JAの予定利率変動型年金共済ライフロードの評判は良い、が年利は低め
目次
JAの予定利率変動型年金共済ライフロードの評判
日銀によるマイナス金利の影響により各保険会社の運用に打撃を与え、各社こぞって貯蓄性商品である個人年金保険を売り止めています。
その中でも、JAは依然として年金共済を販売し続けており、このご時世においても返戻率が比較的高めとして評判が上がっています。
今回は、JAで取り扱っている予定利率変動型年金共済ライフロードについて取り上げてみたいと思います。
ライフロードの仕組み
基本的な仕組みは、いわゆる「個人年金保険」の商品性になります。
毎月、毎年、もしくは一時払いで共済掛金を支払い、年金支払開始年齢に到達すると、今まで積み立ててきたお金を「年金」という形で以降受給していく流れになります。
加入年齢
18歳~74歳までとなっています。
18歳から65歳までの年齢の方は、共済掛金の支払い方法を、月払い、年払い、一時払いを選択でき、66歳~74歳までの方は、一時払い選択のみ加入可能です。
告知
医師による審査の必要がなく、以下の項目に該当しなければ加入することが可能です。
・現在、病気や外傷で、安静療養中ですか?
・今後、入院または手術の予定がありますか?
予定利率
加入から「5年間」は、予定利率0.5%によって運用され、6年目以降は「毎年」予定利率の見直しが行われます。
2017年12月現在のところ、6年目の予定利率は0.75%が最低保証されており、既に5年前からこの契約に加入している方の2017年度の予定利率は1.5%となっているようです。
このご時世においての予定利率1.5%は「そこそこ」といったところです。
予定利率が最低保証されている上、一度増えた年金額は、以降減ることがなく、確実に貯めていくことが可能です。
個人年金保険料控除
税低適格特約を付加することにより、年末調整や確定申告で、個人年金保険料控除を受けることができます。
多くの保険会社が個人年金保険の販売を停止しており、個人年金保険料控除の対象となる個人年金保険を取り扱っている保険会社が少ないため(あっても返戻率が悪く、下手をすると元本を割ってしまう個人年金保険も存在する)、貴重な商品の1つです。
定期年金・終身年金
年金支払開始年齢以降、期間10年か15年に渡って年金を受け取っていく定期年金タイプか、年金開始日以降生存している限り年金が支給され続ける終身年金タイプ、どちらかを選択することができます。
終身年金タイプは、10年か15年の「保証期間」が設けられており、保証期間以内に亡くなってしまったとしても、保証期間分は遺族の方に年金が支払われていきます。
長生きすればするほど多くもらえるのが終身年金タイプですが、早期に亡くなってしまった場合には、保障期間が設けられているとはいえ、結果として損になってしまうでしょう。
ライフロードの試算
実際に試算を行い、どのくらいの返戻率があるのかを確認してみます。
契約年齢:30歳男性 共済掛金:月7,000円 年金支払開始年齢:60歳 定期年金タイプ:10年 の条件で試算を行います。
予定利率は、加入から5年間は年0.5%、6年目以降は最低保証0.75%を前提とします。
30年間の共済掛金のトータルの金額は、252万円となりますが、最低保障されている年金額は268,565円となり、10年間で2,685,650円となります。
この場合の最低返戻率は、2,685,650円 ÷ 252万円 × 100 から、106.57%となり、平均利回りは0.22%となります。
個人年金保険料控除を加味した試算
年金共済の払込共済掛金合計額が年間8万円以上の場合、所得税は4万円の所得控除、住民税は2.8万円の所得控除を受けることができます。
住民税は一律10%ですが、所得税は所得水準によって税率が変わりますが、今回は同じ10%で計算してみます。
4万円 × 10% で4,000円、2.8万円 × 10% で2,800円、合計6,800円が毎年還付されることになります。
年間の共済掛金額84,000円から6,800円を差し引いた77,200円が実質的な年間の掛金額になるので、30年間で2,316,000円となり、年金額合計は変わらず10年間で2,685,650円です。
この場合の最低返戻率は、2,685,650円 ÷ 2,316,000円 × 100 115.96%まで上がり、平均利回りは0.53%となります。
終身年金タイプの損益分岐
仮に終身年金タイプを選択した場合、何歳まで生きれば損をしないのか、試算してみます。
あくまで最低保証予定利率での計算上にはなりますが、その場合の年金額は93,174円となります。
トータルで支払う共済掛金は、2,316,000円(保険料控除後)なので、2,316,000円 ÷ 93,174円 から、24.85年、つまり60歳から24年経過した84歳までに亡くなってしまった場合、損をしてしまうようです。
ライフロードの返戻率と利回り
単純に、支払った金額に対して将来戻ってくる率「返戻率」だけを見ると、120%、130%という数値は非常に魅力に映ります。
しかし、年あたりの平均利回りを算出してみると、実はあまり大したことがないのです。
例えば、ライフロードが実際に130%もの返戻率を達成できたと仮定しても、平均利回りを計算すると、たった「1%」になります。
年間で1%の運用として考えると、とたんにその魅力が薄れます。
返戻率という言葉は、魔法のような力を持っている言葉とも言えるでしょう。
返戻率の高い個人年金が気になるという方は、「住友生命の個人年金「たのしみワンダフル」は受取率業界最高峰!」の記事もおススメです。
JAの予定利率変動型年金共済ライフロードの評判は良い、が・・・のまとめ
JAのライフロードは、返戻率だけを見れば「高い」と言えます。
銀行金利がほとんど付かないこのご時世であれば、まったく魅力がない商品とも言えません。
しかし、年間0.5%の運用が他の手段でできないのかと言われると、他の投資商品に目を向ければたくさんありそうです。
ただ、じゃあどんな商品を選べばいいのか、という点で勉強することが必要になりますので、そういった面倒なことを避けたいということであれば、ライフロードで運用してしまうのも一つの手なのかもしれません。
参考:個人年金について詳しく知りたい方におすすめの記事
ライフロードのような個人年金保険についてより深く知りたい方には、下記の記事がおすすめです。
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