アフラックのがん保険に郵便局で加入するとデメリットが多すぎる理由

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子供のための貯蓄型学資保険の検討からドル建て保険の存在を知り、様々な保険を勉強してきました。複雑でわかりにくい保険に関する内容を少しでも理解しやすくなるためのブログです。

アフラックのがん保険に郵便局で加入するとデメリットが多すぎる理由

   

アフラックの保険が郵便局で加入できる?

郵便局で販売している保険(今ではかんぽ生命)には長い期間、がん保険の取扱がありませんでした。

そして満を持して販売されたかんぽ生命のがん保険は、なんと「アフラックのがん保険を郵便局が代理店となり販売する」という形になったのです。

郵便局前にもアフラックのポスターが貼られているのをご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかも、一般的なアフラックのがん保険ではなく、郵便局専用の「新生きるためのがん保険Days(JPオリジナルプラン)」(2016年8月当時はこれのみでした。)というものでした。

それから3年近くが経過し、かんぽ生命で取り扱っているアフラックのがん保険は「生きるためのがん保険Days1」(総合保障プランと治療重点プラン)と「生きるためのがん保険 寄りそうDays」の三つが加わり、JPオリジナルプランも少し名称を変えて、「生きるためのがん保険Days1(JPオリジナルプラン)の四つになります。

公式ページを見てもJPオリジナルプランという言葉を見つけることができなかったのですが、保障内容を選択し、保険料を試算するところまで行くとJPオリジナルプランというものが残っていました。

今回はなぜ郵便局でアフラックのがん保険が売られているのか?を皮切りに、昨今のかんぽ生命の保険の不適切販売について触れ、本家の「生きるためのがん保険Days1」との比較を行っていきたいと思います。

郵便局でアフラックの商品を販売している理由

これは日米間でTPPの合意書が交わされたときに、アメリカ側が、「かんぽ生命からのがん保険販売を許可したら、アメリカの保険会社の市場競争が不利になる」と判断したため、抑止力として郵便局で販売するがん保険をアフラックにするようにしたためだと思われます。

実際にアフラックは、日本国内で初めてがん保険を販売した会社ですし、日本国内でのがん保険シェアは85%にもなっていたこともあります。

そして、TPPへの影響を懸念して、もともと国営だったかんぽ生命のがん保険などの新しい保険商品については、日本政府は当面の間認可しないことになりました。

要するにTPP交渉の際に、郵便局のがん保険というものが政治的にも経済的にも交渉のカードとして切られたというわけです。

郵便局で販売しているがん保険の内容

以下のがん保険内容は、2016年当時のものです。

現在(2019年)のがん保険についてご紹介しようと思いましたが、この当時にこの保険内容で契約している方もいらっしゃると思いますので、この情報はこのまま残しておきます。

加入を検討中の方は、新しい情報を知った方がいいと思いますので、次章へお移りください。

というわけで、かんぽ生命では2014年8月からアフラックの「新生きるためのがん保険Days(JPオリジナルプラン)」を販売しています。

政治的な背景が見え隠れしていますが、このJPオリジナルプランというところに注視していただくとわかる通り、アフラックで販売している新生きるためのがん保険Daysと少し内容が違います。

「新生きるためのがん保険Days」の詳細な保障内容が知りたい方は、「アフラックのがん保険は安い?保障内容徹底比較!」の記事もおススメです。

違い① 診断給付金

(初めて「がん」「上皮内新生物」と診断確定されたとき)
一時金としてがん(1回限り)100万円、上皮内新生物(1回限り)10万円

違い② 入院給付金

(「がん」「上皮内新生物」の治療目的で入院したとき)
1日目から日数無制限で1日につき4,000円

違い③ 通院給付金

(「がん」「上皮内新生物」の治療目的で三大治療のための通院または入院後の通院)
三大治療のための通院は日数無制限、退院後365日以内の通院なら日数無制限で1日につき4,000円

