楽天生命のスーパー2000と県民共済がなぜ比較されるのか?「あの会社」について触れざるを得ない感情が沸き起こる

ほけんケア~ドル建て保険も理解できた!保険について本気出して勉強した主婦のブログ

子供のための貯蓄型学資保険の検討からドル建て保険の存在を知り、様々な保険を勉強してきました。複雑でわかりにくい保険に関する内容を少しでも理解しやすくなるためのブログです。

楽天生命のスーパー2000と県民共済がなぜ比較されるのか?「あの会社」について触れざるを得ない感情が沸き起こる

   

楽天生命のスーパー2000と県民共済を比較する過程において

楽天生命には、県民共済と似たような商品性の保険があり、多くのサイトでは比較検証が行われ、どちらが良い・悪い、といった意見が飛び交っています。

死亡保障・医療保障・がん保障、加えて健康還付金も付いてくるその商品は、スーパー2000という商品であり、年齢問わず月々2,000円の保険料で保障を確保することができる商品です。

しかし、県民共済と同様に、年を重ねるにつれて保障が先細りし、最長で65歳までが保険期間となっており、それ以降は保障が消滅することになります。

当ブログでも、楽天生命のスーパー2000と県民共済を比較検証する内容で記載しようと思いましたが、多数のサイトで既に様々な意見が存在している背景があり、かつ、「楽天生命」と「共済」というワードを聞くと、どうしても「とある会社」の存在について触れざるを得ない感情が沸き起こってしまいました。

それは、楽天生命の起源にも関わる話であり、今から述べさせていただく事実を持って、楽天生命という会社がどのような背景で生まれ、そしてどのような会社の流れを組んでいるのか、読者に対してあくまで「一つの考え方」として提示させていただきます。

楽天生命の起源:エキスパートアライアンス社→アイリオ生命→楽天生命

楽天生命の起源をたどると、エキスパートアライアンス株式会社が販売していた「無認可共済」が大きく関係してきます。

無認可共済は、無認可とは言えども、保険業法などの規制を受けない共済というだけであり、違法という訳ではありません。

法律の規制を受けないために、このエキスパートアライアンス社は、独自の共済をいわゆる「マルチ商法」の手法で販売を行っていました。

現在の保険業法は、保険販売のための募集人登録なしに保険販売を行うことを禁じていますが、無認可共済であれば、誰でも販売を行えるため、マルチ商法が可能だったのです。(マルチ商法はネズミ講ではないので、マルチ商法自体が禁じられているわけではありません。)

マルチ商法ですから、ネズミ講と同様に、加入者を増やせば増やすほど、上位者の収入が増えていくシステムのため、当時はトラブルが多発していたようです。

エキスパートアライアンス社のロードサービス「JAWS」

エキスパートアライアンス社は、ロードサービスで有名な「JAF」のようなサービスを受けられる「JAWS」というサービスを販売し、このサービスに会員登録を行った人が、共済に加入することができる仕組みとなっていました。

その共済加入者が、自分の知り合いなどに共済を紹介し、「JAWS」に加入することで、こんな素晴らしい共済に加入することができる、と売り込みをかけ、そして新たな加入者がまた自分の知人に紹介し…とまさにマルチ商法的な手法でした。

なぜこんな回りくどい手法と取ったかというと、当時の無認可共済は、不特定多数に対して共済の募集行為を行うことができず、ある特定の会員組織に対してのみ行うことができた、という背景があります。

「JAWS」に会員登録を行った者たちを「組織」とすれば、その組織内であれば共済の募集が行えるわけです。

共済の販売が主目的であったため、ロードサービスが目的にもかかわらず、中には自動車免許を持っていない会員もいたようです。

アイリオ生命の誕生

多発しているトラブルを背景に無認可共済への規制が強化されることになり、エキスパートアライアンス社は、保険業法の規制を受ける「生命保険業免許」を取得し、アイリオ生命が誕生しました。

