プルデンシャル生命といえども養老保険の評判は「悪い」と言わざるを得ない
目次
プルデンシャル生命の養老保険の評判
外資系保険会社プルデンシャル生命で取り扱っている「米国ドル建てリタイアメント・インカム」という(特殊)養老保険は、驚異的な返戻率を持つとして、知る人ぞ知る評判の商品です。
今回は、米国ドル建ての商品ではなく、日本円建てでの「養老保険」と「リタイアメント・インカム(円建て特殊養老保険)」という商品について言及したいと思います。
プルデンシャル生命の米国ドル建ての養老保険(リタイアメントインカム)についての評判と持論はこちらの記事で書いています:
「プルデンシャル生命の米国ドル建リタイアメント・インカムは本当におすすめなのか?どういった方におすすめか?」
「プルデンシャル生命のドル建て・外貨建て商品は危険な商品だった?」
「プルデンシャル生命のドル建て保険の解約難民が続出している件」
日本銀行によるマイナス金利政策の影響
2017年1月より、日本銀行によるマイナス金利政策がスタートし、それに伴い、2017年4月から各保険会社が保険料率の見直しを行い、貯蓄性商品の保険料が軒並み上がってしまいました。
少なくとも20%、高いところでは40~50%も値上げした保険会社もあるようです。
いわゆる養老保険とは、貯蓄性を代表する商品の一つですので、その影響をもろに受けてしまいました。
貯蓄率に定評のあるプルデンシャル生命といえども、貯蓄性商品に影響があったようです。
そもそも養老保険とは?
養老保険とは、「一定期間」保障を持ち、満期が到達した段階で「満期保険金」がおりる、期間限定の「死亡保障」と「貯蓄」を両立する商品であり、いわゆる、保険がついている「貯蓄」みたいなものです。
満期が到達した段階で満期保険金がおりるので、それ以降の保障は消滅するという特徴があります。
単純に貯蓄性が強いので、毎月の保険料を積み立てる「定期預金」のようなイメージになります。
毎月いくらを積み立てて何年後にいくら貯めたいか、といった計算方法をすることで、毎月の保険料がどのくらいになるかイメージがつくと思います。
ずばり、保険としては、保険料がとにかく「高い」商品性になっていると覚えてください。
①プルデンシャル生命の「養老保険」の解説
特に際立った特徴もない、シンプルな「養老保険」の商品性になっています。
保険期間を加入時に定め、満期が到達した段階で保険は終了するが、満期保険金がおりる、そして保険料が高い、といった特徴です。
具体的な試算を、プルデンシャル生命の資料をもとに見てみましょう。
プルデンシャル生命の養老保険のシミュレーション
契約年齢:35歳男性 死亡・高度障害保険金額:1,000万円 保険期間:30年(65歳まで) 保険料払込期間:30年
この条件ですと、月々の支払う保険料は31,540円となるようです。
満期保険金額は、1,000万円となります。
トータルで支払う保険料額は、31,540円 × 12ヶ月 × 30年 = 11,354,400円となります。
シミュレーション結果から
11,354,400円支払って、1,000万円返ってくる、いかがでしょうか?
保障が付いているといえども、「減ってしまう貯金」です。
「減ってしまう貯金」を積極的に入る方がいるでしょうか?
貯蓄性という観点からすると、「損」をする商品となってしまうのです。
これが、マイナス金利の影響を受けてしまった結果で、元々はもっと保険料が安く「増える貯金」だったのに、こうなってしまいました。
②プルデンシャル生命のリタイアメント・インカム(円建て特殊養老保険)の解説
次に、円建てのリタイアメントインカムについて。
こちらの商品は、養老保険の仕組みを取り入れた商品になりますが、満期保険金の受け取り方が「一括」だけではなく、「年金受け取り」を選択できるようになっており、かつ、「年金受け取り」を選択することで、トータルで受給できる金額を増やすことができる商品です。
また、死亡・高度障害保険金も、加入時に定めた金額が、ある一定の年齢を超えてくると、順次増えていくという特徴を持ちます。
詳細について見てみます。
リタイアメント・インカム(円建て特殊養老保険)のシミュレーション
契約年齢:35歳男性 基本死亡保険金額:1,000万円 保険期間・年金開始年齢:65歳 年金月額:10万円 の条件ですと、月々の保険料は82,200円となります。
この条件でこの商品を見てみると、いわゆる「死亡保障」があるのは、保険期間・年金開始年齢である65歳までとなります。
死亡保険金額は、解約返戻金額が支払った保険料額を下回っている場合は「1,000万円」となり、上回ってくると「解約返戻金相当額」が死亡保険金額となり、最終的に死亡保険金額は、満期保険金額になります。
つまり、加入時から50歳あたりまでは、死亡保険金額は1,000万円となっていますが、それ以降は、段々と死亡保険金額が増えていきます。
満期保険金額は、26,698,800円となりますが、支払う保険料の総額は、82,200円 × 12ヶ月 × 30年 = 29,592,000円となり、やはり支払った額の方が高くなります。
シミュレーション結果から
純粋に「貯蓄」という観点、ならびに、満期保険金を「一時金」として受け取るのであれば、「損」となる商品です。
トータルで29,592,000円支払って、戻ってくる金額が26,698,800円、こちらも「損をする貯金」という形になります。
もちろん、「保険」がついているので、純粋な「貯金」と比べることはできませんが、それでも、養老保険は「貯蓄性」に重きを置いた商品ですので、魅力にかける商品と言わざるを得ないでしょう。
ドル建てリタイヤメントインカムの落とし穴について詳しく知りたい方は「ドル建てリタイヤメントインカムの落とし穴」の記事もおすすめです。
