プルデンシャル生命のドル建て保険を解約できない?!知っておきたい仕組みと為替
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プルデンシャル生命のドル建て保険を解約できない!?
米ドルの高い金利に魅力を感じてプルデンシャル生命でドル建て保険に加入したものの、なかなか解約できないという状況に陥っている人が増えてきているそうです。
正確に言うと、プルデンシャル生命ドル建て保険といえども解約しようと思えばできるのですが、解約してしまうことで大きな損失を被ってしまうことになるため、損失を確定したくなくて解約できない、という状況のようです。
我が国日本においては、日銀のマイナス金利の影響により、円建ての貯蓄性保険のパフォーマンスが大幅に下がってしまい、消費者は日本円から逃げるようにして、保険会社はこれみよがしに外貨建て保険の販売チャンスとして、ドル建て保険の販売件数は年々上がっていることも事実です。
しかし、予定利率や積立利率だけに目を奪われてしまい、生命保険で貯蓄を行うという仕組み的なデメリットを深く考えずに、気軽にドル建て保険に加入してしまっている方がほとんどなのではないでしょうか。
今回は、プルデンシャル生命でドル建て保険に加入するデメリットについて、「解約難民」の存在の観点から、述べていきたいと思います。
プルデンシャル生命のドル建て保険の仕組み
このブログサイトでは、幾度となくドル建て保険の仕組みについて言及しているので、今回の論点に関係のある仕組みについて、簡単に触れておきます。
ドル建て保険は、毎月(半年・年含む)の保険料を、その時点での為替レートに円を換算して支払うことになるため、実際に支払う日本円での保険料が変動します。
運用自体はドルで行われていきますが、死亡保険金や解約返戻金は、あくまでドルがベースとなっており、その時点での為替レートで円に換算されるため、こちらも日本円ではいくらもらえるかは為替レート次第ということになります。
ドル建て保険は、加入から原則「2年間」は、解約返戻金が立ち上がらないため、2年以内に解約してしまうと、1円すらお金が戻ってきません。(要するにプルデンシャル生命ドル建て保険は1年未満で解約することは損でしかありません。)
これらの仕組みが、ドル建て保険を解約したくとも解約できない、「解約難民」を生み出しています。
ただ毎月の支払が困難という人も中にはいると思いますので、プルデンシャル生命の解約したい場合はコールセンター(カスタマーセンター)で対応可能です。
人間の心理を突いたプルデンシャル生命のドル建て保険のセールス
プルデンシャル生命で取り扱っているドル建て保険は、主に「返戻率」の高さに魅力を感じて加入したという方が多いです。
主に、「米国ドル建終身保険」と「米国ドル建リタイアメント・インカム」という2商品が主力となっているようですが、どちらも、支払った金額に対して110%~180%の返戻率で、お金が貯まるという仕組みです。
あくまで年利ではなく返戻率なのですが、この驚異的な数値を突き付けられると、将来の貯蓄としては非常に魅力に映ることでしょう。(年利では実は大したことないパフォーマンスなのですが。)
同時に、将来の年金不安の話を織り交ぜられると、死亡保障と老後資産の形成が同時に図れるのであれば…とすんなり契約してしまう人が多いようです。
「貯金だから」と、平気で日本円にして月2万~5万円も、勢いで契約してしまう方も多いと聞きます。
原因は高額な保険料を支払い続けることの限界
プルデンシャル生命との商談時には、このドル建て保険に加入すれば将来の老後生活も安心と思い、ちょっと高い保険料でも「その場」は大して考えず、契約してしまうでしょう。
しかし、結婚、子供の誕生、住宅ローン、子供の学費、緊急の治療費などなど、人間の人生は、年を追うごとに様々な支出が発生していきます。
プルデンシャル生命で契約している方は、普通に月5万円もの保険料を支払っている方も多いのですが、この保険料は、ライフスタイルに変化があっても、変わることがなく支払っていかなければなりません。
保険料の高さを感じるきっかけとしては、やはり「住宅ローン」や「子供の学費」など高額な支出が必要になったときが多いですが、加入から数ヶ月で、限界を感じる方も少なくないそうです。
プルデンシャル生命ドル建ての解約難民の誕生
保険料を支払い続けていくのが厳しいとなると、解約せざるを得ない状況になります。
しかしドル建て保険は、上記でも説明した通り、加入から2年以内の解約ですと1円すらお金が戻ってこない、また2年以上経過していても、解約返戻金がそれほど立ち上がっておらず、大きな損失となってしまうため、もし解約してしまうと、大きな損失を抱えてしまうことになります。
また、解約を考えた時点での為替レートの影響を受けるため、想定していた為替水準ではなく、為替によって大きな損失を被ってしまうという状況になり、損してまで解約したくない、と続けざるを得ない方も大勢いらっしゃるようです。