違い④ 抗がん剤治療給付金

(「がん」の治療目的で所定の抗がん剤治療を受けたとき)
入院しなくても治療を受けた月ごと5万円他

 

アフラックで販売している新生きるためのがん保険では、日額5,000円から存在するのにJPオリジナルプランになると4,000円になるなんてランクの低いがん保険という印象ですよね。

しかも手術給付金や放射線治療、先進医療特約などはないので契約する場合は注意が必要です。

かんぽ生命で売っているがん保険に関する個人的な見解

どうしてこんな手薄ながん保険をかんぽ生命に受託販売するのか?といったところが気になったので自分なりに考えてみました。

保険などの商品を売るからには全く売れない商品を販売するなんてナンセンスですからね。

私の憶測ですが、こういった既存のアフラックのがん保険よりも割安な代わりに保障が薄い商品を売り出すことで、かんぽ生命は自社の「新ながいきくん」とセットで加入を促すつもりなのかなと感じました。

政治的な背景でがん保険を販売できなくなった不遇のかんぽ生命ですが、やはり自社の保険商品を売りたいに決まっています。

かんぽ生命の入院特約その日は、入院日額15,000円もつけられます(これは終身保険の基準保険金額によって変わります。)

この入院日額が高い商品とセットで加入してもらうことを見据えての、このがん保険の販売だと思いますね。

なお、新ながいきくんに関してはかんぽ生命の「新ながいきくん」にメリットはありませんをご覧ください。

かんぽ生命・郵便局で現在(2019年)に販売しているがん保険

2019年8月現在、かんぽ生命・郵便局で加入できるアフラックのがん保険は、がんに罹患したことがない方は以下の3つになります。

  • 生きるためのがん保険Days1:総合保障プラン
  • 生きるためのがん保険Days1:治療重点プラン
  • 生きるためのがん保険Days1:JPオリジナルプラン

アフラックのがん保険の特徴として、他社では類を見ない、過去にがん(悪性新生物)を経験したことがある方でもお申込みいただけるがん保険もかんぽ生命・郵便局で扱っています。

  • 生きるためのがん保険 寄りそうDays:入院給付金日額10,000円コース
  • 生きるためのがん保険 寄りそうDays:入院給付金日額5,000円コース

それでは、公式サイトでも「郵便局からお届けする[アフラックのがん保険]」と銘打っている生きるためのがん保険Days1の保障内容について、詳しく見ていきたいと思います。

生きるためのがん保険Days1:総合保障プラン

生きるためのがん保険Days1の総合保障プランの保障内容は、入院給付金日額を5千円、1万円~6万円と選択します。

診断給付金・特定診断給付金は、その入院日額における50倍が支払われます。

入院給付日額1万円ならば、がんと診断されたら50万円が一時金として受け取れるといった感じです。

これは今までと同じような感じなので、がん保険について勉強されている方にとっては簡単に理解できるかと思います。

問題は、かんぽ生命のアフラックと普通のアフラックに大きな違いはあるのか?になると思います。

調べて驚愕!アフラックとかんぽ生命では保険料が全く違った!

この基本的な「総合保障プラン」において、保障内容も一般的ながん保険と同じですから、本家のアフラックとの商品性はそれほどびっくりするほどのものはないと思っていました。

しかし、「生きるためのがん保険Days1」という同じ名称、入院給付金日額も同じなのに、ある要素の影響で保険料がかんぽ生命の方が非常に高いという結果に。

特約だけではない?保険料の違いの理由

保障内容は入院給付金日額1万円を基準にしました。

かんぽ生命保障アフラック
50万円診断給付金(がんの場合)50万円
5万円診断給付金(上皮内新生物の場合)5万円
50万円特定診断給付金50万円
10,000円入院給付金10,000円
10,000円通院給付金10,000円
20万円手術治療給付金20万円
20万円放射能治療給付金20万円
月ごと10万円抗がん剤治療給付金月ごと10万円
月ごと5万円ホルモン剤治療給付金月ごと5万円
自己負担額と同額(通算2,000万円まで)がん先進医療給付金自己負担額と同額(通算2,000万円まで)
1年間に1回を限度 15万円がん先進医療一時金1年間に1回を限度 15万円
1回限り10万円外見ケア給付金【要特約】
がんの場合 1回につき50万円複数回診断給付金がんの場合 1回につき50万円
上皮内新生物の場合 1回につき5万円上皮内新生物の場合 1回につき5万円
該当後の保険料はなし保険料払込免除

