FWD富士生命のがん保険のデメリットを考えてみる
目次
FWD富士生命のがん保険「新がんベスト・ゴールドα」のデメリット
かつては、「がん保険ならば富士生命」と業界関係者を震撼させたほどの商品「がんベスト・ゴールド」というがん保険がありました。
主契約が「がん診断給付金のみ」と非常にシンプルな商品性で、驚くほどの手頃な保険料であったため、コストパフォーマンスに非常に優れたがん保険として、爆発的な人気を誇っていました。
しかし、現在はその新規取扱を終了しており、2017年4月より「新がんベスト・ゴールドα」としてリニューアルされて現在に至ります。
前身の商品性と比べて、保険料が上がってしまったほか、保障内容も若干劣化してしまったこともあり、当時ほどの人気はなくなってしまっているのが現状です。
それでもシンプルな商品性の部分は変わっておらず、根強い人気があることも確かな商品ですが、今回はそのデメリット部分について触れてみたいと思います。
「新がんベスト・ゴールドα」の商品性について
「新がんベスト・ゴールドα」は、主契約が「悪性新生物診断給付金」のみとなっており、上皮内新生物を除くがんと診断確定した場合に、一時金が支払われるほか、それ以降の保険料の支払いが免除されるという仕組みとなっています。
現在主流となっているがん治療の方針が、短期入院・通院治療になっており、場合によっては入院すらせずに、手術すらせずに、通院治療のみの治療方針が組まれることも珍しくありません。
そのため、入院や手術をしてはじめて給付金が支払われるという保障は、せっかくがん保険に加入しているにも関わらず、給付金を受け取ることができないといったケースも今後増えていくと予想されるため、シンプルに「がんと診断されたら」という条件で支払われる「診断給付金」をもって、様々な治療費に充てていくことを目的とした仕組みとなっています。
また、他社では「保険期間を通じて1度のみ」としていることが多い中、「新がんベスト・ゴールドα」は、2年に1回を限度として、回数無制限で診断給付金を受けることができます。
その他、手術費用を保障したい、抗がん剤治療や放射線治療を保障したい、といった意向をお持ちの方向けには、特約という形で、任意で保障を増やすことも可能です。
前身の「がんベスト・ゴールド」と「新がんベスト・ゴールドα」の違い・変更点
前身の「がんベスト・ゴールド」と比べて、どこの点が変更になったのかについても触れておきます。
まず、「診断給付金」の対象が、従来は「上皮内新生物」も同額保障されていましたが、リニューアル後は「上皮内新生物」は主契約からは除外されてしまいました。
上皮内新生物にも備えておくためには、別途特約という形で保障を追加しなければなりません。
また、上記のように保障が手薄くなったにも関わらず、保険料は「約20%」も上がってしまいました。
商品が悪くなったにも関わらず、保険料が値上げされたことで、人気が落ちてしまったという背景があります。
「新がんベスト・ゴールドα」のデメリットについて
上皮内新生物への保障
上記でも述べましたが、主契約から上皮内新生物が対象外とされてしまったため、上皮内新生物に対して備えるためには、「上皮内新生物診断給付金特約」という特約を付加しなければいけません。
その上、上皮内新生物診断給付金額は、「主契約の50%」もしくは「100万円」いずれか低いほうが上限となっています。
つまり、主契約と同額保障ではなく、仮に主契約が100万円保障の場合、上皮内新生物診断給付金額は、50万円以下の金額しか指定することができません。
参考までに、男女別で、上皮内新生物診断給付金特約を付加した場合の保険料を記載しておきます。
男性年齢 | 主契約:100万円 | 上皮内新生物診断給付金額:50万円 | 合計保険料 |
20歳 | 1,239円 | 150円 | 1,389円 |
30歳 | 1,799円 | 195円 | 1,994円 |
40歳 | 2,662円 | 258円 | 2,920円 |
50歳 | 4,111円 | 362円 | 4,473円 |
女性年齢 | 主契約:100万円 | 上皮内新生物診断給付金額:50万円 | 合計保険料 |
20歳 | 1,227円 | 207円 | 1,434円 |
30歳 | 1,729円 | 247円 | 1,976円 |
40歳 | 2,248円 | 265円 | 2,513円 |
50歳 | 2,852円 | 278円 | 3,130円 |
掛け捨てとしては高い
個人的に、他社のがん保険でとても気に入っている商品があるため、意見にバイアスがかかってしまいますが、上記の保険料表を見ると、少々保険料が高い印象を持ってしまいます。
と言いますのも、「新がんベスト・ゴールドα」のように、診断給付金を主契約とし、同様に2年に1回を限度として回数無制限で保障、その上、上皮内新生物も主契約と「同額」保障し、さらに、今まで支払ってきた保険料が将来「1円単位」で戻ってくるという、東京海上日動あんしん生命の「がん診断保険R」という商品があります。
例えば、30歳男性の方が「新がんベスト・ゴールドα」に加入し、70歳まで保険料を支払うのであれば、トータルで支払う保険料は「987,120円」となります。
一方、「がん診断保険R」の場合、月々3,074円の保険料を70歳まで支払うと、「1,475,520円」の保険料となりますが、70歳時点でこの金額が全部戻ってきます。
月々約1,000円程度(3,074円ー1,994円)の負担で、より手厚い保障が確保でき、そして将来全額戻ってくるのであれば、私は戻る方を選択したいと考えます。
FWD富士生命のがん保険のデメリットを考えてみるのまとめ
リニューアルされたことにより、前身の商品よりも悪くなってしまったとはいえ、シンプルな商品性は、加入者にとっては非常に好ましい商品といえます。
がんになるかどうかは誰にも分かりませんが、がんになってもならなくても、がん保険に入っていて良かったと、将来思えるような商品に私は加入しておきたいと考えています。
FWD富士生命の「新がんベスト・ゴールドα」は、自分の意向には合いませんが、デメリットをデメリットとして感じないのであれば、加入検討の価値はあると思います。