ソニー生命のリビングベネフィットの評判を斬る!
目次
ソニー生命のリビングベネフィットの評判
ソニー生命で販売している特定疾病保険「リビングベネフィット」は、死亡保障と三大疾病に対する保障を1本の商品で兼ねている商品です。
その評判のほどは、なかなか好評を得ているようで、多くの「自称」保険の専門家がこぞって高い評価を出しています。
本当に商品性が優れていて良い保険なのか、他社の同種の商品と比較した上で、その評判を斬ってみたいと思います。
ソニー生命のリビングベネフィットの種類
ソニー生命でリビングベネフィットと名の付く商品は、保険期間や通貨、定額・逓減の違いにより、6種類の商品が存在します。
それぞれ以下の通りです。
- 生前給付保険(終身型)
- 生前給付保険(定期型)
- 生前給付終身保険(生活保障型)
- 生前給付定期保険(生活保障型)
- 米ドル建生前給付終身保険(生活保障型)
- 生前給付逓減定期保険(生活保障型)
「定期型」と「終身型」
保険期間が、一定期間の保障である「定期型」と、一生涯保障の「終身型」で分けられます。
疾病に対する保障が「期間限定」というのは、安心の度合いを考えると、保障としては不十分でしょう。
かつ、死亡保障も兼ねるのであれば、なおさら「期間限定」保障は、あまり意味を感じ得ません。
となると、保険期間は「終身型」を選ばれるケースがほとんどと思われます。
「一定型」と「逓減型」
保険金額が、保険期間ずっと変わらない「一定型」と、年々減っていく「逓減型」で分けられます。
逓減型の保険で代表的なものが「収入保障保険」ですが、これは遺族の「生活費」に目的を充てた商品です。
しかし、疾病保障に対する備えが年々減っていく仕組みは、正直その目的が分かりません。
加えて、逓減型の商品は「定期型」のみとなっているため、この商品もあまり必要性を感じ得ません。
「円建」と「米ドル建」
米ドル建て商品は、円建てよりも予定利率が高い米ドル建てで保障を持つことで、円建てよりも割安な保険料と多めの保障金額(2017年11月時点での為替レートで換算)が期待でき、かつ、ドルベースでの解約返戻率の高さの恩恵を受けることができます。
しかし、貯蓄性商品として考えるのであれば米ドル建ての商品は検討の価値があるとは思いますが、「疾病に対する保障」をドル建てで持つことには違和感を感じます。
詳細は、後ほど記述してみます。
ソニー生命のリビングベネフィットの保険金支払事由
「死亡保障に加え、三大疾病の保障を得られます」とソニー生命の資料には記載があります。
詳細を見ていくと、三大疾病における保険金支給要件は「がん・急性心筋梗塞・脳卒中で所定の状態になられたとき」とあります。
誤解されやすい部分ですが、必ずしも三大疾病と「診断」されたときに保険金がおりる訳ではありません。
ソニー生命が定めている「所定の状態」に該当することが必要となります。
三大疾病それぞれによる支払事由を見てみます。
がん
責任開始期以降に責任開始期前を含めて初めて悪性新生物(がん)に罹患したと、医師によって診断確定されたとき
ただし、以下の場合を除きます。
- 上皮内がん
- 悪性黒色腫を除く皮膚がん
- 責任開始期から90日以内に診断確定された乳がん
がんに関しては、初めてがんと「診断」を受ければ、保険金の給付対象となるようです。
急性心筋梗塞・脳卒中
「責任開始期以後に急性心筋梗塞を発病し、医師の診療を受けた日から60日以上労働の制限を必要とする所定の状態が継続したと医師によって診断されたとき。虚血性心疾患のうち、急性心筋梗塞、再発性心筋梗塞が対象となります。」
「責任開始期以後に脳卒中を発病し、医師の診療を受けた日から60日以上所定の後遺症が継続したと医師によって診断されたとき。脳血管疾患のうち、くも膜下出血、脳内出血、脳梗塞が対象となります。」
この事由のとおり、「診断」だけでは保険金はおりません。
60日以上が意味すること
期間にして約2ヶ月です。
2ヶ月以上も労働の制限が必要となる状態、2ヶ月以上も後遺症が継続する状態、相当重い症状だと思います。
しかし、事前に予兆が判明し早期に手術で回復した場合や、早期に退院できた場合は、患者本人やそのご家族にしてみたら大変喜ばしいことです。
しかし、極端な話ですが59日で回復・退院したり、診断書に記入してもらえなかったとしたら、保険金は1円たりともおりません。
三大疾病に罹患してしまったにも関わらず、保険を使うことができない、そんな可能性を大いに秘めている支払事由となっているのがこのリビングベネフィットなのです。
他社の同種商品と比べて
リビングベネフィットに類似した商品として、オリックス生命の特定疾病保障保険「ウィズ」があります。
商品性はほとんど同じで、死亡保障と疾病保障を兼ね、保険期間は終身保障、解約返戻金もあります。
異なる部分は、急性心筋梗塞と脳卒中の「支払事由」にあります。
オリックス生命の特定疾病保障保険「ウィズ」の「支払事由」はリビングベネフィットと同様に、「所定の状態60日以上」のほか、「手術を受けたとき」も保険金の給付対象としています。
軽度な状態で早期に退院することがあったとしても、「手術を受けた」という事由で保険金が給付されるため、保障の手厚さという面では、こちらの商品を選んだほうがよさそうです。
保険料の比較
ソニー生命のリビングベネフィット(終身型)とオリックス生命のウィズを、同一条件で試算してみます。
契約年齢:30歳男性 保険期間:終身 保険料払込期間:65歳 保険金額:500万円
リビングベネフィット:月11,605円 66歳時返戻率:89.99%
ウィズ:月11,230円 66歳時返戻率:99.4%
ウィズのほうが保険料が安く、しかも返戻率が高くなっています。
オリックス生命の特定疾病保障保険「ウィズ」の保険料に焦点を絞っている記事がありますから、気になる方はぜひどうぞ。
リビングベネフィット生活保障型
ソニー生命のリビングベネフィットには、三大疾病による保険金が給付されるタイプのほか、生活保障型といった商品も存在します。
公的介護保険制度において「要介護2以上」と認定されたときに「介護保険金」が、高度障害もしくは身体障害福祉法に定める障害等級1級、2級、3級に該当し、障害者手帳の交付があった際に「障害保険金」が給付されます。
一見、1つの保険で様々な保障があるように見えますが、どれか一つの保険金を受給した時点で、他の保障はなくなります。
介護が不安な方が加入したとして、障害保険金を受け取ったら介護保険金は出ませんし、特定疾病保険金を受け取っても介護保険金は以降出ることはありません。
お得感があったほうが良いという方には向いているかもしれませんが、どれか一つの保険金しか受け取ることができないことに注意が必要です。
ソニー生命のリビングベネフィットの評判を斬る!のまとめ
保険は、保険料の大小で決めるのではなく、困ったときに「使うことができるのか」という目的達成の可否が大前提になります。
そういった意味では、リビングベネフィットの保険金支払事由は、少々厳しすぎる印象を持ちます。
オリックス生命のウィズのように、「支払事由が広い」「保険料が安い」「返戻率が高い」といったより良い商品が他には存在しています。
それでもあなたはリビングベネフィットを選びますか?
参考:ソニー生命のリビングベネフィットが気になっている人におすすめの記事
評判の高いソニー生命の特定疾病保険・リビングベネフィットが気になっている方は、以下のような記事も参考にしてみてください。
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