住友生命の『積立ファンド』とは
目次
住友生命 の『積立ファンド』と『保険ファンド』
冒頭から少し辛口の書き出しになってしまうのが住友生命 『積立ファンド』です。現在、住友生命 『積立ファンド』に加入されている方も多いと思います。
私自身、保険のプロとしてパンフレットや資料・実際住友生命に勤務している方からのヒアリングを基に記事は作成しているのですが、『積立ファンド』と『保険ファンド』、呼び名が混在していて非常に分かりにくいのです。
これは非常に危険で、その言葉の差で全く違う商品に加入してしまう、ということもあります。
住友生命 の『積立ファンド』と『保険ファンド』の差
住友生命 の『積立ファンド』と『保険ファンド』は同じ意味であり差はなく「積立利率変動型終身保険」という保険商品です。更に簡単な説明で言うと『保険と投資信託』とが混ざっているものと考えると分かりやすいでしょうか。
住友生命 の『積立ファンド』は『保険ファンド』も同じなのですが、同じような保険種類の『積立利率変動型終身保険』も『積立利率変動型終身保険』とは全く違う商品です。
住友生命 の『積立ファンド』『積立利率変動型終身保険』の特徴
住友生命の積立ファンド(積立利率変動型終身保険)の特徴は、積立の利率が変わるという部分です。そして、利率が変わる要因は景気の動向です。
簡単に言えば、「景気が良いと通常の終身保険よりも積立利率変動型終身保険の方が利率は高くなり解約返戻金も増える」という商品です。
増えると言い切れないが減らないのも特徴
最低利率保障が適応されるので、大きな天災が起こり急激な景気の変動があった場合は「最低利率保障の適応で資産を守ることができる」というのが売りです。
しかし、終身保険よりも割高な保険料であることと、セールスの売り文句が「資産が何倍にもなる」といった言い回しがあるので誤解を生みやすいとも言えます。
実際、上がり下がりを均して考えることと解約返戻金を受け取る際などの諸費用等のことを考えると、景気はドンドン良くなる確信が必要でしょう。
景気を読むことは難しい
「東京オリンピックで景気は良くなるでしょう」と良く聞きますが、東京オリンピックの前に大規模な天災などが起こった場合はどうでしょうか。
東京オリンピックの後でも同じことが言えるので、景気の波を読むことは相当難しいと言えます。
景気の波に自分の資産を置くか、というリスクもしっかり検討しなければならないと言えます。利率保障があったとしても終身保険より保険料が高いことも忘れてはなりません。
契約時に『景気が良くなる』と確証が持てなければ、通常の終身保険がお勧めです。
生保セールスは投資のプロではない
生命保険のセールスはアナリストではありません。生命保険の商品も大多数の方は自社商品のことしか詳しくないのが現状です。
『保険の見直し』などを推奨する複数の保険会社の商品を扱う代理店は比較的知識は多いかもしれませんが、そこにもやはり裏話はあるものです。(今回は話題が変わってしまうので別の機会にさせてもらいます。)
生命保険のセールスに「日本の現金の価値は海外と比べてどうなのか?」と質問をしても、的を得る返事は返ってこないでしょう。保険商品の中ではお勧めかもしれませんが、別の分野の投資ではもっとリスクヘッジ(資産を守る)することのできる手段はあるかもしれないということです。
見比べるなら『低解約返戻金型終身保険』
『低解約返戻金型終身保険』は同じような聞こえですが、『積立利率変動型終身保険』の特徴である景気の動向は関係なく、長期間保険料を払い続けることで多額の保険金を受け取ることができるのが特徴です。その代わり、契約後にライフスタイルの変化などで早期に解約すると損が出るのが注意点です。
しかし「なぜ投資信託の部分がないのに増えるのか」という疑問が生まれます。
保険会社は『金融機関』であることを再認識する
前のタイトルの疑問の答えは『保険会社も銀行のように保険会社自体が運用をしている』ということです。むしろ、「銀行にお金を生活費を出しに行こう」とはしますが、保険会社に「食費を出しに行こう」とならないのがポイントと言えます。
保険会社は月払いも含めコンスタントに保険料として現金が入ってきます。保険会社の資金源は銀行より安定しているのが金融業界の知られていない部分です。そして、その安定した資金を基に運用した実績が『低解約返戻金型終身保険』で払った保険料の返戻金に上乗せされるということです。
住友生命 『積立ファンド』は自己責任。
総評すると、住友生命 の『積立ファンド』は最高の保険設計のできる営業マンから入ってもお金が増えるかは景気次第であり、セールストークに乗せられて加入するのはリスクが大きいといえます。
住友生命 の『積立ファンド』を活用するのであれば、今後の景気は「良くなっていく」或いは「良くならなければ仕方ないが、良くなればラッキーだ」という、はっきりした考えを持った上で加入することをお勧めします。
逆にそこまで知らずに加入してしまった場合は、保険の見直しも含めて心配や不安を解消する方法が保険商品以外にも多く存在しますので慎重に検討してみましょう。