
最初の5年間は保険金額を抑え、5年を経過すると保険金額が増える特徴があります。
通貨を「米ドル」と「豪ドル」のどちらかを選択することができ、10年毎に予定利率が更改されていきます。
また、10年に満たない年数の解約返戻金は、市場価格調整というものが行われ、「一定」ではなく、市場金利によって「変動」するため、プラスにもマイナスにもなる可能性があります。
しかし、10年後の解約返戻金は市場価格調整が行われないため、解約返戻金は変動せず、外貨ベースでは確定しています。
外貨建て保険の試算の見方
ここからは外貨建て保険を実際にシミュレーションしていきたいと思いますが、その前に試算結果を理解するために必要な用語を解説していきたいと思います。
返戻率
支払った保険料に対して、受け取る満期金の割合です。
この数値が高いほど、貯蓄性が高いといえます。
為替リスク
外貨建て保険は円建て保険と違い、支払った保険料は外貨に変換されるため、為替相場の影響を受けて資産が上下する可能性があります。
例えば1ドル100円の時に、500万円の保険料を預けると、5万ドルになります。
これが満期時に5.5万ドルまで増えていたとしても、為替相場が1ドル80円になっていると440万円の価値しかないことに。
このように、外貨建て保険は為替相場の影響を受けて資産価値が上下する点に気をつけなければなりません。
損益分岐点
満期保険金などを受け取る際に、損をしてしまう為替相場のことをいいます。
契約時と比べて円の価値が高くなり、ドルの価値が下がると、ドルで保有している保険金の価値が目減りしていることになり、この分岐点の為替レートを超えると、契約時よりも資産が減ってしまうことを意味します。
米ドル建一時払い特別養老保険の返戻率
以下の条件で明治安田生命米ドル建一時払い特別養老保険の返戻率を算出してみたいと思います。
ちなみにこの米ドル建一時払い特別養老保険はインターネットではシミュレーションできないため、過去の実際の見積もりを元に作成しておりますので少々古い情報になりますがご了承ください。
契約年齢:60歳男性 一時払い金額:10,000,000円 為替レート:1ドル=113.89円 基本保険金額:87,805ドル(10,000,000円 ÷ 113.89円)
保険期間は10年間となっています。
返戻率
満期保険金:103,697.71ドル 返戻率:118.1%
1年あたりの利回りは1.81%となります。
円安になればもっと利益が増えますが、円高になれば利益が減り、損失に至る可能性もあります。
損益分岐為替レート
損失がでる為替レート:96.43円(10,000,000円 ÷ 103,697.71ドル)
万が一満期保険金が損失になりそうな場合は、米ドルのまま最長10年間据え置くことが可能です。
10年で為替が良くなるという保証はありませんが、据え置くことで損失を固定せず、以降の好ましい為替レートが到達したら円に替えることができます。
エブリバディプラスの返戻率
一方、エブリバディプラスの10年後の返戻率を算出してみると以下のとおりです。
米ドル建て ・・・ 116.5%
豪ドル建て ・・・ 125.6%
それぞれ10年間の年間あたりの利回りは
米ドル建て ・・・ 1.65%
豪ドル建て ・・・ 2.56%
損益分岐為替レート
2017年11月10日時点での米ドルの適用為替レートは113.89円、豪ドルの為替レートは87.59円となっています。
米ドルの10年目返戻率116.5%を赤字にしてしまう為替レートは、1米ドル=約95円(113.89円 × (1-0.165))
豪ドルの10年目返戻率125.9%を赤字にしてしまう為替レートは、1豪ドル=約65円(87.59円 × (1-0.259))
万が一10年後に赤字が出そうな為替レートであれば、以降は解約返戻金は市場価格調整されないため、予定利率で運用されていきます。
好ましい為替レートで待つという選択肢を取ることができるでしょう。
明治安田生命で取り扱っているドル建て保険のまとめ
2つの商品の商品性と返戻率を見てみましたが、年あたりの利回りという点では、魅力は薄いです。
運用を目的とするのであれば、それこそ別の金融商品という選択肢を取るべきだと思います。
市場価格調整の存在もあるため、10年というスパンで考える必要があり、流動性という観点でも自由が効かなそうなイメージです。
それほどリスクを取りたくないという方であれば、検討する余地はありそうです。
ちなみに明治安田生命のドル建て養老保険については、「明治安田生命のドル建て養老保険の評判が悪い理由と優れている点」の記事でも詳細に解説していますので、合わせて確認してみてください。
参考:明治安田生命のドル建て保険について気になる人におすすめの記事
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