リタイアメント・インカム(円建て特殊養老保険)のメリット
そんな商品ですが、メリットはそれでもあります。
上記は、あくまで満期保険金を「一括」で、「一時金」として受け取った場合です。
プルデンシャル生命のリタイアメント・インカムという商品は、満期保険金の受け取り方の多様性があります。
満期保険金を、「確定年金」「保証期間付終身年金」「保証期間付夫婦連生終身年金」という受け取り方を選ぶことができます。
それぞれ見ていきましょう。
満期金を確定年金として受け取る
確定年金とは、満期保険金を一括ではなく、5年・10年・15年・20年といった期間を選択し、分割して受け取ることができます。
満期保険金を一括で受け取ることに比べて、資金を保険会社にプールして置く金額がある分、トータルで受け取ることができる金額は多くなります。
受給期間中に、被保険者が死亡してしまったとしても、残りの年月分の金額については、遺族の方が受給できるというメリットもあります。
しかし、一括受け取りと比べて受給できる金額は多くはなりますが、今回のマイナス金利の影響で、「支払った保険料よりも」多くもらえるかどうかは、試算してみないことには分かりません。
マイナスになってしまうリスクもあるので、しっかりと試算してもらうことが必要でしょう。
満期金を保証期間付終身年金として受け取る
保証期間を、10年・15年・20年と定めます。年金の受け取り期間は、確定年金とは異なり「生きている限りずっと」です。そのかわり、1回あたりの年金受給額は少ない金額になっています。
「保証」とは、被保険者が保証期間中に「生きていても」「亡くなってしまっても」、年金の支給を保証してくれるという意味です。
保証期間を過ぎた以降は、被保険者が生存している限り、年金が支給され続けます。
長生きすればするとほど、多くもらえるという特徴がありますが、「確定年金」と比べると、年金額は少ない金額になっており、かつ、どれくらい長生きすれば得になるのかといった試算もしっかりとしてもらう必要があるでしょう。
満期金を保証期間付夫婦連生終身年金として受け取る
こちらも同様に、保証期間を、10年・15年・20年と選ぶことになり、年金の受け取り期間は生存している限り続きます。
これは、夫婦のどちらかが生存してれば、年金が支給され続けるという特徴があります。
被保険者が「夫」の場合、夫亡きあと、「奥様」が生存している限り、奥様が年金を受給し続けることができます。
ぱっと聞き、とても良い仕組みに聞こえがちですが、年金額は、一番少なめの金額になっています。
こちらについても、しっかりと試算してもらう必要があるでしょう。
リタイアメント・インカム(円建て特殊養老保険)の年金受け取りについて
繰り返しますが、満期保険金を一括で受け取る選択をした場合、支払った保険料よりも受け取る満期保険金額が少ないため、いわゆる「損」になります。
一括ではなく、年金受け取りを選択することで、どれだけ「損」を減らすことができ、「得」になるくらい多くもらえるのかは、今のこのマイナス金利情勢では、個別に試算してみないことには分かりません。
もしかすると、どの年金受け取りを選択しても、「損」のままの可能性もあります。
これが意味することは、例え「得」であったとしても、その魅力は薄れているということです。
元々は、一括受け取りでさえ、支払った保険料よりも、満期保険金額のほうが、当然多く返ってくる仕組みでしたが、いまの状況では、「どうなるか分からない」、分からない時点で検討する価値はあまりないという印象を持ちます。
年金受け取りを決めるタイミングについて
色々な年金の受け取り方がありますが、加入時にどの受取方法にするかを決める必要はありません。
満期が来るタイミングで、会社もしくは担当者より連絡があり、そのタイミングで決めることができます。
例えば、病気がちで長生きしそうもないのであれば、5年や10年といった「確定年金」を選べばいいでしょうし、健康体で長生きしそうであれば、生きてるかぎり年金が支給され続ける「終身年金」を選ぶといった感じです。
年金受取がスタートする時期は、はるか先の時点であり、どの受け取り方がベストなのかは加入時には決めることはなかなか難しいので、その時決めればいいという点で安心できます。
しかし、一旦受取方法を決めてしまうと、その受取方法を変更することはできませんので、ご注意ください。
プルデンシャル生命といえども養老保険の評判としては「悪い」と言わざるを得ないのまとめ
やはり、米国ドル建てリタイアメント・インカムで評判の高いプルデンシャル生命といえども、円建ての養老保険は、マイナス金利の影響をダイレクトに受けてしまっているようです。
満期保険金を一括受け取りで選択しても、「損」になっているくらいパフォーマンスが落ちてしまっているということになります。
この社会情勢が改善するまでは、円建ての養老保険は、選択肢の候補としては当分は挙がらないでしょう。
参考:プルデンシャル生命の養老保険が気になっている方におすすめの記事
プルデンシャル生命の円建て・ドル建て保険が気になっている方には、下記のような記事も参考にしてみることをおすすめします。
プルデンシャル生命のリタイヤメントインカムの評判について
プルデンシャル生命の米国ドル建リタイアメント・インカムは本当におすすめなのか?どういった方におすすめか?
年金代わりとして加入する人が多い?ジブラルタ生命の外貨建て養老保険
リタイヤメントインカムの解約・払済の手続きについて
ジブラルタ生命の営業からは聞くことが出来ない?!リタイアメントインカムの払い済みって?
プルデンシャル生命の評判について
プルデンシャル生命はなぜ悪評が立つのか?高い保険料や営業の評判とその理由