住友生命とソニー生命の提携は生保業界の衰退?
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住友生命とソニー生命の提携は生保業界も衝撃か
以前住友生命とソニー生命の提携で外貨保険についてお話しましたが、最近の為替変動も踏まえて今回の提携は成功だったのかどうかについて考えていきたいと思います。
2018年に住友生命はソニー生命と提携を結び、住友生命でもソニー生命の外貨建て保険を販売できるようにしたことでプルデンシャル生命等の外資系保険会社と肩を並べようとしました。
しかし、個人的に今回の提携は疑問点が残ることばかりです。
今回はそんな住友生命とソニー生命の提携に関わる生命保険業界のことや、ドル建て商品、そして経済動向と保険についてお話していきます。
生命保険業界は正念場
生命保険業界は損害保険業界よりも安定しているというように言われてはいましたが、ダイレクト型(通販型)の参入などもあり実際は相当加入者数、契約者数共に厳しいと考えられます。
正直、大手生命保険会社でも現在が正念場ともいえる状態です。
生命保険業界で思いの外強いのは損保系生命保険会社
損保系生命保険会社というのは、例えでいえば三井住友海上あいおい生命などです。
MS&ADグループの主力である三井住友海上の主な生命保険事業を担っています。
損保系生命保険会社の特徴はわかりやすい、保険トレンドを抑える・コスパです。
また割安な保険料でありながら、ダイレクト型と違いしっかり代理店数を抱えているため代理店の営業担当などと対面で話をしながら、保険の設計やアフターフォローを受けることができるのが特徴です。
保険商品の中ではガン診断一時金や三大疾病一時金などの特約は特に秀でていると言えます。
損保系保険会社・ダイレクト型に対抗するには外資の力がスミセイには必要か
住友生命とソニー生命の提携が発表されたのは昨年2018年の夏です。
外資系のドル建て系のノウハウを住友生命の新しいパワーにしたいという現れと、前回の記事でもお話した既存商品だけでは複数の競合に対抗がしきれないという心内を感じさせた発表でした。
しかし、ここで少しだけ気になるのはソニー生命との提携発表やそれよりも前は、日本の経済は円安でした。
外貨建て保険を検討するときに付きまとう「円安」・「円高」
本来ドル円の保険商品は円高時の契約、円安時の解約が一番利回りがいいとされています。
2019年早々に起きた急激な円高を除いて円高になることを予測していたのであれば住友生命とソニー生命は評価されるべきだと言えます。
しかし、そのフラッシュバブルと言われる2019年1月3日からの円高は、予測がほぼできないところから始まっています。
もしもそのことを予測せず業務提携に踏み込んでいたとしたら、住友生命は将来性への危機感は相当高かったと言えます。
住友生命とソニー生命の提携と経済トレンド
2019年早々のフラッシュバブルを始め、記事を書いている今日もまだ円高な相場感が続いている中『ドル建て』は去年の年末に比べ非常に良い利回りが確保しやすいトレンドだと言えます。
しかし、世界中で今様々な不安要因を抱え経済トレンドは短観では円高ドル安かもしれませんが、経済的不安を抱えています。
そんな中、『外貨勝負』を仕掛ける住友生命は不安が残ると言えます。
そして、住友生命という老舗生保会社が、外貨の強いプルデンシャル生命などとのいかに商品力や提案力で戦えるのか。
さらには損保系生命保険会社の更なる商品改定、ダイレクト型通販型の格安生保にどれだけ加入者のシェア、加入者のシェアを奪われないかが今後の注視すべき点だと言えます。