この内容で、かんぽ生命の方の生きるためのがん保険Days1「総合保障プラン」の保険料(月払い、終身払い)を男性30歳で試算すると、3,415円、アフラックで同条件で試算すると3,394円になりました。

外見ケア給付金がかんぽ生命には含まれていることを加味することを考えれば、保険料に差が非常にある!というわけではありません。

実際にアフラックに「外見ケア特約」を付加して試算してみると同額の3,415円になりました。

保険料が同額にはなりましたが、保障内容はアフラックの外見ケア特約の方が顔・頭部の手術、手足の切断術 20万円、頭髪の脱毛症状 10万円となっていますので、多少、アフラックに軍配が上がりますが、そこまで気にする要素ではありません。

実は、もう1パターンの保険料試算結果が、保険料の高さを感じる要因になっていることに気づきました。

なぜ高いと感じるのか?郵便局のアフラックがん保険の決定的な違い

ここまで両社のがん保険を見比べてみて非常に興味深い、選択項目を見つけました。

それは、かんぽ生命のがん保険には「解約払戻金」の選択があることです。

アフラックのがん保険は掛け捨てなので、もちろん、解約返戻金の類はありません。

やはり、かんぽ生命がターゲットとしている層は解約払戻金(解約返戻金)を求めているということでしょう。

先ほどの内容で解約払戻金がありの状態にすると一気に月払い4,755円まで上がります。(それゆえにかんぽ生命のがん保険が高い!と感じる方も多いようです。)

もちろん、返ってくるお金は嬉しいですし、解約払戻金の設定があるということは契約者貸付金制度も利用できるかもしれません。

しかし、やはり保険(特にがん保険)はいつか解約しようと思って加入するべきではないと思っています。

うまくセールストークするためにもかんぽ生命のがん保険には解約払戻金(解約返戻金)の設定が必要なのかもしれませんね。

JPオリジナルプランについても触れたいが

ここまで「総合保障プラン」について比較してきましたが、本題のJPオリジナルプランについてより深堀してお伝えしていきたいと思います。

ただ、また、情報を集めて、後日、再度、納得した記事を更新していきたいと思います。

ご迷惑をお掛け致しますが、よろしくお願いいたします。

かんぽ生命・郵便局のがん保険における不適切販売は本当に問題なのか?

2019年6月頃から露呈し始めた、かんぽ生命・郵便局による不適切な保険の販売ですが、もちろん、新聞社の取材のような収入以上の保険料を払わされていた・・・というのは大問題だと思います。

ここにきて、かんぽ生命で販売したアフラックのがん保険についても「二重契約」「無保険状態」があったと報道されました。

しかし、がん保険という特性上、契約してから90日間の間はがんが見つかっても保障が下りませんよ、という縛りがあります。

この待機期間(免責期間)というのは『本当はがんの疑いがあるかも?というような状態でもしも加入してすぐにがんが見つかったようです!がん治療一時金(多くは100万円以上)をください!』といっても理にかなわないようになっているからなんですね。

正当な理由の「二重契約」「無保険状態」もある

それで、このかんぽ生命・郵便局のがん保険における「二重契約」「無保険状態」大々的に報じていますが、正直、がん保険を見直ししたい場合、当然のことながらこの「90日間の待機期間」をどう対処するか?にかかってきます。

