明治安田生命の「米ドル建一時払養老保険」は外貨建て入門編だった?
目次
明治安田生命から新発売「米ドル建一時払養老保険」!
マイナス金利政策によって円建て商品の利率が落ち込んだ一昨年~昨年にかけて、円建に代わった商品として外資系生保会社のみならず国内大手生保会社が続々と外貨建の商品を発売する中、沈黙を守っていた明治安田生命ですが・・・昨年8月に満を持して外貨建の一時払い養老保険を発売しました。
今回はその「米ドル建一時払養老保険」について詳しく調べてみました。
他社商品と比べてどのようなリスク・メリットがあるのか見ていきましょう。
明治安田生命の「米ドル建一時払養老保険」、外貨建での一時払養老保険はあまり見かけない?
今までは外資系生保会社の取り扱いが多かった外貨建の生命保険ですが、国内大手生保会社からも販売され始めましたね。
しかし国内他社では個人年金保険であったり終身保険での取り扱いが多く、養老保険という形では唯一日本生命(子会社である三井生命が販売元)での取り扱いがあるようです。
外資系生保会社での取り扱いが殆どを占める中あえて養老保険として売り出した明治安田生命、一体どのような内容になっているのでしょうか?
明治安田生命の「米ドル建一時払養老保険」の概要
販売名称
5年ごと利差配当付一時払特別養老保険(指定通貨建)
が正式名称のようで、わかりやすくした名前が「米ドル建一時払養老保険」になっており、貯蓄性+死亡保障を兼ね備えた内容になっています。
明治安田生命のドル建て養老保険の評判が気になる人は、「明治安田生命のドル建て養老保険の評判が悪い理由と優れている点」の記事もご参照ください。
契約年齢範囲
契約者が満20歳~満85歳まで、被保険者が0歳~満85歳まで加入できるようです。
今までの円建商品は80歳までの加入が殆どだった明治安田生命ですので、初めての外貨建商品ともあって明治安田生命の心意気が垣間見えますね。
保険料
日本円での一時払での支払いのみ対応で、金額は100万円より10万円ごととなっています。
明治安田生命が保険料を受領した日の入金用為替レートで基本保険金額(米ドル)が確定され、契約日の予定利率等で米ドル建の満期保険金額・災害死亡保険金額・解約返戻金額等が確定されます。
予定利率自体は毎月1回見直されますが契約日の予定利率が10年間適用されますので、加入したその日に米ドルでの受け取れる金額が確定するのは嬉しい点です。
実際のリスク(デメリットとなり得る点)が為替リスクのみになっており、明治安田生命が入門編と謳っている理由はそういった背景があるようです。
受取方法
満期が来ていざ換金しようとしてもその時円高が進んでしまっている場合、日本円で受け取ってしまうと損が出てしまう可能性がありますよね。
受取方法としては
- 日本円で受け取る方法
- そのまま米ドルで受け取る方法
- 最大10年間据え置く方法
が準備されているようです。
もし円安だった場合は日本円に換金して受け取り、円高だった場合は据え置いて様子を見るのも○ですし、米ドルで受け取って海外旅行に行ったついでに換金・使用するのもリスク回避として一つの手段と言えます。
明治安田生命の「米ドル建一時払養老保険」の加入例を見てみたい!
それでは実際に加入した場合の加入例を見ていきたいと思います。
被保険者:男性 契約年齢:40歳 予定利率:2.95%(2018年4月1日~4月30日適用分) 入金用為替レート:106.74円(2018年3月30日)
一時払保険料 500万円
基本保険金額 46,843米ドル
死亡保険金額 58,881.65米ドル
満期保険金額 58,881.65米ドル
※なお解約返戻金は同為替レートを使用した場合契約1年目で97.4%・2年目以降で99.9%になり、全体的に低く抑えられているのがわかります。
上記例で見た場合、米ドルで受け取る際の受取率は125.6%となり、やはり現在の円建では不可能と言える受取率になっていますね。
適用基準日の支払用為替レート(ドル→円)を±20円で試算した結果
もし円で受け取る場合の上記例を用いての支払い用為替レート±20円でいくらくらいになるのか、詳しく見ていきましょう。
20円高の場合 1米ドル=85.74円 | 適用基準日(2018年3月30日)時点の場合 1米ドル=105.74円 | 20円安の場合 1米ドル=125.74円 |
5,048,513円 (受取率:100.9%) | 6,226,146円 (受取率:124.5%) | 7,403,779円 (受取率:148.0%) |
これにより、円換算後の満期保険金額が一時払保険料と同水準になる支払用為替レートは1米ドル=84.92円、損益分岐点はおよそ1ドル84~85円となります。
結局明治安田生命の「米ドル建一時払養老保険」ってどうなの?
さて、40歳男性の一時払保険料500万円での加入例を見てきましたが、魅力的な受取率であることを見て取れました。
ただ実際為替リスクを孕んだ投資型の商品になっているので、加入する際は普通の生命保険と違った適合性の確認等別途手続きが必要になるようです。
また解約返戻金が抑えられている商品ですので、途中解約する予定がある方は為替レートによっては大きく元金割れをする可能性が有り、10年間の満期まで継続できる方でなければ損をしてしまいます。
為替リスクの怖い外貨建商品ですが、米ドルでの受け取りや最大で10年間の据え置きが可能になっている点はリスク回避をする上で重要になってきますので、そういった意味ではやはり外貨建の入門編と言っても過言ではないでしょう。
余剰資金を上手く活用し、10年後の楽しみとして大切に温めていっても良いかもしれませんね。
参考:明治安田生命の米ドル建一時払養老保険が気になる人におすすめの記事
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