JA共済と県民共済でもう悩まない!上手な使い方を簡単解説
目次
保険選びに迷わない!JA共済と県民共済の上手な使い方とは?
若い人が保険選びの際に掛金の安さから共済を選ばれるケースが増えています。
ただ、一言に共済と言ってもJA共済、県民共済、こくみん共済など様々な商品があり違いもわかりづらいためどんな商品がいいかわからないというのが正直なところですね。
そこで本記事では共済の中でも代表的なJA共済と県民共済の商品特徴を紹介し、どう使うのがいいのかについて解説します。
保険とJA共済や県民共済は何が違うの?
まず、多くの人が疑問に持たれるのが「そもそも保険とJA共済や県民共済って何が違うの」ということです。
確かにどちらも病気や死亡、交通事故に備える保障商品であることには変わりません。
最大の特徴は「割戻金」があることです。
一般の医療保険会社は株式会社であるため生じた利益は株主に還元されますが、共済を運営する母体である組合は組合員のための組織であるため、生じた利益は共済契約者に還元されます。
例えば県民共済の場合毎年割戻金として支払った掛金のおよそ20~30パーセントが戻ってくることもあるのです。
JA共済と県民共済、保障の違いはなにか?
JA共済と県民共済の保障の違いはその共済組合員の属性で違います。
県民共済の組合員はサラリーマンなどの一般家庭が対象で、生命保険や入院保険などの「ヒトの保険」と、火災保険や地震保険といった「イエの保険」を取り扱っています。
これに対してJA共済は「農業協同組合員」が対象になり、農業に従事する人達に向けて「ヒトの保険」、「イエの保険」に加えて、「クルマの保険」を取り扱っています。
また、同じ「ヒトの保険」だけを見ても商品ラインナップが大きく変わります。
- JA共済:終身生命保障、養老型、学資型、医療、がん、介護、就労不能、年金型など様々な商品がある
- 県民共済:一つの商品の中に入院、手術、死亡など様々な保障がオールインワンで入っている
掛け金の違いで選ぶJA共済と県民共済
JA共済も県民共済も掛け金が安い事で知られています。普通の保険会社の保障内容とほぼ同じような保障を受けられ、保険会社の掛け金よりも安く設定されています。
JA共済と県民共済の掛け金は、同じ保障内容であればほぼ同じ金額になります。以下に同じような保障内容の保険2社とJA共済、県民共済の掛け金を表にしました。
※シミュレーション年齢25歳男性
医療保険
| JA共済 | 県民共済 | O社 | M社 |
65歳以上まで保障:入院給付額1日5,000円以上:給付日数60日以上:手術給付金10万円以上 | 3,936円 | 3,000円 | 5,505円 | 5,092円 |
保険会社の額に比べても大きな違いがありますね。また、先ほども紹介した割戻金の存在も忘れてはいけません。決算時に共済掛金の30%程度が年度末に戻ってくる場合もあります。
支払った金額から30%も戻ってくることを考えれば、実質2,000円代の保険支払い料ということになりますね。
女性の保険にも手を抜かないJA共済と県民共済
JA共済も県民共済も女性特有の病気に対する保険を完備しています。
保障特約を付与することで、他の保険会社と同程度の保険金が支払われます。以下に女性特有の病気に対する保険の比較を表にしました。
※シミュレーション25歳女性
女性用医療保険(終身がん保険65歳払込済) | JA共済 | 県民共済 | F社 | A社 |
診断一時金20万円:入院1日1万円:手術40万円(入院)&10万円(外来):放射線治療20万円:がん治療100万円 | 3,195円 | 5,000円(総合・入院保障+新がん特約+医療特約)※保障期間は65歳まで。特約は80歳まで。 | 8,606円 | 5,749円 |
女性特有の万が一の病気に対しては他の保険会社も強く力を入れていますが、掛け金の安いJA共済や県民共済であってもしっかりとしたサポートをしてもらえるのは嬉しいですね。
JA共済or県民共済、ちゃんと比較して選んでいますか?
県民共済は、その加入したい県に属してさえいれば加入できます。(一部県民共済が無い県もあります。)
JA共済は基本的に組合員が加入対象ですが、組合員以外でも共済に加入できる「員外加入」という制度があります。
私もJA共済のクルマの保険に加入していますが、員外加入だからといって、共済掛金は組合員と大きな違いはありませんでした。
どちらも加入するのに敷居が高いと思っているかも知れませんが、実際にはどんな人に対しても門戸を開いているということです。
JA共済と県民共済のデメリット
県外への引っ越しでは手続きが煩雑になる
JA共済でも県民共済でも加入にあたってはその都道府県のJAか共済生協の組合員になる必要があります。
そのため、都道府県をまたぐ引っ越しの場合はいったん加入していた組合を脱退し、引っ越し先で新たに組合員として加入しなおさなければならないため、普通の保険よりも手続きが煩雑になってしまいます。
JA共済と県民共済は65歳以上には不向き?
JA共済と県民共済には共通したデメリットがあります。
それが「高齢になった時の保障金額が下がる」ということです。特に65歳を境目にその保障内容と掛け金のコストパフォーマンスのバランスが悪くなっていきます。
65歳以上で加入する場合は民間の保険会社の方がお得な場合もあります。例えば太陽生命の「組曲」などは高齢者向けに評価が高いのでシニア世代になる前に切り替えを検討するのもいいでしょう。
保障内容で選ぶならJA共済と県民共済を合わせても良し
JA共済と県民共済を組み合わせて加入することも出来ます。保障内容や予算を考えて、ヒトの保険は県民共済、イエの保険とクルマの保険はJA共済という組み合わせも可能です。
また、複合加入という方法もあります。保障内容と掛け金の安さを考えて、イエの保険だけ両方の共済に加入することも出来ます。
働き盛りにおすすめなJA共済と県民共済。ただ切り替えのタイミングは早い方がいい
このようにJA共済と県民共済ともに掛金が安く割戻金もあるというメリットがある一方、高齢になると急に保障内容が悪くなるというデメリットがあります。
それを踏まえた上でお勧めなのが20代から30代までの経済的に苦しい時期は共済でカバーし、収入が増えてきたあとは保障がより手厚い民間の終身医療保険に切り替えるという方法です。
例えば医療の備えで考えるこのようになります。
20歳~40歳までの保障/月保険料 | 20~40歳までに支払った保険料総額 | 40歳~終身までの保障/月保険料 | |
県民共済 | 総合保障1型+入院保障2型 入院・通院・手術・先進医療付き、/月2000円(割戻率がおおよそ25%と仮定すると実質月額1500円) | 36万円 | O社の終身医療に切り替え/月3906円 |
O社の医療保険 | 終身医療保険 入院・手術保障付き /20歳時に加入で2047円 | 49万円 | 終身のため月2047円 |
このようにすることでお金がかかる若い時期は保険料を安く抑えることが出来ます。
ただ注意なのが壮年期以降になって終身保険に切り替えると年齢が上がれば上がるほど終身保険の保険料が上がってしまうリスクがあります。
よって、収入と保険料のバランスを見ながらどのタイミングで切り替えるのがベストか保険の専門家に相談してみるのが一番得策と言えるでしょう。