ドル建て保険に限らず、貯蓄性保険のメリットは、どんな経済的な状況であろうが、決められた何十年間という期間、保険料を支払いきってはじめて、その恩恵を受けることができます。
つまり、生命保険の仕組みである「長期間の資産の拘束」を、経済的困難な状況にあっても、強いられることがデメリットと言えます。
救済措置として払済保険という手段もあるが…
保険料の支払いをストップし、以降はこれまでの支払ってきた保険料を原資に、保障と貯蓄を継続できる仕組みとして、「払済保険」という仕組みがあります。
プルデンシャル生命でドル建て保険に加入している方で、このブログを訪れた方であればその仕組みもご存知かと思いますが、あくまで、この「払済保険」という仕組みは、あくまで「応急処置」でしかありません。
支払ってきた保険料を無駄にせず、なおかつ、損失をカバーできるまで、手続き後に放置することができます。
しかし、5年そこらしか支払ってきていない保険料に対して、何十年と寝かさなければならないため、資金を拘束される事実に変わりはありません。
解約、減額、払済保険に切り替えるくらいであれば、保険は保険、貯蓄は貯蓄と、しっかりと切り分けて、最初から加入しておいた方が、何倍もお得でしょう。
老後生活は現在の生活があってはじめて成り立つもの
老後のための資産形成としてのドル建て保険、老後のために多少無理してでも多く貯めておきたいという心理も分かります。
しかし、貯蓄性のドル建て保険は、何十年という長い期間に渡って保険料を支払い続ける必要があります。
資産形成のために生命保険を活用するという手段は、今後のライフスタイルの変化により、ほとんどのケースで限界が訪れ、プルデンシャル生命ドル建て保険の解約を検討するときがきます。
老後生活は、現在の生活を真っ当に送ることができてこそ、訪れるものです。
いずれ、解約や減額、払済保険などに切り替えるくらいであれば、保険はあくまで最低限の死亡保障として、貯蓄は貯蓄として、切り分けて考える必要があるのではないでしょうか。
どうしてもプルデンシャル生命の保険を解約したい!方法・必要書類について
いつかは解約すると思って加入した外貨建て終身保険でも、為替の状況によっては解約することも決断できない状態になるでしょう。
しかし、まとまったお金がプルデンシャル生命の保険にしかない場合は、どうしても解約せざるを得ませんよね。
プルデンシャル生命の保険を解約する方法について詳しくみてみましょう。
解約手続き方法
連絡をする
プルデンシャル生命の保険を解約する場合、書類による手続きを希望するときには、担当ライフプランナー(担当者)またはカスタマーサービスセンター(コールセンター)に連絡します。
カスタマーサービスセンターに連絡するときには手元に証券番号が判るもの(保険証券の他に郵便物など)を用意し、契約者の方が電話をかけるようにしましょう。
以前、元外資系保険会社に勤めていたセールスマンに聞いたところ、カスタマーサービスセンターに解約する旨を伝えると、担当者にばれると嫌だなぁと思う人でも基本的に担当者に連絡が行くと聞きました。
もしも、担当者に伝えてほしくない場合はカスタマーサービスセンターで伝えないで欲しい旨を示すことが肝心です。
もちろん、担当者はペナルティを受けてしまう場合など解約してほしくないと、必死で解約を止めにくる可能性があります。
多くの代理店の営業マンと話していますが、この解約時の引き留めも人によるというところが大きいようです。
顧客が少ない営業マンなどはやっぱり、引き留められることがあり得ます。
書類の送付・書類の提出
解約したいという連絡がプルデンシャル生命に伝わると登録している住所に書類が送付されます。
その書類に必要事項を記入し、担当ライフプランナーに渡すか、カスタマーサービスセンターに返送します。
無事に解約手続きが完了
解約書類に不備がなければ、手続き完了後、手続き完了のお知らせが届きますので、そちらで解約が完了します。
もしも、解約返戻金や年払い保険料の返還、月払い保険料でも解約するタイミングによっては先月分の保険料の振り込みなどがあります。
こちらは契約者本人名義の銀行口座のみになりますので、ご留意ください。
また残念なことにインターネットで解約手続きを完了したり、電話だけで解約が完了するということがありませんので、どちらにしろ、電話と書類が必要になることを覚えておきましょう。
保険を解約できないジレンマについてのまとめ
保険料という支出をこれ以上支払いたくないという現状の中で、辞めるに辞められないことほど、悲しいことはありません。
ドル建て保険は、常に為替リスクの脅威に晒されている商品ですので、自分の解約したいタイミングに為替レートが合わせてくれることもありません。
ただでさえ保険料が高いプルデンシャル生命のドル建て保険に、為替リスクを背負うということは、いばらの道をあえて突き進むようなものだと思えるのは私だけでしょうか。
生命保険は、何十年という長期間にわたって、あなたの大切な資産を強制的に拘束します。
何度も言いますが、保険は保険、貯蓄は貯蓄と、しっかりと切り分けて考えるべきだと感じます。