保険商品の積立利率と予定利率の違いとは?金利との違いなど仕組みを詳しく解説
積立利率と予定利率
生命保険には、満期金や解約返戻金に影響を与える「積立利率」と、保険料に影響を与える「予定利率」とう用語がありますが、この2つについてみなさんは正しく理解しているでしょうか。
この記事では、積立利率と予定利率、また金利との違いについて詳しく解説しています。
これから生命保険を検討している人は、どのような保険を選んだらいいかがわかるようになると思いますので、興味のある人は是非参考にしてみてください。
積立利率
積立利率とは、終身保険や個人年金保険、養老保険などの積立て型の保険において、契約者が支払った保険料の中の積立て部分に適用される利率の事です。
契約者が支払う保険料は、すべてが積立て部分に回るわけではなく、①保険会社の利益部分、②給付金・保険金などの責任準備金、③満期金・解約返戻金などの積立て部分、の3つで構成されています。
この③の積立て部分に関して保険会社が運用して利益を出していますが、契約者に還元する利率を「積立利率」といいます。
積立利率と金利の違い
では、積立利率と金利の違いとはなんでしょうか。
それは、金利は預けたすべてのお金に対して適用される利率ですが、積立利率は保険料の一部にしか適用されない利率ということです。
積立利率は、支払った保険料の積立て部分のみ適用される利率なので、仮に保険料を100万円を支払ったとしても、そのうちの一部分しか積立利率は適用されません。
この点が、預入金の全額が運用に回される預貯金の金利との違いです。
予定利率
予定利率とは、保険会社が契約者から支払われた保険料から、人件費や諸経費などを除いたお金に対して働く金利のことです。
そのため人件費や諸経費などが大きく、残ったお金の総額が少ない場合は利率をかけても元本割れしてしまう可能もあります。
また、予定利率は保険料の設定に影響し、予定利率が高ければ運用利益が見込める(運用が成功しそうだという見込み)のでその結果保険料が割り引かれ、保険料は安くなります。
そして運用利回りが高くなれば高くなるほど解約返戻金は増えていき、上記のように保険料も安くなるので、返戻率も上がります。
しかしながら、日本国債は過去から現在に至るまでずっと下落を続けており、昔と比べると予定利率が低いため保険料が高く、解約返戻金も少なくなってしまっているのが現状です。
保険会社の運用先
保険会社は約束した保険金(死亡保険金や満期金など)をちゃんと払わなければならず、預かった保険料はより安全に、確実、有利に長期で運用していかなくてはなりません。
したがって8割以上を安全性の高い国債で運用しています。
国債で運用しているということは、国債の利回りがいいときは保険会社の運用も良くなり「予定利率」も高くなります。
保険会社は金融庁が定める「標準利率」を指標に予定利率を決めていますが、この「標準利率」も国債と関係しており、利回りが高いと「標準利率」は高くなり、利回りが低いと「標準利率も」低くなります。
最後にまとめ
いかがでしたか、積立利率や予定利率のことが理解できると生命保険を選ぶこともクリアになってくるのではないでしょうか。
保険会社の予定利率や積立て利率と預貯金の金利を比較して損得を述べる人もいまずが、根本的に違うので混同しないよう注意してください。
そもそも保険は万一の保障も兼ねているものなので、単純な数字だけを見比べて判断するのは早計といえるでしょう。