交通事故の慰謝料はどう計算される？損保ジャパン日本興亜の場合は？
目次
交通事故慰謝料の計算って納得感が無い？
交通事故に遭ってしまった際に、示談交渉の中で出てくる「慰謝料」の言葉に聞き覚えのある方、実際に請求した方、請求された方もいると思います。
損保ジャパン日本興亜で自動車保険に加入している方でも、金額提示されたは良いけどその金額が高いのか低いのか？相場はどの位なのか？という疑問や不満が出やすいのが慰謝料に関する部分です。
最近の傾向として高額賠償も増えてきて、さらに弁護士を立てて交渉してくる相手も増えている事から、慰謝料の金額に納得していない人も増えていると思われます。
ここではどのように計算されるのかをご紹介していきます。
そもそも慰謝料の発生する事故と発生しない事故がある
基本的に慰謝料という名前でお金を払う必要が発生するのは、人身事故の場合のみです。
つまり物損事故では慰謝料は発生しないのですが、これは民法第417条および第722条の規定によるものです。
物損事故の時に「慰謝料を払え」と主張しても、支払う法的義務はありません。
事故による修理費またはそれに相当する金額はあくまで「賠償金」なのです。
交通事故慰謝料の最高額ってどの位なのか？
では人身事故で発生した慰謝料ってどのくらいが相場なのか？気になる方もいると思いますが、実際のところはケースバイケースとしか言いようがありません。
ただし過去の判例を調べる限り、最高額は約5億円もの金額になっていました。
いきなり払える金額ではありませんので、やはり自動車保険の重要性は高いと言えます。
損保ジャパン日本興亜の自動車保険ではどのように計算されるのか？
実は損保ジャパン日本興亜の自動車保険に加入されている方は、皆さんその計算式の資料をすでに交付されています。
手続きの際にご契約のしおり「約款」を受け取るか、保険会社HPにて見られるようになっているかと思います。
この「約款」こそがルールブックで有り、そこに記載されている計算によって算出されます。
相手に慰謝料を支払う場合はどうなるか？
ここではTHEクルマの保険（個人用自動車保険）の約款内容に基づいて、お話を進めていきます。
相手に支払う、つまり対人賠償責任条項には被保険者が損害賠償請求権者に対して負担する法律上の損害賠償責任額から自賠責保険で支払われる金額を引いた金額について保険金として支払うとなっています。
基本的にはまず自賠責を使用して、自賠責の補償範囲を超える場合に対人賠償責任条項にて支払うという2本立てになっています。
そして法律上の損害賠償責任額には双方の過失割合も影響してきます。
自分が慰謝料をもらう場合はどうなるのか？
過失割合が影響するという事は、相手から貰える保険金は自分が治療にかかった全額とは限らないということを意味します。
それでは困るのでその場合には自分の自動車保険の人身傷害条項を適用します。
これは事故の過失割合に関わらずに、契約車両に乗っていた人の治療費や慰謝料などを全額補償するものです。
人身傷害条項ではどのように計算されるのか？
怪我をした場合に損害として認定されるのは、治療費（入院、手術も含む）、休業損害、そして精神的損害の3種類について、怪我、後遺障害、死亡の3区分で約款記載の規定に基づいて算出されます。
休業損害は通院による会社の遅刻や欠勤についても、補償の対象になりますので細かく記録しておくことをお勧めします、その際に直近3ヶ月の月給を根拠に使います。
精神的損害には通入院1日あたりの日額が規定されており、通院にはギプスなどでの固定も含まれます。
これらの合算が怪我をしたことによる損害、いわゆる慰謝料と皆さんが考える計算の大まかな内容です。
なぜ高額な慰謝料が発生するのか？
先程、慰謝料の最高額は約5億円とお話しましたが、なぜそんな金額になるのかというと、後遺障害や死亡の際に算出される逸失利益が影響しています。
逸失利益＝収入額×約款記載の労働能力喪失率×約款記載の労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数という計算式で算出されます。
つまり事故にあった人が事故により後遺障害にならなかったとして今後得るはずだった収入をルールに従って算出するのです。
ちなみに約5億円の賠償が発生したのは、事故で亡くなった方が開業医の方で高収入であった事が影響しています。
これを機に約款を読んでみませんか？
これまで損保ジャパン日本興亜の自動車保険における慰謝料の算出についてご紹介してきましたが、相場と比べてどうなのか？というよりは全て約款に基づいての対応になるので、一概に高い低いと言えるものでは無いと筆者は思っています。。
治療費だけでなく休業や稼げなくなった場合にも補償される事は、ぜひ覚えておいて頂いて請求の際には役立て頂ければ良いのですが、逆に約款に書いていない部分は補償しないことを意味します。
一度約款を確認してみるのと同時に、ぜひ生命保険や傷害保険も内容や約款を確認することで保険金の理屈を知り、いざという時の納得感を増すきっかけになります。
その一方で、筆者個人としてはいくら貰えるかよりもいかに早く決着がついて元の生活に戻るか？の方が大事ではないかと思います。