住友生命の「充実ふるはーと」の特長や評判について

ほけんケア~ドル建て保険も理解できた!保険について本気出して勉強した主婦のブログ

子供のための貯蓄型学資保険の検討からドル建て保険の存在を知り、様々な保険を勉強してきました。複雑でわかりにくい保険に関する内容を少しでも理解しやすくなるためのブログです。

住友生命の「充実ふるはーと」の特長や評判について

   

1.住友生命の「充実ふるはーと」は三井住友銀行で購入可能です

住友生命の「充実ふるはーと」は三井住友銀行で購入できる商品で銀行窓販商品のひとつです。

住友生命と三井住友銀行は同じ住友グループですので、専用の名前(ペットネーム)を付けて販売されています。

厳密にいえば、この商品は三井住友銀行の専用商品ではなく、実質的に同じ商品なのに異なる名前を付した商品が他の銀行でも販売されています。

お近くに三井住友銀行がない方は「ふるはーとF」で取扱金融機関をお探しになれば、ほぼ同じ商品を購入できます。

今回はそんな住友生命の「充実ふるはーと」の特徴や仕組み、個人的な評価と実際にこの商品を販売している人に聞いた現場のニーズなどについてご紹介していきたいと思います。

2.住友生命の「充実ふるはーと」の特徴

この商品の正式名(商品認可上の名称)は、「低解約返戻金型無配当特別終身保険」といい、従来から販売されている終身保険と比較すると次のような特徴があります。

①「低解約返戻金型」保険ですので、保険期間の途中で解約した場合、解約返戻金は低く抑えられた金額になります。

②「無配当」保険ですので、契約期間中の配当金はありません。

③「特別終身」保険と特別な恩恵があるようにも見えますが、解約返戻金を抑えることで第2保険期間以降の死亡保険金を高く確保すると他の商品にないこの商品独自の特徴を表現した名前となっています。

3.住友生命の「充実ふるはーと」の仕組み

住友生命の「充実ふるはーと」は、保険期間は終身ですが、大きく二つの期間に分かれます(第1保険期間と第2保険期間)。

◆第1保険期間

契約から10年(契約年齢49歳以下)または5年(契約年齢50歳以上)となります。

第1保険期間の間の保障内容は、死亡保険金は既払保険料相当額、また解約返戻金はそれ以下の金額になりますので、保険性は低い商品内容になっています。

第1保険期間は第2保険期間に備えた準備時期と理解すべきです。

◆第2保険期間

第2保険期間は第1保険期間以降、終身となります。

第2保険期間に入ると死亡保険金は契約時に定まる基本保険金額になります。

解約返戻金は保険料払い込み期間は抑えられていますが、払込が満了したら増額される仕組みになっています。

4.住友生命の「充実ふるはーと」の保険料の払込方法について

住友生命の「充実ふるはーと」の保険料は、①月払い、②年2回払い、③年1回払い、④全期前納の4種類の方法から一つ選択できます。

銀行の窓口販売商品は、まとまった保険料を一括で支払う(一時払い商品)商品が多いので、月払いもできるこの商品は少数派と言えます。

ただし、月払いでの販売も一定のニーズがあるようで、第2保険期間以降の終身保障に魅力を感じて加入に至るケースがあるようです。

例えば、40歳男性の方の場合、毎月35,810円を10年間支払えば(払込累計429万円)、500万円の終身保障が準備できますので、着実にライフプランを立てたい方にはお勧めしているようです。

5.住友生命の「充実ふるはーと」の人気の理由

この商品は三井住友銀行で販売されていますが、投資信託のような運用リスクがある商品を避けたい方を中心に人気があるようです。

銀行で資産運用相談される方の多くは、もともとは元本が保証されている銀行預金による運用ニーズが高いため、リスクに対しては嫌悪感を感じる方が多いためと考えられます。

相続対策商品としての人気もあり、第1保険期間を設けたことで、第2保険期間以降の保障が手厚く設計できるため、この部分のメリットを理解した方が購入されているようです。

また、現役層への販売も、保険料の払込方法の箇所で触れたとおりのニーズがあるようで、保険料のクレジットカード払いでのポイント特典、生命保険料控除などを併せて考えて購入されるようです。

 

6.住友生命の「充実ふるはーと」の検討のポイント

◆経済合理性

経済合理性の観点でこの商品を見た場合、「とにかく減らしたくない」という気持ちが強い方には、この商品は悪くありません。

そもそもこの商品は銀行の窓口専用商品ですから、相談される方も預金またはそれに代わる商品を求めることが多く、そのニーズに応えるための商品でもあるためです。

解約しない限り元本割れの心配はありませんが、心配なのはインフレリスクに対しては無防備になることです。

収益性は高いとまでは言えないので、現役層で購入されるかたは税金面やクレジットカードの特典を利用し、実質的な有利性を高める工夫をしたほうが良いでしょう。

ご自身のために何かで使うとお考えの方(途中解約をお考えの方)には、他の商品(投資信託なども含め)も含めて専門のプランナーに相談されることをお勧めいたします。

◆商品性

この商品は生命保険ですから、万が一の場合は生命保険による死亡保障が準備されます。

ただし、第2保険期間以降の保険金額を高めに設定するために、第1保険期間は保険による殆ど保障はありません。

この部分は商品の特長でもありますので欠点と捉えるのではなく、第2保険期間以降の厚めの保障のための準備と理解して加入することが大事です。

例えば、50歳の男性の方でも月37,720円を10年間支払えば(払込累計452万円)、500万円の終身保障は確保できます。

第1保険期間の保険性を抑えることで実現できる金額ですが、他社の終身保険と単純比較はできないものの、終身保障にこだわる方には料金的にも検討はできそうです。

◆低金利下の終身保険加入について

この商品は契約時の予定利率が契約期間(終身)にわたり保障される終身保険です。

この保険の予定利率は歴史的には低い水準で設計されることになりますが、回復傾向と言われることが増えた現在の経済環境の中で、金利上昇に転じる可能性は高まってきていると考えるべきです。

さらに無配当保険ですので保険会社の利差配当はありませんから、運用環境が好転しても解約返戻金が増加することは期待できません。

それでも、将来の準備を計画的に行いたい、支払う保険料と受取る保険金(解約返戻金)を確定させたい、という方はよく検討の上、加入するようにしてください。

7.住友生命の「充実ふるはーと」に対する評価

この商品にニーズを感じる方は、少数ではないかというのが正直な感想でしたが、関係者の話を聞くと、どうしても運用リスクを避けたいという方に一定のニーズがあるとのことでした。

リスク許容度が高いと言われる若い方にもそうした方がいらっしゃるようで、過去のバブル崩壊やリーマンショックなどの事例が、若い方でも手堅い方に好感されている面もあるようです。

もう一つの評価として相続時の手続きの利便性をセールスポイントとして強調される方もいました。

しかし、それは保険の制度を利用したものに過ぎず、この商品独自のものではないので、正直、苦しい販売現場の様子もうかがうことができました。

(銀行でも早期支払いに向けた手続きの簡素化努力をを進めていますので、この先、このセールスポイントは弱くなっていくでしょう)。

以上のことから、この商品に対する評価は、運用リスクをどうしても避けたい方や手堅く生涯保証を備えたい方には検討の対象になるが、運用面での有利性を求める方には向かないという結論になります。

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