売り止めになってしまったあんしん生命の長割り終身を振り返る

ほけんケア~ドル建て保険も理解できた!保険について本気出して勉強した主婦のブログ

子供のための貯蓄型学資保険の検討からドル建て保険の存在を知り、様々な保険を勉強してきました。複雑でわかりにくい保険に関する内容を少しでも理解しやすくなるためのブログです。

売り止めになってしまったあんしん生命の長割り終身を振り返る

   

 あんしん生命の長割り終身の売り止め

割安な保険料と高い返戻率で知られていた東京海上日動あんしん生命の長割り終身は、2016年10月以降売り止めとなってしまい、同社の貯蓄性商品のラインナップからは消えてしまいました。

元々あんしん生命の貯蓄性商品は、こちらも既に販売停止となっている個人年金保険を筆頭に、非常に高い利率のものが多く、高い人気がありました。

日本銀行によるマイナス金利政策による保険会社の運用難は、こうした魅力ある商品を続けるための体力を根こそぎ奪ってしまい、他社も含め貯蓄性商品が次々と販売停止となってしまっています。

既に新規加入することができない商品ではありますが、既存の契約者も多数いらっしゃる状況を鑑み、その中身について振り返ってみたいと思います。

売り止めになったあんしん生命の長割り終身の特徴

あんしん生命の長割り終身は、「5年ごと利差配当付低解約返戻金型終身保険」のペットネームであり、保険料払込期間中の解約返戻金が抑制された終身保険です。

類似商品にはオリックス生命の終身保険「ライズ」があり、死亡保障と老後資金の形成を兼ねることができる、非常にシンプルな仕組みの終身保険となっています。

長割り終身に限らず、低解約返戻金型の商品は、保険料払込期間中の解約返戻金を抑制しているため、その分保険料が割安になるという特徴があります。

反面、保険料払込期間中に解約してしまうと、解約返戻金が本来の貯まりよりも抑制されているため、支払った保険料を大きく下回る金額しか返ってこないことに注意が必要です。

そのかわり、保険料払込期間までしっかりと保険料を納めることができれば、今まで抑制されていた分、解約返戻金は大きく増加することになります。

売り止めになったあんしん生命の長割り終身のメリット

あんしん生命の長割り終身は、円建ての終身保険ではトップクラスであるオリックス生命の終身保険ライズに匹敵する保険料水準と解約返戻率を誇っていました。

また、保険料払込期間を「10年払」から1年単位で細かく設定することができ、最長で「99歳払」までを選べることができます。

保険料払込期間が終了していることが前提条件となりますが、「年金支払移行特約」を付加することで、解約返戻金を一括ではなく年金受取りを選択こともできます。

詳細について解説していきます。

50代以降に最適な保険料水準と解約返戻率

あんしん生命の長割り終身は、20代~30代といった比較的年齢が若い方の場合、他社と比べると保険料も解約返戻率も実は劣っています。

この商品の真髄は、50代以降の方にあります。

50代以降から、一生涯の死亡保障を目的とした終身保険に加入する場合、長割り終身に優勢性が現れてきます。

保険料という点では、オリックス生命の終身保険ライズよりも若干高くなってはしまいますが、返戻率は長割り終身のほうが高くなるため、返戻率を重視したいという方にとっては非常に最適な商品となっています。

年金支払移行特約

一般的に、解約返戻金は一括受け取りが原則であり、解約の手続きをとった時点での解約返戻金がまとめて指定口座に振り込まれることになります。

しかし、この年金支払移行特約を付加することにより、将来解約した際の解約返戻金を、一括ではなく「年金受取」を選択することができるようになります。

選べる年金受取は、「確定年金」もしくは「保証期間付終身年金」のどちらかになります。

年金受取を選択することにより、一括で受け取る場合と比べて、トータルで受け取ることができる金額が大きくなるというメリットがあります。

まとまった資金が必要であれば一括受取を選択することができますし、老後の生活資金として使っていきたいのであれば年金受取を選択、というように状況に合わせて選べることができます。

あんしん生命の長割り終身の売り止めを受けて

50代~はもちろん、20代~30代でも、ベストではないにせよ、保険料も業界では安い水準かつ110%を超える高い解約返戻率を誇っていた長割り終身ですが、この商品の売り止めを受けて、50代以降の年配の方々の、終身保障への備えの選択肢が狭まってしまったことは、非常に残念でなりません。

人はいつか必ず亡くなる、亡くなるのであればほぼ必ず葬儀を行う、葬儀を行うには費用がかかる、人は「いつ」亡くなるか分からないからこそ終身保険に加入します。

自分がいつ亡くなるか分かっているのであれば、期間限定の保険料が安い「定期保険」で済むのです。

自分の後始末としての責任を果たすことができる終身保険ですが、あんしん生命の長割り終身の売り止めを受けて、円建てで保障を確保できる優秀な商品は、あとはオリックス生命の終身保険ライズ程度しか残っていません。

しかし、ライズに関しても、マイナス金利の影響により非常にパフォーマンスが悪くなってきており、当時と比べると非常に保険料が高くなってしまったため、必ずしも保険で準備する必要が失われつつあるのかもしれません。

売り止めになってしまったあんしん生命の長割り終身を振り返るのまとめ

あんしん生命の長割り終身がまだ販売を継続していた頃から非常に優秀な終身保険の1つとして注目していましたが、売り止めという結果になってしまったのは残念です。

現在継続して契約していらっしゃる方は、保険料面で問題がなければ、ぜひとも続けていただく価値がある商品だと思っています。

願わくば、状況が変わり、終身保険の選択肢としての1つとして、当時の立場が復興していただきたいものです。

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