第一生命の「ドル建て変額保険」に要注意!
目次
第一生命のドル建て変額保険
第一生命グループには、子会社の「第一フロンティア生命」という会社が存在し、外貨建ての保険はすべてその子会社が引受会社となっています。
第一生命そのものではドル建ての保険を取り扱ってはいませんが、その子会社「第一フロンティア生命」で取り扱っている外貨建て変額保険について物申したいと思います。
注意喚起として捉えていただければと思います。
第一フロンティア生命の外貨建て変額保険
第一フロンティア生命では、外貨建て変額保険を「年金保険」タイプと「終身保険」タイプとして取り扱っています。
販売自体は銀行などの金融機関窓口専用となっており、実際に加入する際には第一フロンティア生命ではなく、それを取り扱っている金融機関で行う必要があります。
同一商品にも関わらず、販売窓口が異なるだけで商品名が変わるという、よく分からない方針なのですが、まとめてみました。
これらの商品名に見覚えがあれば要注意です。
外貨建て変額年金保険
三井住友信託銀行 ・・・ ラップライフプラス
三井住友銀行、SMBC日興証券 ・・・ ダブル・フロンティア
みずほ銀行、みずほ信託銀行 ・・・ プレミアセレクトM3・年金(外貨建)
野村證券 ・・・ 第一フロンティア投資型年金(外貨建・ターゲット型)
りそな銀行、埼玉りそな銀行、近畿大阪銀行 ・・・ 安心2階建てR2・年金(外貨建)
三菱東京UFJ銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券 ・・・ プライムターゲット2・年金(外貨)
その他銀行 ・・・ プレミアジャンプ3・年金(外貨建)
外貨建て変額終身保険
みずほ銀行、みずほ信託銀行 ・・・ プレミアセレクトM2・終身(外貨建)
りそな銀行、埼玉りそな銀行、近畿大阪銀行 ・・・ 安心2階建てR・終身(外貨建)
三菱東京UFJ銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券 ・・・ プライムターゲット2(外貨)
三井住友銀行、SMBC日興証券 ・・・ ダブル・フロンティア終身
その他銀行 ・・・ プレミアジャンプ2・終身(外貨建)
銀行による手数料稼ぎ
これらの外貨建て変額保険は、銀行が手っ取り早く手数料を稼ぐことができる「旨味のある」商品と言われています。
日本銀行がマイナス金利政策を導入したことで銀行の運用利回りは劇的に低下し、その結果、特に外貨建て変額保険の販売体制の強化に努めています。
商品性が似ている投資信託の販売手数料は大きくても3%程度である反面、外貨建て変額保険の販売手数料は「4%~8%」に及びます。
1,000万円の一時払い保険料を支払うと、無条件で銀行側に40万円~80万円が手数料として入るのです。
加熱しすぎた銀行サイドの過剰な外貨建て変額保険の販売量を危惧し、金融庁が銀行側に「販売手数料の開示」を求める要請をするにまで至りました。
デメリット?外貨建て変額保険の特徴
元本保証ではない
一時払いで支払った保険料を「変額部分」と「定額部分」の2つに分け、「変額部分」で投資信託などで運用を行い、「定額部分」は10年などの運用期間後に、一時払いで支払った金額と同額が「外貨ベース」で最低保証されるという仕組みになっています。
「できるだけ元本を減らさずにお金を増やしたい」というニーズに一見適っているように見えますが、「元本保証」が保証されるわけではありません。
指定した外貨ベースでの金額が保証されるに過ぎず、為替レートによって増減し、円高によっては「損失」となることが大いにありえます。
変額部分において、運用が「うまくいったら」その分上乗せされますが、そもそもの投下資金の割合も非常に小さいものになっています。
オーストラリア国債を買ったほうがお得
金融庁のお偉いさん自ら「外貨建て変額保険に加入するよりも、オーストラリア国債そのものを買ったほうが得」という発言まであったそうです。
現在のオーストラリア国債10年の利回りは2.62%ほどです。
一方、豪ドル建ての変額年金保険は、同じオーストラリア10年国債を用いて、毎年1.72%で運用していく商品性となっています。
同じ10年という運用期間を考えると、その差は1年で1%、10年で10%もの差になります。
この10%分はいったいどこに行ったのでしょうか?
様々なコスト
通常の生命保険にはないコストを契約者に強いるのも、外貨建て変額保険のデメリットです。
【運用期間中】
為替手数料 ・・・ 円を外貨に替えるたびに為替レートに+0.5円(片道)
保険契約関係費 ・・・ 特別勘定の資産総額に対して年率1.85%
資産運用関係費 ・・・ 投資信託純資産総額に対して年率0.20.%(税抜き)
【年金受取期間中】
保険契約関係費(年金管理費) ・・・ 年金受取額に対して0.4%(実際の年金支給額から引かれるわけではない)
それでも外貨建て変額保険に入るメリットと意義
では外貨建て変額保険の全てが悪なのか?というとそういうわけでもありません。
そもそも保険を「投資」として捉える場合、
- 支払う際に税控除が受けられる(生命保険料控除の枠はわずかですが、ないよりはもちろん得)
- 受け取る際に税控除が受けられる(支払った払込保険料は経費として税免除される、これが大きい)
- ある程度運用を任せられる、投資信託の性格も持つ
- 同じく投資で税控除が受けられるiDeCoやNISAと比べ、受け取るタイミングや利益確定の自由度が高く、利益を受けやすい
- そもそも、保険なので、死亡保障が付いている(途中で亡くなっても家族に計画通りの遺産を残せる)
これらのメリットを享受できるというのが最大の特徴です。
ここを理解して入るのであれば、外貨建て変額保険にも意味があると言えるでしょう。
第一生命の「ドル建て変額保険」に要注意のまとめ
国内の低金利状況を見ると、少しでも資産を増やしたいと切に願う人の気持ちは分かります。
しかし、その心の隙間を狙って、手数料稼ぎのためハイエナのようにタカってくるのが今の銀行です。
銀行至上主義の時代は既に終えています。
自身の資産は自身の責任の下で、管理し運用してくことが求められています。
兎にも角にも、ドル建て変額保険には注意したほうが良いでしょう。
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