ソニー生命のドル建て保険の悪評判は論点をすり替えているに過ぎない
目次
ソニー生命のドル建て保険の悪評判
インターネットで「ドル建て 保険」と検索してみると、悪い評判を乗せた多くの記事がヒットします。
ソニー生命のドル建て保険の評判は、主に①「為替リスクの極端な煽り」②「コストが高い」③「利回りはそんなに高くない」といった根拠から、良い評判があまりありません。
しかし、私はこういった記事を目にすると「ずれてるなぁ」と思わずため息をついてしまいます。
今回はソニー生命のドル建て保険に加入する目的を踏まえて、この3つの根拠について独自の意見をお話したいと思います。
ソニー生命のドル建て保険で検討する価値がある商品
ソニー生命では、ドル建ての保険商品を現在3種取り扱っています。
1.ドル建て終身保険 2.ドル建て養老保険 3.ドル建て特殊養老保険
以上の3つですが、このうち2.ドル建て養老保険については、私自身いろいろな側面から調べた結果、検討には値しない結論に達しました。理由は、保険料と貯蓄率の2点からですが、興味がある方は以下の記事を参考にしてみてください。
今記事では、1.ドル建て終身保険と3.ドル建て特殊養老保険の2つに絞ってお話します。
悪評①ソニー生命のドル建て保険は為替リスクがあって危険?
ドル建ての保険は、為替レートによって保険料が増減します。円高になれば保険料が安くなりますし、円安になれば保険料は高くなってしまいます。
安定を好む文化の日本にとっては、変動というものに抵抗がありますので、そこを指摘され、リスクという言葉を突き付けられれば、多くの方は危ないというイメージを抱きがちでしょう。
しかし、実際に円建てとドル建てを比較して、その保険料の違いを見てみるとその優位性が見えてきます。
35歳男性が、保険料払込期間を60歳までとし、円建て・ドル建てそれぞれ保険金額1,000万円/100,000ドルの終身保険に加入した場合は、円建ての保険料は28,910円に対し、ドル建ての保険料は176.20ドルとなります。(以前の記事を参考にしてください。)
為替リスクによって保険金が少なくなる?
そうは言っても、受け取る保険金額も変動するので、万が一円高になったらもらえる金額が少なくなる、と不安を煽る記事もありますが、保険料を支払うときは円安になり、保険金を受け取るときは円高になる、都合の良い為替レートですね。
2008年のリーマンショックの時でさえ、約1ドル=102円だった為替レートは、約1ドル=87円と、約15円ほどしか値下がりしませんでした。下落率は約15%です。
その下落率で計算すると、現在のレートでドル建て終身保険約1,100万円の保険金額がもらえるはずが、約935万くらいまでしか下がらないのです。
しかし、ご遺族がすぐにでも約1,000万円という決まった金額の買い物をする予定であれば、ドル建て保険は辞めたほうがいいです。
ドル建て保険のメリットの一つは、為替レートを見たうえで、すぐに円に換金する必要がなく、ドルのまま保有できるので、為替レートの動きを見ながら、自分のタイミングで円に換金できるという為替リスクを軽減できる手段があります。
また、為替変動にソニー生命のドル建て保険がどのような影響を受けるのかは、「ソニー生命のドル建て保険が為替変動に受ける影響とは?」の記事でも解説しています。
1ドル=164円でも損はしない
円建て終身保険とドル建て終身の保険料について、現在の為替レートが約1ドル=110円ですので、保険料の差はおよそ約1万円もの差になります。
円建てと同じ水準の保険料になるには、為替レートは、1ドル=164円あたりまで円安にならないといけません。
裏を返すと、今の水準の為替レートで保険料を支払う年数が多ければ多いほど、その金額的メリットは大きくなります。
仮に10年後に、1ドル=164円に達してしまったとしても、その10年間は安い保険料を払い続けている訳ですので、残りの25年間1ドル=164円の水準であっても、安く支払ってきた10年間分のメリットを考えれば、断然お得なのです。
少なくとも1ドル=164円という水準は、20年以上前の水準ですし、87円という水準はあのリーマンショック時の水準です。
未来の為替レートはどうなるか誰にもわかりません。現時点で確実に言えることは、円建ての保険料よりも30%も安いという事実です。
安い水準レートの今、すぐにでもスタートして、その恩恵を1年でも2年でも多く享受できれば、支払う保険料総額は円建てに加入している場合よりもずっと少なくなります。
悪評②ソニー生命のドル建て保険のコストは高い?
