ユニットリンクに苦情が多いというのは本当なのか?誤解を招く商品の仕組みを解説
ユニットリンクへの苦情
アクサ生命の「ユニットリンク」は、死亡や高度障害への保障を準備することができる変額有期保険ですが、加入件数が多い分、苦情も多く散見されます。
運用状況を確認しながら資産作りを楽しむことができるのがユニットリンクの特徴ですが、投資ファンド(特別勘定)を毎月購入していく積立投資(ドルコスト平均法)を行っていることもあり、「投資信託」と錯覚している方も多く、苦情へ発展することもあるようです。
そこで今回は、ユニットリンクが何故批判されてしまうのか、誤解されやすい面などを解説します。
ユニットリンクは死亡保障に係る費用が高い
ユニットリンクの批判的意見の中に死亡保障に係る費用が高いという意見がありますが、この商品は保険ですから当然生命保険としての「死亡保障」が付いています。
契約者が毎月支払う保険料の30%前後は死亡保障などに充てられ、残りの70%前後が運用に回っているわけですが、契約者がこの事実を知ると「保険料が全部運用されてると思っていた」、「死亡保障は必要なかったのに」という批判が多くなったようです。
こうした批判を受け、アクサ生命では2016年6月頃からパンフレット表紙に死亡保障の文字を大きく入れるようにしています。
また、ユニットリンクに申込む契約者に対して、契約手続きのその場で保険セールスが「ユニットリンク」の申込専用コールセンターへ電話をし、オペレーターの人が契約者にいくつか質問をして正しい理解のもと契約しているかどうか確認を取るようにしているそうです。
ユニットリンクは元本割れするリスクがある
ユニットリンクの特別勘定は「日本株式型」「世界株式型」「世界債券型」「新興国株式型」など市場全体を対象としたものが多く、あまり動きの大きいものではないにもかかわらず、リスクがあることををよく理解していない契約者から「元本割れしたけどどうしてくれるんだ」というクレームも結構あるようです。
このようにななるべく元本割れを避けるラインナップであるにもかかわらず、苦情が出てしまう背景には、やはり保険セールスの説明責任に問題があるかもしれません。
保険という商品はそれぞれのライフサイクルにより、途中でメンテナンスなども必要になることも多く、長い付合いになりますから、契約の際は商品はもちろんですが、保険セールス選びもとても重要だということを認識しましょう。
ユニットリンクは保険セールスの手数料が高い
残念ながらユニットリンクは、保険セールスへの手数料が高い商品であることもあり、手数料欲しさにリスクを説明せず勧めているということもあるかもしれません。
しかしこの商品は複雑なので説明に時間もかかり、正直売りやすい商品ではないと思いますので、勧める側もそれなりの覚悟がないとできませんから、手数料が高いという理由だけで勧めているわけではないと思います。
投資経験があるなら自分で投資するのが一番だと思いますが、投資経験がなければユニットリンクはお手軽に始められる商品で、個人的は良い商品だと思います。
ユニットリンクは長期継続しましょう
ユニットリンクは変額有期保険という死亡保障商品なので、普通の保険商品と同じで最初の数年間はほとんど解約払戻金がありませんし、投資信託の手数料の他に保険手数料もとられていますが、すでにユニットリンクを契約していたとしても落胆する必要はありません。
満期になる前に運用実績が払い込み金額を上回る可能性もあるので、そのタイミングで解約すれば「単なるインフレ対策」としていたことになるだけですし、最低20年、できれば25年以上ユニットリンクを継続することができれば、元本割れの可能性はかなり低くなります。
元本割れのリスクを避ける一番の方法は、長期投資することに尽きますので、出来るだけ長く継続することをおススメします。