もしもこの90日間の間にがんになってしまったら不安だし、嫌だから・・・と思う人は「二重契約」へ。

がん保険を解約してからこの90日間は何があっても腹をくくるぞ!と思える人は、「無保険状態」へ。とそういう当然の流れも含んでいると思います。

もちろん、これだけ悪質な販売方法があったと報じられていますから、道理にかなっている「二重契約」「無保険状態」以外で、利益(ノルマ)を考えた販売の仕方があったかもしれません。

(アフラック自体も改善要求をかんぽ生命に求めていたみたいですからね。)

しかし、がん保険はこういう90日間の待機期間があるんだよ、ということだけは皆さんの心の片隅にでも入れておいていただけると幸いです。

【最新情報】乗り換え時の二重払いなどの不利益を避ける「条件付き解約制度」を導入

かんぽ生命はがん保険などの二重払いに対して顧客の不利益を避ける「条件付き解約制度」を2019年9月2日に導入することを方針を決定しました。

本来は10月に導入する予定だったようですが、批判が多く、1か月前倒しで導入することになったようです。

この「条件付き解約制度」は受託している本家のアフラック生命では、すでに2014年から導入しており、乗り換え時に新規契約分の保険料を支払うだけで済むという制度のようです。

しかも、アフラックはこの制度の導入を提案されていたにも関わらず、採用を見送っていたというところに、かんぽ生命の闇を感じます。

結局、旧契約の保険料も手当として加算されるわけですから、少しでも顧客からお金をいただこうと思っていた可能性があるということですよね。

条件付き解約制度について、かんぽ生命は採用を渋っていたという話を聞いて、前章の擁護意見は無となりましたね。。

ただし、この「条件付き解約制度」というのは、自社商品に限りなどの条件が付きますので、アフラックのがん保険から他社のがん保険に乗り換える等の場合は、3か月の免責=保障が空白期間が生まれてしまうので気を付けましょう。

アフラックのがん保険に郵便局で加入すると損?周りと比較してみましょう

郵便局で販売されているアフラックのがん保険は、通常のアフラックよりも保障が薄い代わりに保険料が安いことが特徴です。保障の薄さゆえに、それ単体だけでは万一の時に保障不足になってしまう可能性もあるため、「保険偏差値」を活用して、あなたにとって十分な保障に加入しているかどうか、平均的な水準からチェックしてみましょう。

生命保険の診断開始

医療保険の診断開始

がん保険の診断開始

郵便局オリジナルのアフラックがん保険への加入を検討されている方は、保障が「薄いことを聞いて不安」と感じている人もいるでしょう。がん保険を検討する上で大切なのは、保障の手厚さや保険料の安さだけではなく、いかに自分の意向通りの保険に加入するかどうかだと思います。

「保険偏差値」では、がん保険や医療保険に対する意向と、現状の保障内容に関する質問に答えるだけで、他の人と比べてどのくらい意向通りに保険選びができているかを偏差値という形で採点してくれます。偏差値の算出にあたっては、100人以上の保険加入状況の調査結果を基準にしているから、詳細な採点結果を確かめることができます。

保険の見直しをする前に、まずは客観的な水準で、あなたの保険が周囲と比べてどうなのか、採点してみてみましょう。

まとめ

今回はアフラックの商品が郵便局で販売していることについてお話しました。

いくら民営化されたかんぽ生命でももともとが国営だったせいで、国からの干渉は避けられません。

やはり郵便局は国営だっただけに、国の影響力があると判断されています。

日本国民も、郵便局は安心という心理操作があるのは否定できませんよね。

かんぽ生命が純粋に民間の保険会社として機能するためには、まだまだ課題が山積みですね。

この商品が自分に向いているのか?いないのか?は人それぞれだと思いますので、保険の専門家に相談してみるのもいいでしょう。

参考:かんぽ生命で販売するアフラックのがん保険が気になっている方におすすめの記事

デメリットの多いかんぽ生命のアフラックのがん保険が気になっている方は、下記のような記事も参考にしてみるのがおすすめです。

かんぽ生命の保険についてもっと知りたい方は

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