三井生命で取り扱っている外貨建て保険の解説と所見
目次
三井生命の外貨建て保険
一時払い型の外貨建て保険は、国内生命保険会社が主に取り扱いを行っており、銀行がその販売のメイン窓口となっています。
一方、月払いや年払いといった分割して保険料を支払っていくタイプの外貨建て保険は、主に外資系保険会社に多く見られますが、三井生命で取り扱っている外貨建て保険は、分割タイプの外貨建て保険となっています。
国内保険会社、とくに「漢字生保」である三井生命で取り扱っている外貨建て保険について解説していきます。
ドル建保険のランキングが知りたい人は、「【永久保存版!】米ドル建て保険ランキング【2017年度】」の記事も参考にしてみるのがおすすめです。
外貨建て終身保険(ドリームクルーズワイド)
「米ドル」か「豪ドル」どちらかを運用通貨として選択することが出来る外貨建て終身保険です。
指定できる保険料払込期間は、加入年齢によって最長「30年」もしくは「80歳」までとなっており、保険料の払い込みが終了した以降は、15年ごとに予定利率が更改されていきます。
2017年12月29日現在、米ドルの予定利率は「2.30%」・更改時の最低保証予定利率は「1.50%」、豪ドルの予定利率は「2.50%」・更改時の最低保証予定利率は「2.00%」となっています。
総合障害保障特約
主契約である終身保険に特約という形で、以下の場合に保険金がおります。
・初めてがんにかかったとき
・急性心筋梗塞による所定の状態、または所定の手術を受けたとき
・脳卒中による所定の状態、または所定の手術を受けたとき
・公的介護保険制度の要介護2以上と認定されたとき、または所定の要介護状態(180日継続)のとき
・1~3級の障害者手帳が交付されたとき
・不慮の事故による所定の障害状態のとき
・所定の高度障害状態のとき
・死亡のとき
この特約は、主契約と同様に解約返戻金が存在する特約となります。かつ、この特約を付加することで、保険料はかなり上がるでしょう。
低解約返戻金特則
保険料払込期間中の解約返戻金を、特則を付けない場合の70%に抑える代わりに、保険料を割安にすることができる「低解約返戻金特則」の付加を加入時に決めることができます。
保険料を払込期間まで支払うこと前提で考えれば、保険料が割安になる低解約返戻金特則は非常に有効な仕組みですが、払込期間途中で、例えば他社に乗り換えるといった場合に解約を行った場合は、解約返戻金額は少ない金額になることに注意が必要です。
この特則は主契約だけでなく、総合障害保障特約にも適用され、総合障害保障特約を付加した場合、低解約返戻金特則を付加すると主契約と特約どちらも低解約返戻金特則が適用されます。
外貨建て終身保険(ドリームクルーズプラス)
ドリームクルーズワイドと異なり、選択できる通貨は「豪ドル」のみとなっている外貨建て終身保険です。
保険料払込期間は原則「15年」のみとなっており、保険料払込期間満了後は、予定利率は15年ごとに更改されていきます。
保険期間中、3年ごとに計5回生存給付金(クルーズボーナス)を受け取ることができ、基本保険金額の3%が最初の4回、最後の1回は基本保険金額の15%の金額になります。
ドリームクルーズプラスは、契約から10年未満での解約を行う際、責任準備金から所定の解約控除額が差し引かれるため、解約返戻金が大きく削られてしまいます。
そのため、急激な為替変動が起きたとしても、10年間はなかなか解約しづらい仕組みになってしまっています。
外貨建て養老保険(ドリームロードステップ)
保険期間が一定期間である養老タイプの外貨建て保険です。
こちらは「一時払い型」の商品となっており、「米ドル」か「豪ドル」を運用通貨として選択することになります。
保険期間・保険料払込期間は「10年」のみとなっており、10年の保険期間が満了後には満期保険金がある上、生存給付金が契約から1年ごとに最大9回支給されますが、受取通貨を円で選択すると、その時点での為替レートで算出されるため、円ベースでは一定の金額ではありません。
基本保険金額は、一時払いとして支払った外貨ベースでの金額となり、契約から5年間は「基本保険金額=一時払い保険料額」と保険の体を成していませんが、契約から5年を経過すると、基本保険金額が増加(ステップ)する仕組みとなっています。
予定利率
米ドルの予定利率は10年間2.30%、豪ドルの予定利率は10年間2.50%となっています。
目標設定特約
一時払い型の外貨建て保険に多く見られる「目標設定特約」を付加することができます。
これは、一時払い保険料として支払った金額に対して、保険期間を通してどれくらい増やしたいかといった目標を設定し(100~200%の範囲)、契約から2年が経過してから毎営業日自動的にその時点での為替レートで解約返戻金を判定し、目標に到達した時点で為替変動がない円建てでその金額を受け取ることが出来ます。
円建てで受け取り方は、「確定年金」「一時金」「確定年金+一時金」の3タイプから選択することが出来ます。
高額な初期手数料
ドリームロードステックは、一時払い保険料の支払い時に、最大7%の金額が初期手数料として引かれてしまいます。
契約スタートと同時に、マイナス7%から運用をスタートすることになるため、運用目的を考えると非常に高額な手数料となっています。
1,000万円を一時払いとして支払うと、70万円が運用がスタートしていないにも関わらず差し引かれるのは、運用としては厳しいでしょう。
外貨建て養老保険(ドリームロード)
ドリームロードは、ドリームロードステップと異なる点として、基本保険金額のステップがなく、一時払い保険料の外貨ベースの金額で一定となっています。
保険期間・保険料払込期間は、「10年」もしくは「15年」を選択することが出来ます。
その分生存給付金額が、ドリームロードステップと比べると大きくなっている特徴があります。
外貨ベースの運用状況では基本保険金額も解約返戻金額も増加しますが、基本保険金額は一時払い保険料額が保証されています。
その他条件はドリームロードステップと同一であり、初期手数料も最大7%取られてしまうところに問題を感じます。
予定利率
保険期間10年では、米ドルが2.30%、豪ドルが2.50%。
保険期間15年では、米ドルが2.35%、豪ドルが2.80%となっています。
三井生命で取り扱っている外貨建て保険の解説と所見のまとめ
まず、三井生命で取り扱っている商品全般に言えることですが、保険料の試算ができないという点があります。
試算をしたければ担当と会って設計書を見てください、というスタンスであり、事前に情報収集できない点で大きなマイナスがある会社だと感じます。
また、取り扱っている外貨建て商品全般についても、特段際立った特徴のあるものはなく、外貨建て保険に加入するのであれば、他社でもいいなと思いました。
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