結局は更新型の仕組みで苦しむことになる太陽生命「保険組曲Best」のデメリット
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デメリットだらけの太陽生命の保険組曲Best
大手保険会社は数年おきに名前を変えては同じような仕組みの保険を販売していますが、太陽生命の現在の主力商品である保険組曲Bestも、デメリット以外の何があるのかと思ってしまうほどの仕組みとなっています。
自分のニーズに合わせて必要な保険を「組み合わせる」ことができるというのが特徴であるようですが、別に今となっては保険組曲Best固有の特徴ではなく、日本生命の「みらいのカタチ」も同じようなことをアピールしていますし、そもそも「根本的」な仕組みが、残念ながら終わっている保険であると言えます。
これは、保険組曲Bestという商品そのものが悪いわけではなく、むしろ「保険会社や販売員の質」の問題であり、契約者の無知に付け込んだ、悪徳商法と思ってしまうほどです。
今回は太陽生命の保険組曲Bestがなぜオススメできない商品なのか、実際の営業現場でよく見られる「提案内容」を例に取りながら、解説していきたいと思います。
保険組曲Bestの更新型の仕組み
太陽生命の保険組曲Bestをはじめ、よく聞く有名所の保険会社が提案してくる保険には、「更新型」の仕組みがほとんど織り込まれています。
更新型とは、保険期間をたった「10年間」や「15年間」という非常に短い期間を設定し、加入からその年数が経過すると、一旦保障が「終了」し、そしてその時点での年齢で改めて保険料を再計算し、同じ保障を同じ期間延長する、つまり「更新」していくことになります。
保険期間が「10年間」や「15年間」という短い期間を想定した保険料計算となっているため、一生涯の保障期間の同内容と比べて、「保険料が安くなる」という特徴があります。(解約返戻金などもあってもごくわずかになります。)
もちろん、加入当初から保険期間を長く、それこそ「終身」という期間での設計も可能ですが、そうすると保険料が高くなってしまいます。
つまり、契約者が見かけ上の保険料の安さから「契約しやすい」ことを狙って、「あえて」更新型の設計を営業員が行っていることになります。
上がり続ける保険料
保険組曲Bestの加入当初の保険料は、保険期間がたった「10年間」や「15年間」を前提として計算されているため、非常に安いと思える金額となっています。
しかし問題は、更新を迎えた段階の年齢で再計算される保険料の上昇にあります。
更新を迎えるたびに保険料が上がっていく仕組みとなっており、年齢が上がれば上がるほど、想像以上の保険料上昇率となっていきます。
一般的にどの程度保険料が上がっていくのか、「20代→30代→40代→50代→60代…」のそれぞれで更新を迎える仕組みであれば、当初の保険料の「1.5倍→2倍→4倍→6倍…」くらいの勢いで上がっていきます。
ほとんどの方が、とてつもなく上がってしまう保険料を支払いきれるわけがなく、今まで支払ってきた保険料を「保険会社に貢いで」、辞めるという選択肢を取らざるを得なくなるようです。(ほとんど方が「更新のお知らせ」というハガキを見て「この保険何かおかしい」、と気づくようです。)
更新期間の制限
一般的に医療保障などは、自分が亡くなるまで、つまり「終身保障」を希望されるのではないでしょうか?
しかし、更新型の仕組みがとられた保障は、どんなに更新できても、最長「80歳」となっていることがほとんどです。
80歳という高齢期までクソ高い保険料をなんとか耐えて支払い続けても(現実的には難しいとは思いますが)、結局80歳になった時点で更新ができなくなり、それ以降は完全に「保障が消滅」します。
「80歳以降は無保険でお過ごしください」
これが更新型保険の恐ろしさです。
保険組曲Bestが悪い商品というわけではない!?
誤解のないように説明しますと、保険組曲Bestという商品が悪いというわけではありません。
問題は、こうしたデメリットを理解しているにもかかわらず、「あえて」更新型の仕組みを提案してくる「販売員」ならびに「保険会社」のスタンスにあると思います。
更新型ではない仕組みを提案しよう思えばいくらでもできます。
しかし、「売りづらい」「利益が出づらい」などといった、顧客に全く関係のない論理が働き、「売るだけ売ってあとは知らない」「どんな老後が訪れようが関係ない」といった思考回路を持っているとしか思えません。
ただ、仮に更新型ではない仕組みで提案されたとしても、定期保険などの死亡保障や疾病に対する医療保障「そのもの」を単品で見たときに、他社の商品と比べて優れているとも思えませんが。
結局は更新型の仕組みで苦しむことになる太陽生命「保険組曲Best」のデメリットのまとめ
更新型の仕組みによる保険料に苦しみ始めるのは、40代後半や50代の契約者が多いようです。
その年代は、お子様の進学時期に差し掛かっており、膨大な費用がかかる時期です。
前向きに言うのであれば「その時点で更新型保険の問題に気づけた」かもしれませんが、その年齢で新たに他社で保険に入り直そうとすると、十分な保障を確保するのであれば、高い保険料を覚悟しなければならなくなります。
仮に疾病などを発症してしまっている場合、新たな保険加入資格を喪失してしまっている可能性すらあります。
太陽生命のみならず、日本生命、第一生命、住友生命、明治安田生命、このあたりで保険に加入している方、加入を検討している方は、考え直されたほうが良いと思います。