生命保険で非喫煙者割引の検査は「ニコチン検査」ではなく「コチニン検査」

ほけんケア~ドル建て保険も理解できた!保険について本気出して勉強した主婦のブログ

子供のための貯蓄型学資保険の検討からドル建て保険の存在を知り、様々な保険を勉強してきました。複雑でわかりにくい保険に関する内容を少しでも理解しやすくなるためのブログです。

生命保険で非喫煙者割引の検査は「ニコチン検査」ではなく「コチニン検査」

   

生命保険で非喫煙者割引の検査は「ニコチン検査」ではない!?

タバコを吸っていないだけで、最大3~4割も保険料が安くなってしまう非喫煙者割引。

徐々に非喫煙者割引を取り入れてる保険会社も増えてきており、非喫煙者にとってはとても嬉しい反面、喫煙者にとっては増々肩身が狭くなってきています。

喫煙と疾病リスクの因果関係について医学的なコンセンサスがとれているわけではありませんが、各保険会社は、喫煙者の死亡リスク・疾病リスクに関して、喫煙が大きく起因としていると判断しています。

実際に非喫煙者割引が適用になるかどうかは、喫煙の事実の有無を検査するための「喫煙検査」を行った上での判断となりますが、この検査では、体内に「ニコチン物質」が確認されるかどうかを検査しているわけではありません。

多くの方が「ニコチン検査」と誤解しておりますが、正確には、体内に「コチニン」という物質があるかどうかで判断する、「コチニン検査」が行われることになります。

「ニコチン」と「コチニン」

ニコチンとコチニンは名前が非常に似ていますが別物質であり、化学式ではそれぞれ「C10H14N2」と「C10H12N2O」で表されます。

コチニンは、タバコの煙に含まれているニコチンにより体内で作られる化学物質であり、ニコチンからのみ作られます。

体内に吸収されたニコチンは、実はその半減期が非常に短く、コチニンに速やかに代謝され、尿中に排泄されてしまいます。

しかしコチニンの半減期は20時間と長く,血液, 尿及び唾液などに長期間にわたって留まります。

そのため、すぐに消えてしまうニコチン量を測っても意味がなく、コチニン濃度で喫煙の有無を判断するわけです。

「コチニン検査」の流れ

生命保険で非喫煙者割引が適用されるためには、コチニン検査のほか、過去1年以内の喫煙の有無を「告知」する必要があります。

つまり、喫煙者の方で、たまたま検査で陰性だったとしても、告知書にある「過去1年以内の喫煙の有無」について虚偽の申告を行っていれば、「告知義務違反」となりますので、ご注意ください。

生命保険においてのコチニン検査は、採取した唾液を検査会社に送り結果判定するタイプの検査キット「サリバスティックⅢTM」が多く使用されています。

「サリバスティックⅢTM」の使い方

コチニン検査は、販売員の「面前」で行う必要があります。(不正を防ぐため)

「サリバスティックⅢTM」は、少し大きめの綿棒を口の中に入れて、綿球に唾液を十分にしみこませる検査方法です。

唾液を十分にしみこませたら、口から取り出して専用の容器に入れ、販売員に渡し、検査会社に送られることになります。

検査結果は、1週間前後で判定されます。

「コチニン検査」の注意点

この方法のコチニン検査は、あくまで「唾液内」におけるコチニン量を測定するものであるため、能動喫煙か受動喫煙かの判定まではできません。

そのため、検査を受ける前にはうがいなどをしっかりと行い、口内をすすいでおいた方が良いでしょう。

また、副流煙が蔓延している空間に長時間いることで、喫煙したことがないにもかかわらず、コチニン反応が出てしまうリスクもあります。

そのような場合であっても、検査で陽性反応が出てしまえば、喫煙者としての記録が残ってしまいます。

検査数日前からは、タバコが吸われている環境にできるだけ近づかないほうが良いでしょう。

加熱式タバコ・電子タバコの取り扱い

近年、iQOS(アイコス)やGlo(グロー)、Ploom TECH(プルームテック)といった加熱式タバコや、vape(ベイプ)のような電子タバコが非常に普及しているため、そちらの取り扱いについても触れておきます。

いわゆる「加熱式タバコ」は、ずばり「喫煙」と同意義と捉えているようです。

コチニン検査でおそらく「陽性」となるため、喫煙者と同じ取り扱いをしなければいけないそうです。

しかし、vapeのような電子タバコであれば、使用するリキッドにニコチンが含まれていないものであれば、コチニンは検出されない可能性が高いとのことです。

これら加熱式タバコ・電子タバコを吸われていらっしゃる方で、告知書における「過去1年以内の喫煙の有無」について、「無」としたにもかかわらず、コチニン検査が陽性であったとしても、特段問題はないそうですのでご安心ください。

「コチニン検査」後の喫煙

生命保険の非喫煙者割引の適用という観点だけにおいては、「コチニン検査」終了後に喫煙したとしても、特段問題はありません。

遡って保険料が割り増しになるということもありませんのでご安心ください。

あとは、ご自身の健康面との兼ね合いという、個人的なことになるので、吸う・吸わないの判断は自己責任でお願いいたします。

今後、今以上に非喫煙者割引のメリットが大きくなり、保険の見直しをしなければならないときが訪れた場合のことを考えると、吸わないに越したことはないとは思います。

生命保険で非喫煙者割引の検査は「ニコチン検査」ではなく「コチニン検査」のまとめ

「ニコチン」と「コチニン」の違い、ならびに、「コチニン検査」の具体的な流れについて解説させていただきました。

成人喫煙率も年々減少しており、生命保険という分野においても、喫煙は「百害あって一利なし」の方向に進んでいるようです。

「検査のごまかし方」といったワードも気になる方がいるようですが、ごまかすことは「告知義務違反」となってしまい、万が一の際に保険金・給付金が出ないリスクが出てきてしまいます。

何のために加入したのか、まったく意味のなかったことになりかねません。

しっかりとルールを守った上での取り扱いを求められていることにご注意ください。

 

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