今までの販売手法であり、募集人登録がない無資格者による販売が横行していた「マルチ商法」は、保険業法においては禁じられているため、「マルチ商法」からの脱却を余儀なくさせれれた形になりました。

また、エキスパートアライアンス時代の共済契約は、約90万件という膨大な数が存在しており、アイリオ生命が誕生したと同時に、「マルチ商法」で販売が行われてきた「約90万件」という契約も、そっくりそのままアイリオ生命へ継承されました。

エキスパートアライアンス社のDNAを引き継いでいるアイリオ生命が、今後どのような展開になっていくのか、当時は注目の的の一つでした。

楽天との資本・業務提携

2010年、かの楽天がアイリオ生命と資本・業務提携を行うことを発表、楽天はアイリオ生命の株式を取得、持株比率33.8%(議決権保有比率は14.9%)で合意しました。

この段階ではまだ「買収」ではなく、業務提携レベルであり、持株比率も3割(これも多い割合ですが)に留まっています。

その後、アイリオ生命の既存株主から株式譲渡などを通じて、議決権保有比率を33.9%まで増やし、アイリオ生命は持分法適用関連子会社となります。

楽天の思惑としては、インターネットで申し込みができるネット保険の展開を図ったもの、同社のwebサイトで申し込んだ顧客を、アイリオ生命の提携代理店へ紹介を行うなどの、ネットと生命保険の融合を狙ったのでしょう。

楽天によるアイリオ生命の買収

その後、2012年10月、楽天がアイリオ生命の株式を追加取得するニュースが流れ、議決権保有割合も87.8%と大幅上昇、実質的な連結子会社化されることになります。

そして2013年4月1日、アイリオ生命は楽天生命へ社名変更し、現在に至るというわけです。

もちろん、「マルチ商法」で大量に販売されたエキスパートアライアンス社の共済契約も、アイリオ生命→楽天生命へすべて継承され、楽天生命によってその契約が継続されています。

楽天生命とエキスパートアライアンス社・アイリオ生命

「マルチ商法」自体は違法行為ではないため、マルチ商法を販売手法としている会社に対してとかく言うつもりはありませんが、感情的な部分としては、やはり嫌悪感を抱いてしまいます。

楽天によるエキスパートアライアンス社のDNAを継承するアイリオ生命との資本提携、子会社化、そして楽天生命の誕生。

完全子会社化ではないため、楽天生命にはまだエキスパートアライアンス社の関与が残っているのでしょうか。

それとも、完全にエキスパートアライアンス社のDNAは排除されているのでしょうか。

生命保険という「安心」を得るための商品に、あくまで個人的な意見としては、余計な不安材料が残る会社は控えたいと考えます。

楽天生命のスーパー2000と県民共済の比較

楽天生命のスーパー2000と県民共済の比較という点だとどちらも「保険料」ばかりに関心が集まってしまいがちですが、はっきりいってどちらも保障としては不十分です。

どちらも一生涯手厚い保障を確保できる商品性ではなく、保障が先細りし、保険を使う可能性が高くなる高齢期においては、全くと言ってよいほど役に立ちません。

あくまでメインとなる主契約を別でしっかりと確保し、一定期間の保障を手厚くするという目的であれば、どちらも月2,000円ですから、好きなように選んでよいのではと感じます。

どちらも決して「メイン保障」とはなり得ない保障額ですので、保険料ばかりに目が行ってしまっている方はご注意ください。

楽天生命のスーパー2000と県民共済の比較を行おうとした過程の中で「あの会社」について触れざるを得ない感情が沸き起こる、のまとめ

楽天生命の誕生の流れについて解説してみました。

かく言う私は、過去にエキスパートアライアンスの共済をめぐり、不快な思いをした一人であったため、たとえ楽天生命という新会社であったとしても、身構えてしまいます。

会社の評判は関係ない、商品が良ければそれでいいんだ、という方は、どうぞ私の申し上げることは気にしないでください。

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