次にコストについてです。
大きく分けて2つ、「為替手数料」と「販売手数料」について高いという意見が多いです。
実際に調べてみました。
為替手数料
結論から言いますと、ソニー生命のドル建て保険の為替手数料は、めちゃくちゃ安いです。
銀行、証券会社、保険会社の3業種で比較してみます。
ソニー生命 | 片道0.01円 |
メットライフ生命 | 片道0.5円~1円 |
プルデンシャル生命 | 片道0.25円 |
ソニー銀行「米ドル預金」 | 片道0.15円 |
三菱東京UFJ銀行「米ドル預金」 | 片道1円 |
野村証券「米ドルMMF」 | 片道0.25円~0.5円 |
大和証券「米ドルMMF」 | 片道0.5円 |
ソニー生命がどの業界、どの会社と比較しても一番安い為替手数料を設定しています。悪評とされる根拠とはならないと分かります。
販売手数料
次に販売手数料について。
生命保険に入る第一の目的は保障です。自分が亡き後、大切な人にお金を残したい、という思いを実現させるものです。
保険加入後1年で解約した場合の返戻率を引き合いし(早期解約は返戻率が悪いです)、その理由を、巨額の販売手数料が販売会社の懐に入っているから辞めたほうがいい、という主張をよく目にします。
自分が亡き後に家族にお金を残したくて保険に加入するのに、なぜ早期解約時のお金の貯まりが良い悪いの話になるのかが分かりません。
仮に手数料が高かったとしても、保険会社は慈善事業ではないので、手数料が販売会社に支払われても、保険に加入する本来の目的が達成できるのであれば、何も問題はないのではないでしょうか?(ちなみに個人的には、販売手数料が特段高すぎと思ったことはありません。)
なので、手数料を支払うことが嫌だという方は、手数料を全く支払う必要がなく、支払ってきた以上の金額の保険金を、家族に残せるような仕組み作りを自身で作られるのをオススメします。
積立利率
ソニー生命のドル建て保険は、積立利率の変動はありません。
メットライフ生命のドル建て保険のような、運用により利率が変動するものではなく、保険期間中は固定になります。
保険期間を通して積立利率は変わらない、という意味では保障されています。
一方でリスクを含めて上振れの利率変動による利益を求める方には、中途半端な保険に見えるかもしれません。これが悪評の理由の一つになっている可能性はあります。
しかし後でも述べますが、あくまで保険という機能を前提にすれば、利率の高さだけを求めるのは本末転倒です。
悪評③ソニー生命のドル建て保険は利回りがそんなに高くない?
では、「ソニー生命のドル建て保険は利回りがそんなに高くないから良い保険ではない」のでしょうか?
・・・これは、個人的に、最もズレている議論だと思っています。
上記でも触れましたが、生命保険は「貯蓄すること」が第一目的ではなく、「残された家族への思い」が形になったものです。
利回りが高い低いといった議論は、どちらにせよ、保険を「解約」をすることが前提になっている議論です。
しかし「解約」をしたら、その保険はどうなるでしょうか・・・考えたら分かりますね。
保険は家族のために加入するもの、あくまでその前提に立って、高い率の資産運用として保険以外の金融商品と同等に比較するのはやめるべきです。
ソニー生命のドル建て保険の悪評判は論点をすり替えているに過ぎない、のまとめ
円建てであろうが、ドル建てであろうが、生命保険に入る目的は「亡くなったときにお金を残す」ことです。
よくある悪評の3つの根拠は、どれも頭から否定ありきで、無理やり悪いイメージを植え付けようとしているのではないのかと疑ってしまうほどです。
人はいつどこで亡くなるか分かりません。だからこそ、一生涯の保障がある終身保険に加入するものです。
そして加入する以上は、その負担をご自身の財布からひねり出さなければいけません。
私は、ドル建て保険の最大のメリットは、「月々の負担をかなり抑えることができる」、これだけでオススメできる十分たる理由と感じます。
参考:ソニー生命の口コミやドル建て保険が気になっている方へのおすすめの記事
ソニー生命の評判・口コミが気になっている方や、ドル建て保険についてより深く知りたい方は、以下の記事も併せて読むことをおすすめします。
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